今、世界選手権もちょうど盛り上がってますし、フィギュアスケートは大好きなんですが、今日は違う「スケート」、というかスケーターにまつわる話です。
とある事情で、久々に映画「DOGTOWN&Z-BOYS」のDVDを観返しました。1970年代に、アメリカ西海岸のさびれた町「ドッグタウン」に、突如現れたスケーターチーム、「Z-BOYS」。現代のスケートカルチャーの元祖、ともいえる存在です。一般的には、ストーリー映画「Lords of Dogtown」が有名かと思いますが、こちらはドキュメンタリー映画。これが公開されたとき、私は何の前知識もなく観たのですが、打たれたように感動したのを覚えています。家庭環境に恵まれない子どもたちが、とあるサーフショップに集まり、サーフィンの腕を磨く。その感覚を生かしてスケートボードでもアグレッシブな技を生み出し、自分らしい「スタイル」を確立していく、というストーリー。ザンザン鳴るロックをBGMに、擦り切れてボロッボロのデニムで低~い姿勢から攻撃的なターンを繰り出すシーン、空っぽのプールに侵入して、バーティカルな滑りを見せるシーンにひたすら興奮を覚えました。
メンバーの中でもとにかくカッコイイのが、トニー・アルバ。この映画を観る前から私でも存在は知っているくらい有名人ですが、とにかくロックスター以上にロックスターのようなスケーター。輝いていて、いわゆる不良の色気がすごい。実際に目の前を歩いていたら、私はフラ~ッとついていってしまうかも(笑)。ちなみに、これを機に公式HPを見てみたのですが、カッコよさは健在。ブクブク太る、中途半端に髪を切る、ヘンなギラギラオーラが出る、というオジサン化三大現象はまったく見受けられず、いい歳のとり方をしてそうです。
右は、映画にも 写真を提供しているGLEN.E.FRIEDMANの写真集。スケーターやミュージシャンを生々しく撮影し、熱が伝わってきます。スケートと結びついたパ ンクやハードコアだけでなく、ヒップホップのアーチストもたくさん載っています。同時多発的に「既成の価値観を壊して新しいものを生み出そう」という荒々しい動きがあったというのが、また興奮ポイントです。
映画のパンフレットも改めて読み返してみたのですが、「Z-BOYS」のあとのスケートカルチャーの流れや、音楽・アートとの結びつきなどに詳しく、とても興味深かったです。トニー・アルバは炎で燃えるプールでスケートをしたのですが、それはギターを燃やしたジミー・ヘンドリックスを意識してのことだとか。その一文で、思い出しました、高校時代のこと。スケーターの男の子たちがスケートボードで廊下をガーッと走ったり(うち、かなりゆるい高校だったんです)、学校の中庭でギターを壊して燃やしたりしてました(さすがに怒られていましたが)。ああ、トニー・アルバ→ジミ・ヘンへのオマージュだったんですね。いまさらながら、地味に興奮しました(笑)。
今思うと高校時代、ものすごく身近にスケーターカルチャーはあったんだな、と思います。男の子たちが「Thrasher magazine」がどうのこうの、と話していたり、教室の窓にすわって(アンプラグドながら)ザンザンかきならしていた音楽は今思うと、ハードコアだったな、とか。単なるノスタルジーかと思っていましたが、ストリートカルチャーがこんなにも自分の仕事(=モード)に影響を与える時代、そのにおいを肌で感じていたことはよかったな、と思います。
ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。