現在開催中! 【エゴン・シーレ展】で見つめ直した、人間の身体美

先日、編集部の会議で話題に上がったのが、MUGLERの2023年秋冬コレクション。まとっているファッションはもちろんのこと、スーパーモデル時代を彷彿とする、圧倒的なボディにしびれました。Y2Kにおける肌見せトレンドをはじめ、自分自身の身体を解放するようなムードが高まっていますね。

そんな“身体美”をアートの世界でも楽しむとすれば、現在開催中の『レオポルド美術館  エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』はきっとぴったりのはず。私も先日訪れ、シーレが捉えるダイナミックな肉体美に酔いしれてきました。

『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』の図録
『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』。 4月9日まで上野の東京都美術館で開催中です。

本展は、レオポルド美術館の所蔵作品を中心に構成される、30年ぶりの大規模展です。エゴン・シーレの代表作はもちろんのこと、同時代を生きた様々な作家の作品も一度に鑑賞することができます。伝統を重んじる時代に、新しい表現を追求した当時の画家たち。その作品は、今見ても感性を刺激してくれるものばかりです。

そして、なんといっても見どころはシーレの充実の作品群。細かく章立てされた構成によって、作風はもちろんのこと、人生やアイデンティティーにも迫ることができます。(会場の壁面には、彼の放った名言の数々も...!)

中でも私が大好きだったのは、沢山のドローイングを紹介するブースです。女性の裸体を数多く描いてきた彼ですが、いかに女性の身体を精緻に見つめていたのかが分かります。身体をかたどるシンプルな線は、迷いなくさっと描かれた力強さがありながら、肉体の機微を捉える繊細さが共存しています。また、角ばっていたり丸みを帯びていたり、独特なフィルターで肉体をデフォルメしていく筆致は、唯一無二の魅力があるんです。

人間の身体の根源的な美しさに改めて気付きをもたらしてくれるような素敵な展示。是非、会場に足を運んでみてください。

手帳に貼った『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』のステッカー。
愛用しているノートブックにもステッカーをぺたり。
エディターSASAYAMAプロフィール画像
エディターSASAYAMA

周囲の人の着こなしが気になって仕方ない私服ウォッチャー。
街でも目を光らせています。ミニマルで、少しひねりのある服が好きです。

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