ヒールが高くても疲れない、そんな靴が……あるんです!

「黒いプレーンなパンプスがほしいのですが、どこで買うのがいいでしょう?」そんな疑問をスタイリスト影山蓉子さんに投げかけると、「それならセルジオ・ロッシでしょう!」という答えが返ってきました。理由は「きれいだから」と、ごくシンプル。私が探していたパンプスの条件は、黒のパテントで、ヒールは低すぎず高すぎず、ポインテッド・トゥ。こう言うとどこにでも無限にあるように思えますが、これに「疲れない」という条件を足すとぐっと選択肢は狭まります。実際さまざまなショップで試しましたが、つま先がきつすぎたり、前につんのめってしまったりと、ちょっとずつ惜しいものばかり。結局は自分の足のかたちにあう木型をみつけるしかないんですよね。

セルジオ・ロッシのお店には、ミラノコレ出張中に行ってみました。私が条件をショップスタッフのお姉さんに伝えると、すぐさま「GODIVA」という定番のかたちを奥から出してきてくれました。足を入れて鏡をみてまず感じたのは「足が美人にみえる」ということ。甲が浅く、指の付け根が少し覗くのがセンシュアル。アッパーからヒールにかけての繊細な曲線は溜息の出る美しさです。次に、まったく疲れないし痛くない、ということに驚きます。こんなに細い2本のヒールで全身の体重を支えているのに、どうしてこうも安定感があるのか? 不思議でなりません。サイズやヒールの高さを4種類くらい出していただき履き比べ、7.5センチのミッドヒール、37センチサイズに決定。この7.5センチヒールのちょうどよさといったらないです。スタイルアップはもちろんのこと、なんせ疲れない。5センチのヒールではちょっとカジュアルな印象だし、10センチだとおそらく履かなくなってしまうな、と。一緒にいた編集部の先輩も、その履きやすさと美しさに感動して同じタイプを購入。優しくスマートなブティックのお姉さんの接客のおかげで、とても気持ちのよいお買い物時間となりました。

大人だったら1足は持っておきたいシンプルな黒パンプス。セルジオ・ロッシのGODIVAは優美さと快適さをどちらも高レベルで叶えてくれる魔法みたいなシューズです。履くと心地よい緊張感が指先まで自然に行き渡り、一日の過ごし方まで変わります。ちょっと傷ついてもその都度修理しながら、長く履き続けたいと思います。

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エディターITAGAKI

ファッション、ビューティ担当。音楽担当になったので耳を鍛えてます。好きなものは、色石、茄子、牧歌的な風景。