去年あたりから、プリーツのアイテムが気になっています。細かくて、シワっぽい感じのやつ。先日も同僚と青山界隈を歩きながら、「プリーツのパンツを買うべきなんじゃないか」と意気投合。そんな時、(超個人的に)タイムリーな感じで、『マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展』に行ってみました!
そもそも、表参道駅構内のポスターに「100年たっても、新しい」というコピーとともに、クラシックなドレスが載っていて、そのちぐはぐさが、忘れられない後味を残していました。しかもそのドレスが、いまちょうど気になっているプリーツもの!
三菱一号館美術館に足を踏み入れると、まずは絵画のコーナーが! マリアノ・フォルチュニって、ファッションデザイナーというよりは、画家、写真家、舞台芸術家、そして企業経営者と、マルチな才能の持ち主だったんですね。全然知らなくて虚をつかまれた感じに(苦笑)。アーティストだった父親の影響で、自身も芸術へ身をささげた様子がうかがえます。
生まれはスペインのグラナダ。パリで育ち、ヴェネチアで創作活動に励んだ彼は、オリエンタリズムの影響を受け、テキスタイルをデザイン。それが、かの有名なプリーツのドレス「デルフォス」の誕生につながりました。館内を進むと、いたるところで様々な「デルフォス」を堪能できます。シルクのコードでトリミングし、布地はトンボ玉で連ねていました。クラフツマンシップを感じさせる優美なドレス群には、本当にうっとりしてしまいます。
女性をコルセットから解放したといわれる「デルフォス」は、プリーツドレスの古典です。でも、初めて目にしたとき、思わず「はじめまして、クラシック」とSPUR10月号の特集コピーが浮かびました。ポスターに載っていた言葉は、そういうことだったのか、と。100年前に誕生したドレスは、シルエットや縫製は古風なんだけど、美しさは廃れない。ずっと新鮮で、初めて見る者に新しい驚きをもたらしてくれるんです。
見終わって外に出たら、丸の内ブリックスクエアの緑広がる中庭が違って見えました。目の前の世界に奥行きが出る感じ。そして、ますますプリーツのアイテムが欲しくなったのでした。
ちょっとしたタイムトリップをした気分にもなる展覧会は10月6日まで。ぜひ訪れてみてください。
顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。