按田餃子と、新しい自炊

自分の住んでいるところからはアクセスが悪くてあまり行けないけど、きっと近所にあったらものすごく通うんだろうなあという店がいくつかあります。代々木上原にある「按田餃子」もそのひとつ。もし明日地球が滅びるなら、最後の晩餐は餃子と生ビールと決めているぐらいの餃子好き。都内の話題の餃子店はいろいろトライしている方だと思うのですが、ここの水餃子は初めて食べた時に、どこのものとも違う、どの国のものでもない味わいにおどろきました。さっぱりした店のたたずまいや、体にやさしいメニューの数々もよくて、ああきっと近所に住んでたら仕事帰りにご飯食べにひとりで寄るんだろうな、と思っていたのでした。
店主のひとりである按田優子さんは料理研究家でもあるのですが、彼女が最近出した本「たすかる料理」(リトルモア刊)が個人的にすごくよかったです。料理本、料理エッセイを買い漁るのが趣味のひとつなのですが、昨今のレシピ本界は「つくりおき」とか「常備菜」系のブームがここ数年続いていて、自分ももちろんそういうものに助けられてはいるのですが、このきちっきちっと先回りして生活をきちんと回していきましょうというムードに、たまにちょっと疲れたなーと思うことも。そんなときに読んだこの本、帯には「自炊はわがままでいい。台所にしばられず、自分らしく食べて、生きるには?」とあります。ごはんとお味噌汁とおかずをきちんと作りましょう、的アプローチではないけれど、自分の体と心を助けてくれる自炊の考え方、目からウロコでした。この本、料理したいけど忙しくて自炊なんてほぼできない……っていう20代の頃に読んでいたら、だいぶ考え方が変わっただろうなあ。
ちなみに、お店のメニューの詳細と、そのレシピも載ってます。按田餃子ファンの方にも、気になるけど遠方で行けないという人にもおすすめです!

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エディターOKUDA

ミニマリストに憧れながらも、己の物欲と食欲から逃れられません。好物は生ビールと生牡蠣と生肉、そして大きなイヤリング。

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