T ドクターマーチンといえばイエローステッチがアイコニックだと思うんですけど、ホワイトステッチが出た時に買いました。白だとモードっぽく履けるのが良いなと思って。
A 確かに、ステッチでかなり雰囲気が変わりますね。それにドクターマーチンといえばやっぱり8ホールブーツですよね。正式名称は「1460」で、1960年4月1日に誕生したのが名前の由来だそう。約60年の時を経ても、愛され続けているのがすごい。ブラックのブーツにイエローステッチ、エアクッションの入った通称「バウンシングソール」、ヒールループのディテールが定番ですが、Tさんが履いているようなホワイトステッチや注目ブランドとのコラボレーションモデルなど、定番をベースに常に新しいチャレンジをしているのも人気の理由かもしれないですね。Tさんは今日のスタイル以外にどんな格好に合わせていますか?
T もう30代だし大人っぽく履きたいなと思って、スラックスに合わせることが多いです。あとはユースカルチャーや、イギリスの音楽も好きなのでファッションもリンクしていると良いなと思っています。
A The Who(ザ・フー)のギタリスト、ピート・タウンゼントが1967年にステージで8ホールブーツを履いていたことでも有名ですよね。それをきっかけにワークブーツブランドのイメージが破られて、音楽との繋がりが密接になっていったとか。
T ミュージシャンもそうですし、パンクスの人たちが自己表現・主張をする時にも履いていたから、より一層カルチャーと結びついていますよね。
A 先ほどイギリス音楽が好きと言っていましたが、ライブとかそういうシーンでも履いていますか?
T レコードを集めるのが好きなんですけど、ライブよりクラブに行くことが多く、そこではよく履いていました。
A 私はよくフェスに8ホールを履いて行くのですが、良い意味でドクターマーチンの靴は踏まれても安心だなという印象。タフなんですよね〜!
T 確かに! あとはクラブだと結構ドリンクをかけられちゃうこともあるんですけど、それもこの黒だったらあまりわからないですよね(笑)。
A 何をされても味になりそうなタフさが良いですよね。
T 今履いているのも結構はげてきたりしてますけど、むしろ勲章だと思っています!
ソックス合わせで履きたい! ほどよい甘さのメリージェーン
A 続いて2023年春夏の新作メリージェーンは履いてみてどうでした?
T メリージェーンって結構ガーリーなイメージの靴だったんですけど、靴下で遊んだりするとパンツの多い自分のスタイリングにも合わせやすいなと思いました。
A 私も履いてみたんですけど、ソフトウェアインソールがふかふかでめちゃくちゃ履き心地が良かったです。厚底なのに、重量が従来の半分というのも驚きました。
T きちんとボリュームがあるのにこの軽さは嬉しいですね。
アクティブなムードとスニーカーのような履き心地が魅力
A こちらもお似合いです! カーキの色も可愛いですね。
T アウトドアライクな見た目が、今までにない雰囲気ですよね。エアクッションのおかげでスニーカーのような履き心地です!
A ブランドのアイコニックなヒールループから着想を得たデザインが良いですね。それにアッパーをよく見ると、ナイロンとレザーのコンビネーションになっている! タフで軽量なうえに、リサイクルナイロンを使用するなど、サステイナビリティを備えているのもポイントが高いですね。コーディネートのはずしとしても使えそう! Tさんはどんなスタイルに合わせますか?
T 今まで黒い服を着ることが多かったんですけど、最近は茶系が好きで。こういうカーキって、今日みたいなブラウンのレザーコートを主役にしたコーディネートにも似合うなと。あとはベージュをメインにしたスタイリングにも合わせてみたいです。
一度履いたら手放せなくなる、無駄のない洗練されたシルエット
A どうしても新品のレザーシューズって痛いイメージがあるけど、このジップブーツはアッパーにSENDAL(センダル)レザーという柔らかいレザーを使っているので痛くありません。
T 靴擦れの心配がないのはすごく嬉しいですね。それにシャープなフォルムも素敵! サイドゴアブーツとかもそうですけど、足首がキュッと締まっていないとカッコ悪いじゃないですか。これはまさにそれが叶うスリムなシルエットがたまらないです。
A 足首がキュッと締まっていると、全体のバランスも良く見えますもんね。
柔らかな履き心地と、美しいソリッドな足元が叶う
A 10ホールを超えて14ホールまでくると履きにくさを感じますが、これはサイドジップ仕様なので、一度シューレースを整えてしまえばあとはジップで着脱ができちゃいますね!
T 本当にラクですよね〜! それに驚いたのは、歩いてみても全く痛くなかったんです。
A 柔らかいヴァージニアレザーのおかげですね。しかも、レディースの木型で作られているから無骨さが緩和されていて、より女性が履きやすいシルエットになっているそう!
T 確かに、難易度が高いように感じましたが、履いてみてシルエットの美しさに感動しました。レギンスとかスカートとの相性も良さそうですね。8ホールよりも、よりソリッドな雰囲気で履けそう!
デイリーユースはもちろん、フェスやライブシーンの相棒に
A サッチェルバッグを縦型にしたようなデザインと、コンパクトなサイズ感が可愛い~!
T プライベートではもう小さいバッグが絶対!という感じなので、まさにこのサイジングがベストでした。
A これだったらスマートフォンとお財布とリップと、必要最低限の荷物で出かけられますね。それにスムースカウレザーだから表情に品がある!
T しかもこれ、プッシュロックタイプだから荷物の出し入れが簡単なのも嬉しいです。サイズ感と便利さはフェスやライブシーンでも活躍しそう。
絶妙な白のニュアンスに洒落感が宿るチェルシーブーツ
T 真っ白ではなく、少しベージュがかったような柔らかい白が可愛い!
A ドクターマーチンでは珍しい「優しい白」っていうのが心をくすぐりますね。これはどんなスタイルに合わせたいですか?
T 最近スカートとスラックスをレイヤードすることにハマっていて、そういう時にこういう重めのブーツを合わせても可愛いなと思いました。ミニスカートってそれだけでは抵抗がありますけど、スラックスと合わせることでハードルが下がるし、そのバランスが可愛いなと思って。それにユースカルチャー感も出るので、さらにこのチェルシーブーツを加えて英国ムードを後押ししてみたいです。
履くほどに味わいが増すオックスブラッドの3ホールシューズ
A こちらは言わずとしれた定番の3ホールシューズですね。8ホールが誕生した翌年の1961年4月1日に製造が開始されたので正式名称は「1461」です。
T メイド・イン・イングランドならではのオックスブラッドの色味が可愛いですね。普通の赤ではなく、こっくり深みがあるというか。それにシューレースも茶色だから統一感があってスタイリッシュ。丈が短めのフレアパンツとかも似合いそう!
A メイド・イン・イングランドのものはすべての工程がハンドメイドというのも感心しちゃいます。ファーストモデルの8ホールが誕生した、ノーサンプトンのコブスレーンという地域にある工場で今も職人がひとつひとつ手作業で作っているそう。それを知っているだけで、履く時の思い入れも変わってきますよね。
モードに履ける存在感抜群のシルバーサンダル
A サンダルも可愛い~!
T シルバーの色もめっちゃ可愛いですね! それにかなり軽い……厚底ソールで見た目は重そうなのに。
A ゼブリラスソールという、空気が入ったように軽い素材で作られているそうですよ!
T シボ革だから肌当たりも柔らかいし、シボ革独特のニュアンスに奥行きがありますね。
A 春は靴下を合わせて、夏は素足で楽しみたい!
T 靴下合わせ、すごくやりたいです~!
上品になりすぎない、ドクターマーチンならではのローファー
A こちらのローファーは、ドクターマーチンのアイコニックなステッチを潔くなくして、シンプルな表情に仕上げているから大人っぽい印象です。
T このクラシックな佇まい、素敵。ゴールドのビット部分がアクセントになって、モードっぽくも履けますね。
A これはもうオールマイティに使えそう!
T ローファーとかローカットの靴って、靴下で遊べるところも醍醐味ですよね。
A 靴下で差し色を加えるのも可愛いですね。それにドクターマーチンのローファーは、ほどよくカジュアル感があって足もとのバランスが取りやすいのも嬉しい。
T バウンシングソールに独特のボリュームがあるから、その感じがいきてますよね。
履く人のスタイルを尊重し、履くことで自信や勇気が持てる靴
A さてTさん、今日はたくさん試着してみていかがでしたか?
T 今まで知らなかった歴史なども知れて、より一層またドクターマーチンの靴を集めたいと思いました。
A ユースカルチャーがお好きですもんね。
T 実は最近ギターバンドだけでなく、イギリス独自のレゲエ/ダブから派生したダンスミュージックをよく聞いていて。リズムの由来を調べていくと、カリブ系の移民文化にたどり着くので、イギリスの歴史と絡めて勉強するのも好きで。ドクターマーチンもそういった音楽と同じように掘り下げたくなる奥行きがありますよね。
A 分かります! 私はブリットポップ全盛期に思春期を過ごしていたので、当時大人気だったBlur(ブラー)のメンバーがドクターマーチンを履いていたのに憧れていたな〜。マーチンとミュージシャンって密な関係性がありますよね。
T 歴史的に多くの人が愛用してますけど、アンバサダーがいる印象はないですよね。
A ユースカルチャーに開かれたブランドだから、アンバサダーで特定の人を起用するよりも、世間的にはあまり知られていない人を起用して、その人たちの声をマーチンが拾って伝える、というブランドのポリシーがあるそうです。Tさんは追加するならどの靴が欲しいですか?
T 今回紹介したチェルシーブーツの白と同じ色の8ホールブーツが欲しいです!
A 絶妙な白が可愛かったですよね~。これからの季節にも活躍間違いなしです。私は軽量のメリージェーンが欲しくなっちゃいました! 大人でも手が出しやすいデザインだなと。