ダンス部門ガラ公演より、今は亡きコレオグラファー、ハラルド・ランダーによる”アカデミック・バレエの傑作” と言われるEtudes の1シーン 。photo : Julien Benahamou /Opéra National de Paris
音楽部門ガラ公演の1シーン。指揮を取っているのがギュスターヴォ・デュダメル。 Photo: Elisa Haberer / Opéra National de Paris
この機会に特別なインスタレーションが施されたオペラ・ガルニエの正面階段で、エトワール・ダンサーたち。中央はダンス部門ディレクターのオーレリー・デュポン。その左がセウン・パク。この夜はオペラ座内のフォワイエで、彼らを750名のゲストたちが囲み、着席ディナーが催されました。Photo : Julien Benhamou
ガラ公演の幕を切った「デフィレ・ド・バレエ」のフィナーレでは、オペラ座のバレエ学校の幼い生徒たちからエトワール・ダンサーまでが一堂に会した。Photo : Julien Benhamou /Opéra National de Paris
男女二人がパ・ドゥ・ドゥーを繰り広げるClouds Insideは、まだ23歳と言う若手振付家、テス・ヴォルカーが始めてパリ・オペラ座のために創った作品。Julien Benhamou /Opéra National de Paris
シャネルのゲストは、ここ数シーズン、メゾンのコレクション・ティーザーやキャンペーン・ビジュアルを撮っているカメラマン・デュオ、イネスとヴィヌード photo : Virgile Guinard
ファッション・アイコンたちの“ブラックタイ”ベストルック。右:左は元ファッション番組のプレゼンターで、現ニットデザイナーのアレクサンドラ・ゴロヴァノフ。左:自作のドレスを纏ったヴァネッサ・シワード。Photos: François Guizé
OP(Opera de Paris)のロゴを配して花を敷き詰めたフォトコールでポーズを取る、映画界のセレブたち。右はカンヌ映画祭で金の獅子賞を獲得した映画「チタン」の主演女優、アガット・ルッセル。左は映画「君の名前で僕を呼んで」でティモシー・シャラメの母親役を務めたアミラ・カザール。Photos: Dominique Maître
ダンス部門ガラ公演より、今は亡きコレオグラファー、ハラルド・ランダーによる”アカデミック・バレエの傑作” と言われるEtudes の1シーン 。photo : Julien Benahamou /Opéra National de Paris
音楽部門ガラ公演の1シーン。指揮を取っているのがギュスターヴォ・デュダメル。 Photo: Elisa Haberer / Opéra National de Paris
この機会に特別なインスタレーションが施されたオペラ・ガルニエの正面階段で、エトワール・ダンサーたち。中央はダンス部門ディレクターのオーレリー・デュポン。その左がセウン・パク。この夜はオペラ座内のフォワイエで、彼らを750名のゲストたちが囲み、着席ディナーが催されました。Photo : Julien Benhamou
ガラ公演の幕を切った「デフィレ・ド・バレエ」のフィナーレでは、オペラ座のバレエ学校の幼い生徒たちからエトワール・ダンサーまでが一堂に会した。Photo : Julien Benhamou /Opéra National de Paris
男女二人がパ・ドゥ・ドゥーを繰り広げるClouds Insideは、まだ23歳と言う若手振付家、テス・ヴォルカーが始めてパリ・オペラ座のために創った作品。Julien Benhamou /Opéra National de Paris
シャネルのゲストは、ここ数シーズン、メゾンのコレクション・ティーザーやキャンペーン・ビジュアルを撮っているカメラマン・デュオ、イネスとヴィヌード photo : Virgile Guinard
ファッション・アイコンたちの“ブラックタイ”ベストルック。右:左は元ファッション番組のプレゼンターで、現ニットデザイナーのアレクサンドラ・ゴロヴァノフ。左:自作のドレスを纏ったヴァネッサ・シワード。Photos: François Guizé
OP(Opera de Paris)のロゴを配して花を敷き詰めたフォトコールでポーズを取る、映画界のセレブたち。右はカンヌ映画祭で金の獅子賞を獲得した映画「チタン」の主演女優、アガット・ルッセル。左は映画「君の名前で僕を呼んで」でティモシー・シャラメの母親役を務めたアミラ・カザール。Photos: Dominique Maître
ここ数年来、通常は毎年秋にパリのオペラ座で開かれる、ガラ公演。向こう1年間のプログラムを披露する、華やかなイベントです。メセナは、シャネルとロレックス。コロナ禍によるキャンセルを挟んで2 年ぶりの今回は、音楽とダンスと部門ごとに、2つのソワレ が繰り広げられました。まず音楽部門では新しいディレクター、ギュスターヴォ・デュダメルによる指揮の元に、ビゼー作曲のカルメンを始めとする定番のほか、比較的新しいものではジョン・アダムズのドクター・アトミックを加え、計6演目のオペラの抜粋が演奏されました。
その2日後に開かれたダンス部門の公演の序章は、恒例の「デフィレ・ド・バレエ」。デュダメル自身が指揮を取ってのオーケストラ「トロイアの人々」第一幕の生演奏に合わせての、まだ幼いバレエ学校の生徒たちのなんとも愛らしい行進から始まりました。登場するダンサーたちの年齢層もレベルも徐々に上がったところで、最後はシャネルによるチュチュとティアラを纏った女性10 人と男性6 人から成るエトワール・ダンサーたちが大集合して、基本ステップを披露したのです。そして幕間の後は、ダンス部門のディレクター、オーレリー・デュポンが選んだ演目が。通常は新しいプログラムからの抜粋ですが、今回は例外的に、昨年コロナ禍で無観客のオンライン配信になった2つのコンテンポラリー・ダンスが上演されました。まずは注目を集めるダミアン・ジャレの振り付け、現代アーチストJR によるコスチュームでの、Brise-Lames 。国際的に活躍する日本の作曲家& ピアニスト、中野晃治(こうき)のミニマルな音楽に乗せて、ダンサーたちはまるで大地に吸いつけられるかのような体の動きを表現しました。次はテス・ヴォルカーによるClouds Inside 。ここでは男女二人が軽快に、パ・ドゥ・ドゥーのモダン・バージョンを披露。いずれもオペラ座での公演は今のところ予定されていませんが、オンラインで鑑賞可能です。そして2度目の幕間の後特別に上演されたのは、1948 年に振付師ハラルド・ランダーが創作した、Etudes 。稽古場のごとくバーだけを舞台装置としたステージで遊び心たっぷりに展開されたのは、クラシック・バレエのレッスンのようなシーンです。6 月にエトワールに任命されたばかりの韓国人バレリーナ、セウン・パクが主役を務めたこともあり、このアカデミック、かつ楽しいバレエに、会場は湧き上がったのでした。
さて、今度は今後のパリ・オペラ座のプログラムから、私のお勧め演目をご紹介しましょう。日本からの海外旅行が解禁になった日に備えて! Ashton/Eyal/Nijinski なるロシアン・ナイト(11/29 〜2021 年1/2 )の3部構成は、まずフレデリック・アシュトンによるクラシックな「ラプソディー」から始まります。そしてなんと言っても見所は、本誌11 月号の“アートとファッション、フェミニズム”特集でも紹介したイスラエルの女流振付師、シャロン・エイアルによるオペラ座のための初のクリエイション。ドビュッシーの音楽に乗せてのロシアン・バレエの名作「牧神の午後」を、彼女はさらにモダンに再解釈したのです。コスチュームは彼女と3 年前にディオールのショーでコラボした、マリア・グラツィア・キウリ。そして最後はニジンスキーによる振り付け、ストラヴィンスキーによる音楽であまりに有名な、春の祭典で幕を閉じます。チケットは早めの購入をお勧めしますが、信用できるオペラ座のサイトには、ラストミニッツ・チケットの可能性も。(サイトで無料アカウントを作り、ticket exchange のセクションへ)。またL’opera chez soi のアカウント(有料)でなら、ライブ配信や後日の閲覧も可能です。
Text: Minako Norimatsu