フランネルシャツで作る、素材違いのワントーンスタイル
エディターAKIYAMA(以下A) 無印良品のファッションアイテムといえば、ベーシックを徹底的に追求したデザインとアフォーダブルな価格で、SPUR読者にも身近な存在ですよね。今日はそんな定番アイテムをモードに取り入れるコツを、スタイリストのYAMAZAKIさんに教えていただきたいのですが……って、その美しすぎるシャツのドレープは何ですか!?
スタイリストYAMAZAKI(以下Y) 実は、ボタンを上下たがい違いにかけているんです! すごくミニマルなデザインのシャツなので、小技を効かせて個性的に着てみました。こうすると着丈も短くなるので、ウエストインしなくてもバランスよく着こなせますよ。
A いきなりすごいテクニックが飛び出しましたね〜! 秋冬の定番であるフランネルのシャツと、シャイニーなスカートで作る、素材違いのワントーンスタイルがとても素敵です。
Y 両面起毛なので、内側も外側もふかふかして暖かいですね。袖を通したとき、素材があまりにも気持ちいいので感動しました。
A とはいえ厚手すぎない生地なので、まだ暑さの残る時期から着やすそうです。
Y 私は身長169cmで、今はMサイズを着ています。コンパクトなシルエットなので、ジャストサイズを選んできれいに着てもいいし、もう少しサイズを上げて羽織ものとして使ってもいいですね。
定番中の定番、美しいシルエットのテーパードデニム
A 性別や年齢、体型にとらわれず、あらゆる人に向けてエターナルなアイテムを発信しているMUJI Labo(ムジ ラボ)。その中でもおすすめは、定番商品のデニムパンツです。ユニセックスで、23〜32インチの幅広いサイズ展開になっています。
Y 私はかなり大きめのサイズを選んで、ぶかっと穿いてみました! もっと小柄な人なら、ウエストをベルトでぎゅっと締めて着るバランスも素敵なのでは。
A テーパードシルエットが、ものすごくきれい! 脚の肉感を拾わない厚手の生地なので、かっこよく着られますね。
Y ベーシックな形のパンツなので、パンチのあるトップスを合わせてみました。定番アイテムだけに、どんなトップスも受け止めてくれそうな懐の広さが嬉しいですね。
ドレッシーにも着られるコーデュロイスカート
A こちらも秋冬の人気素材、コーデュロイのロングスカートです。
Y 細畝なので、ほっこり感が出すぎず、ベロアのような美しい光沢がありますね。私はドレッシーなチュニックと合わせてみました。
A 丈も、長すぎず短すぎずで使いやすそう! 今回はネットソックスを合わせていただきましたが、ブーツを合わせてもよさそうです。
Y 真っ黒ではない、少しニュアンスのある色合いがすごく素敵。タイトすぎず、かすかに広がった台形シルエットだし、バックスリットもしっかり入っているから歩きやすいのが嬉しいですね。
無印良品らしいボーダー柄トップスは、肩のシルエットに注目!
A 続いては、ボートネックのボーダー柄トップス。いわゆるバスクシャツですが、無印良品といえば!といった感じのアイテムですね。定番アイテムな印象ですが、シーズンごとに色や柄を微調整しているそうなので、ぜひ毎シーズンチェックしてみてほしいです!
Y セットインスリーブで肩と袖がしっかり沿っていますね。最近はドロップショルダーの服を着ることが多かったので、なんだか新鮮です!
A 確かに、ボーダー柄ですがカジュアルになりすぎずに取り入れられそう。首周りも、開きすぎず詰まりすぎずの絶妙な開き具合。首がきれいに見えますね〜。
Y 両サイドにスリットが入っているので、フロントだけウエストインする着方もテクニックいらずで簡単に決まりますね。
歩きやすいインソール&はっ水加工のキャンバススニーカー
A こちらは、大ヒット商品だというキャンバススニーカー。ただのスニーカーではありません。スムーズな歩行をサポートするインソールが入っていて、歩きやすいと評判のアイテムです。さらに、はっ水加工で水汚れにも強く、軽い雨の日も安心です!
Y すごい! キャンバス素材なのに水を弾くというのは嬉しいですね。汚れもつきにくいので、真っ白なスニーカーにも果敢に挑戦できそうです。
A インソールは土踏まずにフィットして、確かにすごく歩きやすい。私は土踏まずが疲れやすいので、このインソールはまるで青竹踏みのような効果があって気に入りました! 買っちゃおうかな?
Y お値段は驚きの¥2,990です!
A えっ、それなら色違いで揃えたい! 秋のシーズンカラーであるオリーブグリーン(写真左)も可愛いですよね〜。迷ってしまいます!
エレガントにもカジュアルにも合う、メリノウールのハイゲージニット
A こちらも秋冬の人気商品、メリノウール100%のクルーネックニットです。
Y このニットはかなり薄手なので、暑さの残る時期からカットソー感覚で取り入れられそう。私はドレスの上からレイヤードして、袖をまくって着てみました。
A メリノウールは個人的に大好きな素材。暑い時期には涼しく、寒い季節には暖かく、天然素材ですが機能的な面を備えているんですよね。
Y 私が気に入ったのは、ダークグレーの発色の美しさ。光沢感もあって上品に着られそうです。今回はドレスと合わせましたが、カジュアルなパンツと合わせて日常使いするのにもぴったりだと思います!
A ネットを使用して、自宅の洗濯機で洗えるのも嬉しい! たくさん揃えたくなりますね。
羽織ものにも、インナーダウンにもなるパッカブルベスト
A 続いてはダウンベスト。表面の生地は、生産過程で出る糸屑や端材を再利用したリサイクルナイロンでできているそう。
Y ものすごく軽くて薄手なのに、とても暖かいです! 今の季節なら、こうやって華やかな柄オン柄のスタイリングにレイヤードしたいですね。そして、もっと寒くなってきたら、かっちりしたジャケットの中に着たいです。
A なるほど、インナーダウンとしても大活躍しそうですね!
Y こういうかっちりしたジャケットに、スポーティなアイテムを挟むと、抜け感が出るのでおすすめです。
A そしてこちらはなんと、パッカブル仕様になっていて、内側に付属したポケット部分にたたんでしまい込むことができるのです!
A 見てください、こんなにコンパクトなサイズ(写真のミディアムグレーの状態)に!
Y すごい! これは寒暖差のある時期のロケに持っていくのにぴったりですね。本気で購入を検討します!
A パッカブルのジャケットは他社からもいろいろ出ていますが、ついうっかり付属のポーチをなくしてしまいがち。この商品は、収納部分が裏地にくっついているのでなくならないというのが嬉しいです。
環境にも優しい生成りのデニムジャケット&パンツ
Y 続いて、白いデニムジャケットとパンツを、セットアップのように着てみました。このパンツ、ストレッチが効いていてものすごく穿きやすい! すごく気に入りました。
A ベーシックなワイドシルエットもきれいです! こちらは、漂白をしていない生成りのデニム。生産工程でのムダを見直し、環境に負荷をかける染め加工や漂白加工をせずにつくったのだそう。おしゃれな上に、環境にも優しいアイテムです。
嬉しい機能が満載のバックパック
A こちらも人気商品だというバックパック。一見ごくベーシックなデザインに見えますが……。
Y 背負うと、肩にフィットする感覚がありますね。
A そう、ショルダーストラップのわたの詰め方を調整して、肩に均一に重さがかかるようになっているそうです。さらにドリンクボトルなどを入れられるサイドポケット、PCを入れられるクッションポケットがついていたりと、機能性も抜群です。
Y 背中にも、横方向に1本ストラップがついていますね。これは何のためですか?
A これ、実はキャリーバッグの持ち手に引っ掛けられるのだそう。キャリーバッグ&バックパックの2個持ちでの移動中、キャリーバッグの上にバックパックを置きたいときにすごく便利。細部まで使う人のことを考えたデザインが嬉しいですね~。
これひとつでの外出もOK! レザー製サコッシュ
A 最後にご紹介するのは、イタリア産ヌメ革でできた、スマートフォンが入るサイズのサコッシュ。実は、以前も違う色を紹介したのですが、あまりにも評判がいいのでまた紹介しちゃいます!
Y リアルレザーのしっかりした作りで、高級感がありますね。カジュアルなスタイリングにも、かしこまったスタイリングにも合いそうです。そして嬉しいことに、背面にはカードを入れられるスリットもついているんです!
A これひとつでの外出も、余裕でOKですね! これは便利です。
着る人の心に寄り添う、最高の日常着
Y 無印良品のファッションアイテムをたくさん試してみて、着た瞬間の心地よさを改めて実感しました。袖を通したときの柔らかさや、パンツの穿き心地のよさ。着る人に寄り添ったデザインや素材など、工夫されているんだなと感動します。
A 確かに、天然素材やベーシックなデザインへのこだわりが、誰もが安心して着られる商品へと結びついているんだなと実感しました。やっぱり無印良品のアイテムは、最高の日常着ですね。
Y そして、SPUR読者にもオススメのモードなスタイリングに合わせやすいアイテムが、思った以上にたくさんありました。コーデュロイの光沢も上品だし、メリノウールの色出しもすごく繊細でシック。カジュアル一辺倒じゃない、無印良品の奥深さを感じましたね。
A そしてどれも、上質感のあるしっかりした作りなのに、驚くほどアフォーダブル。無印良品の人気の秘密が、改めてわかった気がします!
無印良品
https://www.muji.com/jp/ja/store
スタイリストYAMAZAKI(山﨑静香さん)
村山佳世子氏に師事し、2021年に独立。雑誌やウェブサイトなどで幅広く活躍中。身長は169cm。無印良品のアイテムでは、リブタンクトップを愛用。趣味はヴィンテージのブローチ集めと、山梨に借りている畑で野菜を育てること。最近はアニメ『クレヨンしんちゃん』にハマっている。
エディターAKIYAMA
SPUR.JPではファッション&カルチャーを担当。現在、期間限定で都心から遠方にお引越し。趣味の登山も毎週末に楽しめる、憧れのスローライフを満喫中。無印良品のファッションアイテム以外で愛用しているのは、発酵ぬかどこ。ジップ容器に入っていて冷蔵庫で保存ができるので、あまりに便利すぎて感動!
photograph : Naomi Ito text:Chiharu Itagaki