ミラノを満喫!ギャラリーとヴィンテージ・ショップ巡り

ミラノ デザイン・ウイークから、早や1か月半。ふと自分のiphoneのアルバムを見てみたら、ギャラリーやヴィンテージ・ショップもすごい数をこなしていたではないですか! デザインウイークでは、4月25日公開の記事でご紹介したように、まずはモードなホーム・コレクションを中心に。一方かなり主観で選んだデザイン関係では、ポップな家具やオブジェのギャラリー、ニルファー(Nilufar)へ。ラデュレのサロンドテの内装も手がけているデザイナー、インディア・マダヴィ(India Madhavi)がプライベートなクラブをイメージしてのスペースでは、期待通り色が炸裂していました。そしてウォールペーパー誌によるデザイン展「ハンドメイド」展のオープニングでは、ララ・ボーインク(Lara Bohinc)に再会!彼女がジュエリー・デザイナーだった頃にロンドンにて取材で会って以来、なんと15年以上ぶりでした。そう言えば元々インダストリアル・デザインを学んだってきいてたけれど、インテリアに転身したとは。分野が変わっても、ララの未来的で構築的なテイストは、健在です。

そしてアート界の大きな話題は、現代アート蒐集家マッシモ・デ・カルロ(Massimo De Carlo)の、ミラノで2軒目になるギャラリーのオープンでした。贅沢な展示スペースにすべく彼が手に入れたのは、ピエロ・ポルタルッピによる'30年代のモダニスム建築。ポルタルッピは、ティルダ・スウィントン主演映画『ミラノ、愛に生きる』のロケ地となった邸宅「ヴィラ・ネッキ」を設計したことでも有名です。新スペースの幕開けを飾るのは、同ギャラリーを代表するアーチストを集めたグループ展。一方、教会を舞台としたギャラリー、コンヴェルソ(Converso)では、コンセプトがユニークでした。ここでは100人のアーティストたちが寄せたそれぞれ100の言葉を、AIによりシャッフル。また会期中にはビジターが床に書き残した言葉が同じ方法で編集され、日々新しい文章が出来上がったのです。

ショッピングでは、ヴィンテージに終始。レアで石の鑑定も信用でき、かつ手が届く値段のジュエリーなら、老舗のペニージ(Pennisi)ヘ。いつも素敵なネックレスをしているロジェ・ヴィヴィエのゲラルド・フェローニも顧客に数えるとか。18世紀から1970年代まで、特にヴィクトリアンが充実しています。そして、マダム・ポリーヌ(Madame Pauline)。数年前にカール・ラガーフェルドによるクロエのメンフィス風プリントのブラウスをここで見つけて以来、ひいきにしているのです。見どころがぎゅっと凝縮されたミラノでは、こんな風に数日間でたくさんのお目当てをこなすのも可能。ちなみに万歩計によるとこの5日間で歩いたのは、フルマラソンを越える50kmでした!

 text: Minako Norimatsu

ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子プロフィール画像
ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

記事一覧を見る

FEATURE