グリーンのハードケースに収められた「アクネ ペーパー ブック」は29cm x 28,5cmと、Acne paperの元来のフォーマット、568ページ。編集はトーマス・パーソン、表紙はクリストファー・スミスのセルフ・ポートレート。
「アクネ ペーパー ブック」より。Acne Paper 14号 “マンハッタン” (2013年)の表紙(写真:Brigitte Lacombe)と、ニューヨーク編集界の大御所、音楽評論家&写真家のVince Alettiによるエッセイ。
「アクネ ペーパー ブック」より。ダンサーLe Nost MalikをフィーチャーしたAcne Paper 6号 “Exoticism” (2008年)掲載のストーリー。(写真:Terry Tsolis)
クリストファー・スミスの写真展を兼ねた「アクネ ペーパー ブック」ローンチング・パーティは、アクネ ストゥディオズの未来のブティックにて。(秋以降オープン予定)。まだ工事前のインダストリアルな雰囲気の会場を、グリーンのカーペットが飾る。Photo : Minako Norimatsu
「アクネ ペーパー ブック」より、本の表紙と巻頭/最終の数ページを飾った、クリストファー・スミスの撮り下ろしセルフ・ポートレートの一連。(展示は7月半ばで終了)Photo : Minako Norimatsu
イベントの隠れテーマ、グリーンに準じたバルボステによるケータリング。右:リコッタチーズのネム。左:寒天を使ったひとくちスイーツ、通称“クリスタル”。Photos : Minako Norimatsu
右:会場上階の設定は、まるで図書館の閲覧室。フランス国立図書館と同じグリーンのランプをしつらえて。左:控え室に潜入してしまったスウィーティー。Photos : Minako Norimatsu
グリーンのハードケースに収められた「アクネ ペーパー ブック」は29cm x 28,5cmと、Acne paperの元来のフォーマット、568ページ。編集はトーマス・パーソン、表紙はクリストファー・スミスのセルフ・ポートレート。
「アクネ ペーパー ブック」より。Acne Paper 14号 “マンハッタン” (2013年)の表紙(写真:Brigitte Lacombe)と、ニューヨーク編集界の大御所、音楽評論家&写真家のVince Alettiによるエッセイ。
「アクネ ペーパー ブック」より。ダンサーLe Nost MalikをフィーチャーしたAcne Paper 6号 “Exoticism” (2008年)掲載のストーリー。(写真:Terry Tsolis)
クリストファー・スミスの写真展を兼ねた「アクネ ペーパー ブック」ローンチング・パーティは、アクネ ストゥディオズの未来のブティックにて。(秋以降オープン予定)。まだ工事前のインダストリアルな雰囲気の会場を、グリーンのカーペットが飾る。Photo : Minako Norimatsu
「アクネ ペーパー ブック」より、本の表紙と巻頭/最終の数ページを飾った、クリストファー・スミスの撮り下ろしセルフ・ポートレートの一連。(展示は7月半ばで終了)Photo : Minako Norimatsu
イベントの隠れテーマ、グリーンに準じたバルボステによるケータリング。右:リコッタチーズのネム。左:寒天を使ったひとくちスイーツ、通称“クリスタル”。Photos : Minako Norimatsu
右:会場上階の設定は、まるで図書館の閲覧室。フランス国立図書館と同じグリーンのランプをしつらえて。左:控え室に潜入してしまったスウィーティー。Photos : Minako Norimatsu
去る7月9 日、「アクネ ペーパー ブ ック 」が発売されました。これは2005 年から10 年近くの間、アクネ ストゥディオズが年2回発行していた刊行物Acne Paper からの抜粋に、新規寄稿のエッセイやクリストファー・スミス が撮り下ろした写真を加えて編集された、豪華本です。ちなみにクリストファーは南アフリカ出身、5 年前よりインスタグラムで知られるようになった、25 歳の若きアーティスト。この機会に彼は、過去のAcne Paper 15 号分の各テーマを再解釈し、変装してのセルフ・ポートレートの一連を製作しました。中でもPlayfulness と言うテーマにインスパイアされ、ニジンスキーによるロシアバレエの代表作「牧神の午後」の獣を思わせる出で立ちの一点は、表紙に。その他Youth, Elegance, Art and Spirituality と言った奥深いテーマは、 “多様性”が叫ばれるようになった昨今にずっと先んじて、Acne Paper がジェンダーやジャンルを越えて先鋭的なクリエイティブ・ピープルを引き寄せる糸口となりました。ローンチから1か月近くたち、本はソールドアウトになってしまいましたが、噂ではAcne Paper 自体が復活するとか!?
思えばスウェーデンの友人からアクネ ジーンズ(当時の名称)のことをはじめてきいたのは、2000 年代初頭のこと。その後まだPR はストックホルムの本社のみだったアクネ ストゥディオズ のアイテムを度々シュプール誌上で紹介するようになりました。ブランドのクリエイティブ・ディレクターであるジョニー・ヨハンソンが意気投合したエディター&アートディレクターのトーマス・パーソン を編集長に迎え、Acne Paper 第1号が発表されたのは、その少し後の話。中綴じ大判のフォーマットのこのマガジンは、ファッション・ブランドのカタログではなく、アーティストたちはもちろん、他メゾンのデザイナーもフィーチャーしているではありませんか!大御所ではスノードン卿やサラ・ムーンから若手ではヴィヴィアン・サッセン、ジェイミー・ホークスワースと言った、カメラマンのラインナップも素晴らしい。こうして初版から毎号Acne Paper をコレクションするようになった私は、今年の初めに引っ越した際も、バックナンバーは全て大切に取っています。
「アクネ ペーパー ブック 」ローンチに先んじて、パリではクリストファー・スミスによる写真の一連と、Acne Paper のバックナンバーを一望できる展覧会も開かれました。スウェーデンを拠点とするだけあって、オーガニックやエコロジーが社風の一つでもあるアクネ ストゥディオズらしく、テーマカラーは、グリーン。ヘルシーな創作フードで最近ファッションのメゾンから引っ張りだこのバルボステ によるケータリングも、この色に準じて展開されました。私ごとですがこの夜は、先週天国へと旅立ってしまった私の愛犬スウィーティーも同行。上の階でジョニーに挨拶すると「あ、君だったんだね。下の階ですれ違ったけど、飼い主はさておき犬に見とれてしまっていた(笑)」と言われたのが、私に取ってはかけがえのない思い出です。
Text: Minako Norimatsu