私のお味噌汁より、母お手製のお味噌汁のほうが美味しい気がする。かつてそう友人たちに話したところ、大共感を得ました。さらに続けて強く共感た友人の言葉が「お母さんのお味噌汁は味噌ベース、私たちのって水ベースの味がする」というものでした。だしもとってますし、味噌の量も適切なはずなのですが、どうも“水+味噌”なのです。どれくらいこの話が伝わるかわからないのですが(笑)、何度つくっても未だに母のお味噌汁には追いつけない気がします。
そんなお味噌汁づくりも、最近はご無沙汰。自炊をする元気なぞない、と忙しさにかまけて外食に走るか、いっそ食べないという作戦で生きてます。最後に台所にちゃんと立ったのって、いつだったか……。こうも外食が続くと、そろそろ家でゆっくり一汁三菜のしっかりした夕ご飯が食べたい!とは思っている。思ってはいるんですけど!という実に不甲斐ない自分を奮い立たせる動機があればなぁ、などと甘えたことを考えてました。
そんな怠惰な私にぴったりなイベントに、先日参加してきました。ケータリングチームSPREAD主宰の向井裕美子さんによる「手前味噌講座2016」。大所帯で味噌を仕込むという人生はじめての体験でした。ここからは、その過程をしばしご覧ください。
まずは麹をほぐし、塩と混ぜます。麹を触るのも人生初。ほぐし終えるころには手がしっとりしていて、生の麹の美容力が肌身に沁みました。
続けて、大量の煮大豆をミンチに!はじめはミンサーで、途中から素手にきりかえ、無心で大豆を潰し続けました。大豆を粉々にすることで、日頃のもやもやも発散されました。
大豆と塩麹を混ぜていきます。ときどき大豆の煮汁で潤いを与えつつ、ちょうどいい固さになったら、分けて丸め、ホーローに詰めたら完成です。私は、この日のために購入した野田琺瑯に2.5kgの味噌を意気揚々とつめました(笑)
すべての工程を終えて改めて感じたことは、味噌ってシンプルな素材からできているんだな、ということ。大豆、塩、麹があればあとは菌が頑張ってくれるので、私のすることといえばおいしくなれ~と祈るのみ。軽く調べてみると、味噌の起源は古代中国とか、弥生時代だとかいう説があるそうで、昔の人はこんな美味しいものをよく発見したなぁとしみじみ。そしてもう一つ、この作業、大人数だったからこその楽しさがありました。ひとりだとしたら私はきっと途中で心が折れていたでしょう……。本当に楽しかったので、珍しく誰かとわいわいお料理なんてしたいなぁという気分になりました。そして、やはり、自分が手がけたお味噌への愛が止まらない!半年後以降にこのお味噌が食べられるようになったその時、きちんと“ミソベースの味がする正しいお味噌汁”が作れるようになっていよう、と今から俄然料理へのやる気がわきました。がんばります、私。
好きな服は、タートルネックのニットと極太パンツ。いつも厚底靴で身長をごまかしています。