という願望のお話です。学生時代、京都服飾文化研究財団(KCI)の研究員になるのが夢だった私。今でもKCIの企画展などは楽しみにチェックしています。この度、京都のKCIギャラリーでトキオ・クマガイをフィーチャーしているとのこと!!
トキオ・クマガイといえばですね、2021年8月号のヴィンテージ特集にて、エディターの成瀬浩子さんにジャパン・ヴィンテージの素晴らしさを教えていただいた際にも取り上げている重要ブランド。デザイナーの熊谷登喜夫さんは1970年に渡仏し、カステルバジャックやロジェ・ヴィヴィエなどで、フリーランスとして靴のデザインを手がけたのち、パリに自身のお店を構えた方です。身近な動植物に着想した、ユーモアと夢があふれるデザインは、ダイアナ元妃やステファニー・ド・モナコら王室の女性にも愛され、ダイアナ・ブリーランドは彼の靴を200足以上もコレクションしていたという逸話も!
昨年、国立新美術館で開催された『ファッション・イン・ジャパン 1945―2020 流行と社会』に行かれた方は、かの有名なお肉のパンプス「食べる靴―すき焼き」や、動物モチーフの可愛らしいデザインをご覧になったかと思います。敬愛するマーク・ジェイコブスがマーク バイ マークジェイコブスで出していた「マウスシューズ」(喉から手が出るほど欲しくて、憧れていました!!)、トキオ・クマガイがなければ、誕生していなかったかもしれない?とモード・ヒストリーを勝手に想像。三宅一生さんや川久保玲さんが西洋の服飾史に変化をもたらしたように、熊谷登喜夫さんもまた、靴の表現の可能性を大きく広げた方です。
そんな、ファッション史におけるキーパーソンの作品を揃えた展覧会『熊谷登喜夫:軽やかに時を超えた靴デザイナー』は、6月24日まで開催中とのこと。感染状況を鑑みて、今は控えていますが、落ち着いたらぜひとも訪れたいと思っています。
顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。