透明な、プルプル

 昨年末に、奈良に旅行しました。東大寺近辺をぶらぶらして、おやつの時間に吉野本葛で有名な「天極堂」へ。失礼を承知で言うと、それまであまり「葛」というものに興味がなかったのです。葛というと子供のころ母親がたまにおやつに出してくれるひし形の「葛もち」の記憶があり、それは口に含むと「モサモサ」して、まずくはないけど積極的に食べたいものではなかったような。

こちらでオーダーしたのは、いちばん人気があるという「葛もち(抹茶セット)」。出てきたのは透明でプルプルの、きれいでいかにもおいしそうなもの。

ん? 以前食べた「葛もち」は白っぽくて半透明だったけど、と思いながら、ふとテーブルを見ると新聞記事のスクラップが。それは「関西の葛もちはマメ科の植物を加工した粉で作ったもので、関東のは小麦を発酵させたもの」という趣旨で、その違いをはじめて知り「へえ~」と合点したのでした。

天極堂のホームページ(http://www.kudzu.co.jp/index.html)を見ると、「ただの葛じゃなくて吉野本葛!」と口うるさいほど書いてあります。葛の根っこを何度も水にさらして精製することでこの透明感が出るんだそうな。

こだわりの葛もちは、シンプルにきなこと黒蜜でいただくスタイル。作りたてなのでしょう、ほんのりあたたかく、冷えた体にじーんとしみ入りました。(エディターNAMIKI)

 

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エディターNAMIKI

ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。

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