中国のニッチフレグランスが気になる 年始に上海に行って参りました! 10年以上ぶりの上海、どれだけ都会になっているのだろうと、旅行というより“視察”のような気持ちで街をめぐっていたのですが、個人的に気になっていたのはフレグランス。アジアのニッチフレグランスが勢いづいている今、中国にはどんな香水が? 未知なる出会いを求めて様々なお店に足を運んでみました。中でも「これは良い!」と感動したのが、「DOCUMENTS」。Instagramのビジュアルからも伝わるように、かなりファッション感度の高いブランドなのですが、香りの独創性に驚き! 個人的大ヒットだったので、ぜひ紹介させてください。 日食の香り!? 今までどこでも嗅いだことがない独特な香調が魅力的で、一番人気の「VOID」は“ヨモギ”の香り。どれも中国らしいエッセンスを取り入れながら、モダンで洗練された香り立ちに仕上がっています。 フレグランスを購入するとき、珍しいものをコレクションピースとして買うか、実際に使うため自分好みのものを選ぶか、迷いどころですよね。結局私は、普段使いする方を連れ帰りました。 お気に入りは、写真の「ECLIPSE」。普段からパウダリーで甘めのトーンが好きなのですが、これはオリエンタルで気品溢れるフローラルムスク。最新コレクションである「仙」というシリーズに属し、“真昼の日食”を表現したもの。まず、コンセプトがニッチですよね。ジャスミンやチュベローズ、クチナシなどの甘いホワイトフローラルが霧のようにふんわりと香り、神秘的な世界観が広がります。そこに変化球を加えているのが、ココナツ。トンカビーンズのような甘苦さがあり、ただスウィートなだけで終わらない奥深さを添えているように感じます。それはまさに、日食のとき、真っ暗闇の中に浮かび上がる純白の光のリングのよう。得体の知れないけれど、手を伸ばして触れたくなってしまうような、ミステリアスな美しさ。そういう甘美な世界を表現しているように思えるんです。 そういえば、上海の街角では本当によくココナツジュースが売られていました(冬は、温かいものも並んでいます)。香りから、その国の現地の空気感を思い返すのも、また醍醐味。 畳のような香りも そして、一番のお気に入りが、「SENSITIVE」。普段から淡く繊細なグリーンノートも大好きなので、こちらがクリティカルヒット致しました。「畳の部屋の外に広がる、静かな庭園」を表現していて、新鮮なイグサのようにフレッシュかつ柔らか。水をたっぷり含んだ植物の茎のたおやかさ、とでもいうんでしょうか……凛とした空気感と芯の強さを感じさせながら、指で触れただけで折れてしまいそうな脆さや儚さをあわせ持ち、まさに“sensitive”な香り。その独特のバランスに、惚れ惚れしてしまいました。 意志の強さを感じるシンプルなパッケージ 三角形のグラフィカルなボトルデザインも素敵で、パッケージもこのように、至ってシンプル。そこにブランドの哲学を感じます。 まだ日本には上陸しないようですが、今後の展開もますます楽しみ。中国に行かれる方は、ぜひチェックしてみてください! ビューティトピックス 私だけの香りをまとう。初夏におすすめの【ニッチ香水】8選 - ビューティトピックス | SPUR ビューティトピックス 他の誰かとカブらない“ニッチフレグランス”のススメ - ビューティトピックス | SPUR エディターMICHISHITA シンプルだけれど一癖ある服を求めて三千里。日々、モードを追いかけています。淡水パールと洋梨が好き。 記事一覧を見る