ヴォルフガング・ティルマンスの作品を初めて見たのは、確か2004年のWAKO WORKS OF ART。一見するとスナップショットのようでありながら、綿密な視点で構成されている彼の作品に、御多分に漏れず魅了されました。以来、日本での個展を楽しみにしています。現在はエスパス ルイ・ヴィトン東京で素晴らしい展示が開催中ですが、もうひとつ見逃せないのがポーラ美術館で開催中の「部屋のみる夢 ― ボナールからティルマンス、現代の作家まで」展。パンデミック下で誰もが見つめ直した“部屋”という空間をテーマにキュレーションされた展覧会です。19世紀から現代に至るまでの様々なアーティストが切り取った作品が集結している中でも、ティルマンスの作品を観ることができると聞きつけ、少し前に箱根へ出かけました。
作家それぞれの部屋を訪れるような感覚で、9組のアーティストの作品を満喫した後は、展示と同じく楽しみにしていたミュージアムショップへ。ポーラ美術館が手がけるグッズはグッドデザインのものが多く、必ずチェックするようにしています(実には過去にもご紹介したことが……)。そこで出合ったのが、ティルマンスの作品がプリントされたTシャツ。今回展示されていた代表的な2つの作品が採用されていて、私は白い半袖と黒い長袖の2枚をゲットしました。
着こなしのアクセントになり、シンプルなボトムとの合わせでもサマになるから便利なプリントTシャツ。でもせっかくのプリント以上にロゴの存在感が大きすぎたりして……気に入るものに出合える機会は少なかったりします。その点、このTシャツは作品を活かしたミニマルなデザインが素敵! さすがポーラ美術館さま!! と心の中で拍手をしながら思わず2枚もゲットしてしまったのです。ティルマンスのアブストラクトな作品ではなく日常を切り取ったような作品がセレクトされているので、スタイリングもしやすく、それでいて着こなしのレベルを上げてくれる。この夏、ヘビーユースする相棒となりそうです。Tシャツはオンラインショップでも購入可能ですが、展覧会は7/2まで開催中なので気になる方はぜひ現地へ。新緑の季節の箱根の森で、素晴らしい作品との出合いをお楽しみください。
ワードローブの中心はデニムとメンズのシャツ。『スターウォーズ』シリーズに出てくるイウォークに似た犬と暮らしています。