ニコラ・ナイトリーを迎えて初のキャンペーン・ビジュアル。写真の新作バッグLe Flori(ル・フローリ) は、早くも1903年に女性の手を解放しようとポーリーヌ・モワナが考案したストラップ付きバッグへのオマージュ。20 (幅) x 9 (奥行き) x1 9 (高さ) cm。
以下、パリのモワナ本店のディスプレイ。Le Flori (ル・フローリ)の左のミニチュアトランクもニコラ・ナイトリーによる新作で、タイヤケースをイメージしてLa Wheel(ラ・ウィール)と名付けられた。1920年から伝わるモノグラムには、創業年のマーキングを。17 (直径) x 8 (奥行き) cm Photo: Minako Norimatsu
バケツ型バッグLe Baluchon(ル・バリュション)は、ハンドルもストラップも共に取り外し可能。指先で押すだけで開閉を可能にするメダイヨンには、やや縦長のアルファベットがリズミカルに配置された、アンリ・ラパンによるMoynatのロゴが刻まれている。20 (幅) x 14 (奥行き) x 18 (高さ) cm Photo: Minako Norimatsu
新作2点。右: Le Limousine(ル・リムジン)。1902年発表の同名のトランクからの着想で4隅に施された補強は、モワナならではのサヴォワフェールを駆使したディテール。29 (幅) x 12 (奥行き) x 32 (高さ) cm。左 : La Wheel(ラ・ウィール)本来のタイヤケースにちなんで、レザーのハーネス付き。Photo: Minako Norimatsu
取り外し可能なストラップ付き、Voyage(ヴォヤージュ)。ル・バリュションと同じく、ロゴ入りメダイヨンでワンタッチ開閉。 25 (幅) x 12 (奥行き) x 32 (高さ) cm Photo: Minako Norimatsu
アーカイブズのトランクとの関係性がわかる展示。右:ハンドバッグLe Limousine(ル・リムジン)は、19-20世紀のトランクにちなんで、底が緩やかにカーブしている。左:La Little Suitcase(ラ・リトル・スーツケース)は、まさにトランクのミニチュア。19,5 (幅) x 6 (奥行き) x 16 (高さ) cm Photo: Minako Norimatsu
右:イニシャルのマーキングでパーソナライゼーションしてもらったカードホルダーと、キーケース。左:2色使いの幅広ストラップも新作。Photos: Minako Norimatsu
パリのモワナ本店にて。手作業でのパーソナライゼーションの実演。Photo: Minako Norimatsu
ニコラ・ナイトリーを迎えて初のキャンペーン・ビジュアル。写真の新作バッグLe Flori(ル・フローリ) は、早くも1903年に女性の手を解放しようとポーリーヌ・モワナが考案したストラップ付きバッグへのオマージュ。20 (幅) x 9 (奥行き) x1 9 (高さ) cm。
以下、パリのモワナ本店のディスプレイ。Le Flori (ル・フローリ)の左のミニチュアトランクもニコラ・ナイトリーによる新作で、タイヤケースをイメージしてLa Wheel(ラ・ウィール)と名付けられた。1920年から伝わるモノグラムには、創業年のマーキングを。17 (直径) x 8 (奥行き) cm Photo: Minako Norimatsu
バケツ型バッグLe Baluchon(ル・バリュション)は、ハンドルもストラップも共に取り外し可能。指先で押すだけで開閉を可能にするメダイヨンには、やや縦長のアルファベットがリズミカルに配置された、アンリ・ラパンによるMoynatのロゴが刻まれている。20 (幅) x 14 (奥行き) x 18 (高さ) cm Photo: Minako Norimatsu
新作2点。右: Le Limousine(ル・リムジン)。1902年発表の同名のトランクからの着想で4隅に施された補強は、モワナならではのサヴォワフェールを駆使したディテール。29 (幅) x 12 (奥行き) x 32 (高さ) cm。左 : La Wheel(ラ・ウィール)本来のタイヤケースにちなんで、レザーのハーネス付き。Photo: Minako Norimatsu
取り外し可能なストラップ付き、Voyage(ヴォヤージュ)。ル・バリュションと同じく、ロゴ入りメダイヨンでワンタッチ開閉。 25 (幅) x 12 (奥行き) x 32 (高さ) cm Photo: Minako Norimatsu
アーカイブズのトランクとの関係性がわかる展示。右:ハンドバッグLe Limousine(ル・リムジン)は、19-20世紀のトランクにちなんで、底が緩やかにカーブしている。左:La Little Suitcase(ラ・リトル・スーツケース)は、まさにトランクのミニチュア。19,5 (幅) x 6 (奥行き) x 16 (高さ) cm Photo: Minako Norimatsu
右:イニシャルのマーキングでパーソナライゼーションしてもらったカードホルダーと、キーケース。左:2色使いの幅広ストラップも新作。Photos: Minako Norimatsu
パリのモワナ本店にて。手作業でのパーソナライゼーションの実演。Photo: Minako Norimatsu
フランスで最も古い歴史を誇るバゲージ・メーカー、モワナ が新しいアーティスティック・ディレクター、ニコラ・ナイトリーを迎えてこの春生まれ変わりました。イギリス人のニコラはマルベリーを経て2004 年以降はルイ ヴィトンのレザー・グッズ責任者だった、バッグのエキスパート。彼はこう語ります。「モワナは、至極洗練されたものづくりによってうるさい顧客のどんな要望にも正確に応えると言う点で、言わばバゲージとレザーグッズのオートクチュール」。単にアーカイブにデザイン・ソースを求めるのではなく、メゾンのDNA を深く理解しつつその哲学をモダンなデザインに置き換える、それが彼の取り組み方です。
ここで、1849 年に遡るモワナの歴史をかいつまんでお話ししましょう。創業者は、ポーリーヌ・モワナ。女性として初めてラグジュリアスなバゲージの世界で指揮をとった、女性実業家&デザイナーのパイオニアです。当時の上流社会のステイタス、車での旅に焦点を当てた彼女のものづくりでは、車の屋根のラインに沿う、底辺が緩やかなカーブを描くトランクが画期的でした。また彼女の発案によるモワナのシグネチャーは、バリエーション豊富なカラーパレットから選んで車とマッチングの色でトランクをオーダーできるという、究極のパーソナライゼーションです。ニコラをインスパイアするのは、ポーリーヌ・モワナの革新さ。さらに、メゾンが抱える職人たちの、当時から今に伝わる技術。だからニコラは自身のクリエイションを「職人とのコラボレーション」と表現しています。
この春に発表された彼のファースト・コレクションの新作での筆頭株は、Le Flori です。ポーリーヌ・モワナのモダンさ、自由さ、アクティブさへのオマージュだと言うこの型は、丸みを帯びたコロンとした形が特徴的。取り外し可能な幅広ストラップとハンドルでのツーウェイで、クラスプは車に顕著なメカニズムを象徴しています。もう一つの新作Le Limousine は、1902 年作の同名のトランクが出発点だそう。そしてイヴニングバッグとしても使えるミニチュア・トランク2点のうちなんとも愛らしいのは、La Wheel 。タイヤを意味するこのバッグは、4年前に発表されたタイヤ収納用のトランクがひな型です。もう一つは、カチッとしたLa Little Suitcase 。ポーリーヌがトランクに旅券収納用のポーチを加えていたことから、いずれもマッチング・ポーチ付き。この2点の素材の原点は、1920 年のアンリ・ラパンによるモノグラムです。今見てもモダンなアール・デコのグラフィックは、さらに立体的にアップデートされました。モダンに生まれ変わったアイコニック・ピースも含めての新作の一連は、モワナ本店に入荷したばかり。ちなみにフランスでのバックトゥノーマルへの第一歩を記念する5 月19 日には、必需品以外のお店が、つまりモワナもやっと再オープンの運びです。 Moynat 348, rue Saint Honoré 75001 Paris
Text : Minako Norimatsu