アートギャラリーのようなフラワーショップでの出会い-若井ちえみ

世界中のストリートでスタイリッシュな美女たちを見出し、スナップしてきた、フォトグラファーのミトグラフ。アップカミングな女性を見つけ出すことにかけては右に出る者なしの彼が、最近出会った注目の女性や、今いちばん会いたいイットガールを撮影する連載「M'IT GIRLを探して」。ウェブ版では、ミトグラフと「M'IT GIRL」の対談により、より深く彼女の魅力に迫る。

今回は、花を背景に写真を撮ることの多いミトグラフが、「初めて訪れたとき、花のセレクトセンスにすごく共感した」というフラワーショップ「duft(ドゥフト)」へ。オーナーの若井ちえみさんにインタビュー&フォトシューティングを行った。


花の魅力とパワーに惹かれて、フラワーショップをオープン

ミトグラフ(以下、M)「僕たち、実は同い年なんですよね。僕と同年代で自分のお店を始めるなんて本当にすごいと思う。『お花屋さん』は小さい女の子に人気の職業ですが、若井さんもやっぱり小さい頃からお花屋さんになりたかったんですか?」

若井さん(以下、W)「実は全然そんなことなかったんです。地元の札幌で、たまたまアルバイトとして花屋で働き始めて、花の面白さに取りつかれてしまって。自然のものなのにこんなにも様々な色や形があって、同じ花でも毎日違う表情を見せるところが魅力ですね。もっと本格的に学びたいと思って上京して、東京のフラワーショップの感度の高さに衝撃を受け、自分でもショップを始めることにしました」

M「ここは若井さんがひとりで営んでいる店だから、花のセレクトから若井さんのセンスがストレートに見えますよね。選んでいる人の顔が見えるので信頼できる。僕は被写体として花を見ることが多いですが、若井さんのセンスにはすごく共感します」

W「直線的な花よりは、柔らかく動きのある花が好きですね。花を買って家に飾る人がひとりでも増えたら嬉しいです。なので、『これ、面白いから飾ってみようかな』と思えるような、個性のある花を中心に選んでいます」

M「ミニマルなお店の内装も素敵ですね」

W「もともと、現代アートが好きなんです。アートギャラリーの静謐な雰囲気を意識しています」

M「フラワーショップとしては珍しく、男性的なムードを感じさせるショップですよね」

W「それは店名を考えていたときから頭にありましたね。花そのものがフェミニンなイメージですし、店主の私も女性なので、ショップの内装や店名の響きはあえて男性的にしたいと思って」

 

 

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洋服をスタイリングするように花を選んでほしい

M「このランの花と器の組み合わせ(下の写真ギャラリー、2枚目)、すごく素敵ですね!」

W「一見、インパクトが強くて花と合わせるのが難しそうな器ですが、意外と鮮やかなランと相性がよかったりするんです。このランも、例えば透明なガラスのフラワーベースに入れたときと比べると、まったく印象が違うと思います」

M「フラワーベースも、初心者としては何を買ったらいいのかわからなくて、選ぶのがすごく難しいです」

W「個性の強いベースは敬遠されがちですが、花がなくても飾ってあるだけで絵になるのでおすすめです。先に気に入った器を用意して、器に合わせて花を選ぶのも楽しいですよ。色や柄のある器を選んで、花との色合わせを考えるのも面白いですね。同じお花でも、器を変えたり、飾る場所や生け方を変えたりするとまったく違う表情になるので、いろいろ試して楽しんでほしいです」

M「何だか洋服のスタイリングの話をしているみたいですね。そう思ったら、挑戦してみたくなってきました!」

photography:mitograph interview&text:Chiharu Itagaki

若井ちえみ(わかい ちえみ)
1986年生まれ、北海道出身。札幌市内の花屋で働いたのち、独立を目指して上京。他店舗での勤務を経て、20165 月、松陰神社前にフラワーショップ「duft (ドゥフト)」をオープン。
Instagram@chiemiwakai_duft

mitograph(ミトグラフ)
写真家。コレクションウィーク中のワールドスナップをはじめ、被写体やウェアの魅力を写し出す作品はSPURでも大人気。
Instagram@mitograph