夏の終わりの『劇場版おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD~』について本気でおすすめしたい

ついにシナリオブックに手を出してしまいました。
ついにシナリオブックに手を出してしまいました。民のみなさん、この内容がある日突然送られてきたところを想像してみてください(しかももちろん内容は公開前なので秘密)。本当に吐きそうでしたよ。

もはや言いたいことはタイトルに全てこめてしまってますが。みなさま、『劇場版おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD~』もうご覧になりましたでしょうか?
あの、めちゃくちゃ良かったので、未見の方には是非観て欲しい。ほんとに。という何のしがらみもないただのOL民会社員による投稿となります。暑苦しさ250パーセントですが、しばしお付き合いください。
今回、この映画を誌面で紹介するにあたり、実はすでに台本のだいたいの内容を知ってはいたんです、数ヶ月前(映画がまだ完成していない時は台本の情報をもとに取材したりもします)。「プロとしてきちんとこの映画を皆さんに伝えなければ」という気持ちと「まってこの台本……召されませんこれ? 公開まで人に言えないなんて……やばい爆発しそう」という気持ち。編集者といちファンとしての自分が入り混じり、正直この数ヶ月情緒がめちゃ不安定でした(笑)。なんとか生きて公開日を迎え、劇場で実際の本編を観まして、自分が台本を読んで予想していたのの50倍は素晴らしいラストシーンを目撃しました。あのセリフが、こんなことになるなんて。天才……!

保存

保存

保存

いちファンが恐縮なんですが、やっぱりこの作品の素晴らしいところって、一番は魅力あふれるキャラクター造形だと思うのです。ポンコツサラリーマンである主人公春田創一(田中圭)も、観ていくうちに「そりゃみんなに愛されるわな」というのがわかるし、一見強気なエリートなのに実は傷つきやすい牧くん(林遣都)の一途さ、不器用さも愛おしいし、恋する黒澤部長(吉田鋼太郎)はとにかく男前かつチャーミング。「モテない33歳ダメサラリーマンがある日職場の上司と後輩(どちらも男)に好かれちゃってどうしよう」という意味不明なストーリー、普通なら駄作の予感しかしませんが、それをあんな名作に仕上げてるのは、ひとえにシナリオの素晴らしさと、俳優さんたちの演技力かと!
「だってドラマ観てないし」って人も心配ご無用。(事前に予習した方が楽しめるけど)これ一本だけでも、十分満足できると思います。タイトルだけみて「えーおっさんのBLじゃないの〜?」と思ってる方も、騙されたと思って観てみてください。人を愛することって普遍的なテーマだな、というのがよくわかる作品だと思います。想いが通じあった「好き」のその先は決して平坦な道ではないし、自分の夢と仕事について、とか、誰でも共感できる内容がたくさん。そしてそれより何より超面白い! 爆発が!サウナが!ビンタが!不動産業なのに!(笑!ほんとにみてほしい!)劇場でも、何度も笑い声が上がっていましたよ。
エンドロール後に立ち上がれなくなるぐらいの暗い映画も好きです。でも、2時間別世界に連れて行ってくれる極上のエンタメとして、この作品は名作だなと。「辛い夜に観る映画リスト」というのを昔から作ってまして、そこには『クレイジー・リッチ!』とか、『キューティ・ブロンド』とか、『ズーランダー』とかが入っているのですが、早速本作も勝手にリスト入りしました。9月7日の応援上映(予想はしてたけど、実現したー!やったー!)も絶対行きたい。

エディターOKUDAプロフィール画像
エディターOKUDA

ミニマリストに憧れながらも、己の物欲と食欲から逃れられません。好物は生ビールと生牡蠣と生肉、そして大きなイヤリング。

FEATURE