この夏休みは山形県酒田市で過ごしまして、すっかり好きになってしまいました。ちなみに、山形は親戚が住んでいるのでよく訪れるのですが、日本海側は今までに一度しか行ったことがなかったのです。港町ならではの開放的なムードが漂い、特に観光ちっくなことをせずとも、そぞろ歩いているだけで楽しいです。また、地元産の野菜も魚介も豊富で美食の街と呼ばれ、皆さん街に誇りを持っている様子が伺えます。（関係ないですが、この船についているランプがレトロで可愛いくて、思わず自分の部屋に持って帰りたい、と思ってしまいました）
今回の目当ては、とあるレストランでした。身の回りの食いしん坊たちから、酒田市の「Restaurant Nico」の噂をたびたび聞いていましたが、なかなか行けずじまいでした。それが今夏、やっと念願かないました。
”シェフおまかせコース／KURO”というコースで、魚介をメインにと事前に予約しておきました。店内はモダンかつコージーなムード。ワイワイ食事をする家族連れや華やかな女性たちなど、集う人々もさまざまです。
上は、アイコン的なひと皿である黒バイ貝のコロッケ。アツアツのカリッとした衣にナイフを入れると、中から貝の美味しいエキスがジュワッと出てきます。ちなみに添えられているのはジャガイモのペースト､パセリのソース、いちばん下は黒バイ貝の出汁のムース。地元・庄内の恵みをふんだんに採り入れているのはもちろん、配置もグラフィカルに構成されていて、洗練された料理に仕上がっています。
こちらは茶豆のムースです。上にのっている泡はなんと抹茶。茶豆のふくよかな甘さと独特のワイルドな風味に、抹茶のほろ苦さが見事に呼応しています。
ほかにこの日味わったのは、香ばしい甘鯛のマツカサ焼き（添えられたオニオンの甘いローストにレモンの皮がけが爽やかなアクセントを加えています）や、アワビとナスとフォアグラの一皿など。口直しの赤しそのシャーベットは、酸味と苦味がきいた大人のデザートです。
世界中の美味しいものを何でも吸い寄せ、海外や地方の有名レストランの支店がすぐにできてしまう東京という街に住む自分。「Restaurant Nico」にもまた行きたい、すぐにでも、今日のランチにでも……と思ってしまう自分もいますが（笑）、すぐには行けないからこそ、そして酒田の街で過ごす時があってこその食体験ですよね。
海の幸やら山の幸やらで満腹になり、ほろ酔い気分で海からの風にあたりながら、ホテルまで歩いて帰りました。
ジュエリー＆ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。
