2018.02.11

春を連れてくるのは、いつだって白い靴

2月にもなると、白い靴が履きたくなります。冬の厚着にも飽きるころ、せめて足もとから軽くしたいという気持ちが先走るのでしょう。そういえば、一昨年購入したエイティーズの白いスニーカーもだいぶ使用感が出てきました。新しい靴、欲しくない?と脳内ブルゾン先生が囁いたのか、ふと思い出したんです、この靴のことを。

それは12月頃のこと。instagramをいつものように目的もなく眺めていたとき、フィードに流れてきたそれに目がとまりました。まっさらなMM6 Maison Margielaのスニーカー。太い紐が靴を覆い、リボンのように結ばれています。シンプルな靴を大胆にラッピングしたようなボリューム感がとっても可愛かった。けれど、そのときは目下冬を乗り切るためのブーツを探していたこともあってなぜか一旦頭の片隅に追いやられていました。なのに先日、不意に思い出してしまったんですよね。たまにありませんか? 初見では引っかからなかったのに、時間を置いてから突如思い出したり、改めて見たら猛烈に欲しくなったり。それは恋のように突然の啓示として舞い降りたのです。「あの靴を絶対にいま買うべし!!」と。
早速通販サイトで探すものの、白×黒や真っ黒の色違いモデルはあるものの、白はどこも完売。あってもサイズが大きくて合わず。時すでに遅し……と涙を飲んでいたのですが、散歩がてら訪れた伊勢丹新宿店になんと在庫が! 「今週入ってきたばかりで、問い合わせも多くて」という店員の方の言葉にも運命を感じました。迷いなく大事に持ち帰りました。
実はそれから嬉しくてすぐさま履いたものの、たった1回で驚くほど汚れてしまって、しばらく改めて履く勇気が湧かず(笑)。実はこれを書いている今ニューヨークコレクションに来ているのですが、 2度目はこの機会だ!と今日履いてみました。そうしたら異国のエディターの方に「Your sneaker is amazing!」と突然話しかけてもらえたので、なんだかほこほこした気持ちに。靴はやっぱりじゃっかん黒ずんでしまったものの、春と一緒にいい気も運んできてくれそうで、なるべく丁寧に大切にたくさん履こう、と思った次第です。

エディターSAKURABAプロフィール画像
エディターSAKURABA

好きな服は、タートルネックのニットと極太パンツ。いつも厚底靴で身長をごまかしています。

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