クライミングに、挑戦

 数年前に3回ほど挑戦したまま、すっかり縁遠くなっていたクライミング。このGWに知人のガイドの方に誘われて、なんとイタリアで再挑戦する機会に恵まれました。「初心者だけど大丈夫ですか!?」を連発しながら行った先は北イタリアのフィナーレ・リグレという町。全然知らなかったのですが、このエリアのクライミングの本も出ているほどメッカだったようです。ブーツの形をしたイタリア半島の、ちょうど左の付け根にあるリグリア湾沿岸にある小さな町で、ジェノバやポルトフィーノの程近く。2時間半ほどフランス方面に車を走らせればニースやモナコにも行ける、いわゆるコート・ダジュールの気分を味わえる小さな町でした。

 クライミングを始めてすぐ、鼻腔を「美味しい匂い」がくすぐりました。なんだっけ、この匂い・・・・・・と記憶をたどり寄せて思いあたったのはタイム。すぐ上の岩場に群生していました。クライミングポイントまでの山道を歩いていたときはとろけるような甘い香りが。これはどうしても思い出せずに、ガイドの方に聞くと「ほら、そこにフィグが生えてるでしょ」とのこと。下山して、町を歩くとジャスミンの芳香・・・・・。さらにはレモンやオレンジの木が家々の庭でスクスクと育っている。「腑に落ちる」とはまさにこのことで、なぜ香水(特に夏の香り)の香料がポルトフィーノなどのリヴィエラ地方の植物が多いのか、心にストンと落ちるように納得できました。強い太陽の日差しのせいか、植物の香りがとても強いのです。

 クライミングシューズに連れられて行った先での思わぬ気づきに景気づけられて、肝心のクライミングもぐいぐい上達するかと思いきや現実は厳しかった。写真のように隣で難易度の高い岩を登る上級クライマーの姿や、必死に岩にしがみつく私の手元を小さな蟻たちが自由に歩き回る様を見て、自分の非力さを感じるばかりなのでした。

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エディターASADA

主に美容担当。山登りなど自然に触れることが好き。最近は健康とかインナービューティとかいう言葉にめっぽう弱くなりました。

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