ZINEに宿る、魂の叫び!

ZINEブームが訪れて久しいですが、今はもはや読者より作者の人数の方が多いのではないか?と思うほどです。
かくいうわたしもお恥ずかしながら学生の頃、雑誌(的なもの)を作っていたんです。自分たちで取材して、撮影して、イラレでデザインをして、原稿も書く。ウェブでデータ入稿し、刷り上がったものは街中で配る。就職活動の際、出版社勤務のOBに100ページにもわたるそれを見せたら、「子供の遊びだね」と鼻で笑われたのも、今となっては良い思い出です。
なぜ、結構な時間と労力とお金をかけて、必死に雑誌づくりをしていたのか。今となっては不思議です。恐らく学生特有のもやもやとした不満とか、過大な自意識とか、かたちにならない不安などをどこかにぶつけるため。“魂の叫び”というと完全に中二病風なんですが、そういうものが根底にあった気がします。

で、話は戻るんですが、このおしゃれなZINEってものも、まさに作り手の魂の叫びである気がします。読み手を想定しているのではなく、とにかく表現せずにはいられない。形にせずにはいられない。そういったひりひりとした欲求が、どんなにポップな内容でも、薄い紙の端々に滲んでいる気がするのです。
そんな魂の叫びが反響し合う空間があります。ブリック&モルタルで現在開催中のポップアップショップ、ZINE SONIC。駒沢のブックストア、SNOW SHOVELINGとブリック&モルタルの共同開催です。

こちらはもちろん子供の遊びなんかではなく、“本気”のZINE。イラストレーターの画集や新進気鋭のフォトグラファーによる写真集のような美しいものから、『How To Make A Soap』といったゆるーいものまで。手にとって中身を見ることができるのはもちろん、いくつかのZINEには誰がどんなコンセプトで作ったのかがわかる注釈が付いています。 

わたしが購入したのはこちら。

『イデオロギー』という何やらややこしそうなタイトルが付いていますが、中身は可愛らしい。女の子たちがなぜかビキニ&ショートパンツで、世の中について真剣に議論している様子が描かれた写真集です。

こちらはブルックリンをベースに活動するライター、Erin Sheehyが編集したZINE。若者特有の、「表現したい!」という欲求が、写真と短いフレーズからあふれ出ています。

このポップアップショップは12月4日まで開催しています。ぜひこの週末に足を運んで、さまざまなZINEが発する魂の叫びに耳を傾けてみてください。

エディターITAGAKIプロフィール画像
エディターITAGAKI

ファッション、ビューティ担当。音楽担当になったので耳を鍛えてます。好きなものは、色石、茄子、牧歌的な風景。

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