「そうだ、台湾へ行こう」という気分を満たす1冊

今、思い返すと、2019年の秋に行った台湾旅行が自由に旅をした最後の機会でした。またそういう時が戻ってくると信じていますが、とはいえ、すぐに実現できないだろうということをひしひしと感じる毎日です。そんな時、台湾旅行に行った気分になれる1冊に出合ったんです。

神農生活CEOの范姜群季さんが書いた『台湾を日常に 「神農生活」のある暮らし』(グラフィック社)。神農生活は、DEAN&DELUCAの台湾版と言った趣きの、目利きが選んだメイドイン台湾の食と雑貨を集めたお店。2019年に旅行に行った際に一番楽しい!と感じ、2泊3日の間に何度も足を運んだ場所でもあります。今年の4月9日、大阪のあべのハルカス内に初の日本出店を果たしたので、それに合わせてこちらの本も発売になったようでした。台湾は無理でも、せめて大阪に行きたいと願いながら、暇を見つけては熟読しています。

この本が面白いのは、神農生活のスピリットから、11点の商品が生まれた開発背景、さらには台湾の文化も踏まえて書かれている点。たとえば、私は写真の蓋付きの壺型陶器(ドゥンジョンと呼ぶそうです)を一目惚れして購入したのですが、本によると、もともと直接火にかけて使う蒸し器だったのが、現在では、漢方薬局で薬草の保管に使われたり、コーヒー豆の保存容器として活用されているそう。私自身は、調味料入れとして愛用中です。他の入れ物だと、湿気でだんだん調味料が固まることもあるのに、こちらはさらさらがずっと続くので気に入っていました。お店で買ったときは、まったく壺の由来を知らなかったのですが、今回、本を読んで漢方薬の保管もできるほど密閉力があると知り、納得。由来を知ると、ますます愛着がわきますよね。

しばらくはこの本を片手に、台湾への脳内旅行を楽しみたいと思っています。

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エディターMORITA

物心がついた時からパンツ派。今、一番興味があるのは、どうやったら居心地のよい部屋で暮らせるのか。美容、アート担当です。

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