2019.09.06

そうだったのか! マリアノ・フォルチュニ

去年あたりから、プリーツのアイテムが気になっています。細かくて、シワっぽい感じのやつ。先日も同僚と青山界隈を歩きながら、「プリーツのパンツを買うべきなんじゃないか」と意気投合。そんな時、(超個人的に)タイムリーな感じで、『マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展』に行ってみました!

 

そもそも、表参道駅構内のポスターに「100年たっても、新しい」というコピーとともに、クラシックなドレスが載っていて、そのちぐはぐさが、忘れられない後味を残していました。しかもそのドレスが、いまちょうど気になっているプリーツもの! 

三菱一号館美術館に足を踏み入れると、まずは絵画のコーナーが! マリアノ・フォルチュニって、ファッションデザイナーというよりは、画家、写真家、舞台芸術家、そして企業経営者と、マルチな才能の持ち主だったんですね。全然知らなくて虚をつかまれた感じに(苦笑)。アーティストだった父親の影響で、自身も芸術へ身をささげた様子がうかがえます。

唯一の撮影可能スポットからの1枚
唯一の撮影可能スポットからの1枚

生まれはスペインのグラナダ。パリで育ち、ヴェネチアで創作活動に励んだ彼は、オリエンタリズムの影響を受け、テキスタイルをデザイン。それが、かの有名なプリーツのドレス「デルフォス」の誕生につながりました。館内を進むと、いたるところで様々な「デルフォス」を堪能できます。シルクのコードでトリミングし、布地はトンボ玉で連ねていました。クラフツマンシップを感じさせる優美なドレス群には、本当にうっとりしてしまいます。

 

ショップで買えるポストカード。左はデルフォスを試着する妻のアンリエットをマリアノが描いたもの。中央はブラウスのディテールが素敵だったので購入。右はマリアノが撮影したデルフォスを着たモデル。
ショップで買えるポストカード。左はデルフォスを試着する妻のアンリエットをマリアノが描いたもの。中央はブラウスのディテールが素敵だったので購入。右はマリアノが撮影したデルフォスを着たモデル。

女性をコルセットから解放したといわれる「デルフォス」は、プリーツドレスの古典です。でも、初めて目にしたとき、思わず「はじめまして、クラシック」とSPUR10月号の特集コピーが浮かびました。ポスターに載っていた言葉は、そういうことだったのか、と。100年前に誕生したドレスは、シルエットや縫製は古風なんだけど、美しさは廃れない。ずっと新鮮で、初めて見る者に新しい驚きをもたらしてくれるんです。

見終わって外に出たら、丸の内ブリックスクエアの緑広がる中庭が違って見えました。目の前の世界に奥行きが出る感じ。そして、ますますプリーツのアイテムが欲しくなったのでした。

 

ちょっとしたタイムトリップをした気分にもなる展覧会は106日まで。ぜひ訪れてみてください。

保存

エディターKINUGASAプロフィール画像
エディターKINUGASA

顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。

記事一覧を見る