この「でかスーツ」にビビッと来たら、伝説のライブを追体験しよう【『ストップ・メイキング・センス 4Kレストア』】

トーキング・ヘッズは、今でも大好きなバンドの一つです。フロントマンのデイヴィッド・バーンによる映画『アメリカン・ユートピア』(2020年)コロナ禍で公開され、話題になりましたよね。シアトリカルな演出も素敵でしたが、個性溢れるアーティストたちと歌い踊って作り上げたパフォーマンスは混とんとした時期に、夢や希望を与えてくれました。その際、なつかしさのあまり映画『ストップ・メイキング・センス』(1984年)も見直しました。トーキング・ヘッズの1983年のライブを収録し『羊たちの沈黙』のジョナサン・デミが監督した神映画です。私は当時リアタイできず、後から映像で追いかけたくちなのですが、今年に入ってなんと2月2日から4Kレストアで再上映、しかもA24が手掛けたという胸熱イベントが! 早速観てきました、しかもIMAXで。

アート+ダンスのご機嫌なステージ

ストップ・メイキング・センス
真ん中の四角いスーツの男性がヴォーカルのデイヴィッド・バーン。右の女性がベースのティナ・ウェイマス(たまにキーボードやギターも弾きます)。ほか右からアレックス・ウィアー(ギター)、クリス・フランツ(ドラム)、リン・メーブリー(コーラス)、エドナ・ホルト(コーラス)、ジェリー・ハリスン(ギター)、バーニー・ウォーレル(キーボード)、スティーヴ・スケールズ(パーカッション) Courtesy of Sire + Warner Music Group

ちなみにこの映画には、インタビュー、関係者のコメント、余計な演出など一切なし。丸ごとライブです。冒頭のデヴィッド・バーンの足元とカセットデッキのクローズアップから心を射抜かれます。メンバーの大半が美術大学出身ということもあり、音楽も演出もコンセプチュアルでアート感があるのが見どころ。ランプとダンスしたり、背景に意味深な言葉がプロジェクターでうつされていたり。けれど決して頭でっかちではない。身体がカッテニ踊りだすような珠玉のグルーブ。上映中、座っているのが苦痛なほど。何度「なんでオールスタンディングじゃないんかい!」と思ったことか(後から知りましたが、クラブ上映などの企画も実施されているようです)。

アイコニックなビッグ・スーツから目が離せない

ストップ・メイキング・センス
独特の衣装と振付がクセになる。 Photography by Jordan Cronenweth. Courtesy of A24.

メンバーのオシャレも注目すべきポイント。派手が良しとされていた時代にあえてのニュートラルカラーで登場します。デイヴィッド・バーンがライブ中に着用する「でかスーツ」は能楽にインスピレーションを得たのだとか。パフォーマンスも相まってかなーりエキセントリックな感じ。『アメリカン・ユートピア』ではあんなに好々爺になっちゃって……と感慨深いです。

グレーのトーナルコーディネートが今の気分にもリンク

ストップ・メイキング・センス
コーラスの二人のヘア&メイクアップも可愛い。 Photography by Jordan Cronenweth. Courtesy of A24.

私が個人的に好きなのはベースのティナ・ウェイマス(上写真の一番左)。つなぎにフラット靴や、ミニボトムにレッグウォーマーでベースをつまびく姿は、真似したくなるほどカッコいい。その残像でか、ドラムのクリス・フランツのポロシャツにチノパンでさえ、MIU MIUかってくらい(笑)オサレに見えてしまうのです。コーラスのリン・メーブリーやエドナ・ホルトの80s感溢れるファッションも可愛い。

IMAXなら臨場感が倍増

ストップ・メイキング・センス
Photography by Jordan Cronenweth. Courtesy of A24.

可能なら絶対にIMAXで観てください! ライブの追体験どころか、興奮のあまりステージに乱入したくなりました……「私もバンドに入れて! 担当はベースで! ティナ・ウェイマスになりきって、レッグウォーマー履いてあのステップを踏む! 無理ならカウベルだけでも叩かせて!」と。

TOHO シネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

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エディターNAMIKI

ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。

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