赤リップの新定番は【トムフォード】の11番

運命のレッドリップが欲しい

トムフォード リップカラー

マリリン・モンローの有名な言葉に、「Give a girl the right shoes, and she can conquer the world」というフレーズがあります。「完璧な靴さえあれば、世界だって手に入れられる」とでも訳しましょうか。でも、私はこうも言い換えたい。「Give a girl the right RED LIPSTICK, and she can conquer the world」. それくらい、私にとって“赤い口紅”は神聖な存在です。SPUR読者の皆さんならきっと、“赤い口紅”には並々ならぬこだわりをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

最初に“赤い口紅”に憧れを抱いたのがいつのことだったか、もうハッキリとは覚えていません。それでも、レッドリップをまとったスタイルアイコンの姿は、自分の心の中に鮮烈に刻み込まれています。例えば、映画『パリの恋人』('57)でのオードリー・ヘプバーンの完璧なルエレガンスや、『風と共に去りぬ』('39)のヴィヴィアン・リーの燃えるようにドラマティックな視線と唇。『キャロル』('15)でケイト・ブランシェットが放つ、芳醇な赤ワインのような空気感。
はたまた、ジーン・セバーグやウィノナ・ライダーのように、ボーイッシュな表情に赤リップが加わることで、「こんなにもドキッとさせられるのか」と衝撃を受けたこともよく覚えています。
もしくは、『アメリカン・ビューティ』('99)のゾーラ・バーチのグランジど真ん中の赤(ボルドー)リップも、その友人として登場した“アンジェラ”の毒っぽすぎる赤リップも、大好き!

ウェス・アンダーソン監督の映画『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』('01)のグウィネス・パルトロウや『アステロイド・シティ』('23)でのスカーレット・ヨハンソンの、茶目っ気あふれるコーラルレッドのリップも大好物です。

古(いにしえ)のスターへの憧憬を詰めたレッド

トムフォード リップ

などなど、一口に“赤リップ”と言っても、個性はそれぞれ。語り出すとキリがないのでこの辺りでやめておきますが、“赤い唇”への憧れが強いもので、常に理想の口紅を探し求めています。
そんな私がついに出合ったのが、トムフォードから出た新作「リップカラー」(¥8,250)。ブランドのアイコニックなリップスティックが新たなフォーミュラで生まれ変わり、新色も登場したというではありませんか。

中でも、写真の11番「スタナー」は、30年代〜60年代の銀幕スターに着想したというブリックレッド。まさに私が思い描いていた理想とピッタリ一致する、クラシックでエレガントな色合い! だけれども、時を経ても色褪せない洗練された魅力を放っているところが、「さすがトムフォード」たる所以です。決して古典的になりすぎず、程よく都会的でモダンで、品良くセクシー。上質なサテンのように艶のある質感で、長時間つけていても色落ちしづらく、乾燥しない付け心地も魅力です。

往年のスタイルアイコンに思いを馳せて

トムフォード リップ

最初のマリリン・モンローの言葉に話を戻しますが、赤リップをしていると背筋が伸びるといいますか、「それに見合うだけの凜とした女性になりたいな」と思わせてくれる魔力を秘めていると思うのです。それはやっぱり、スクリーンなりランウェイなり、赤リップをまとって世界を虜にしたアイコンがいたから。その背中を追いかけたい、と思うからなのではないかと(個人的には)思っています。

そう思わせてくれたきっかけは、SPUR11月号の別冊付録を読んでから。SPURが愛してきた、そして今もなお偏愛しているおしゃれアイコンとその魅力が凝縮された一冊です。
そこに登場するキャサリン・ヘプバーンやティナ・チャウも、まさに“赤い口紅”が似合う女性。ハンサムな表情にひそむ、ハッとさせられるような情熱を、彼女たちの身につける“赤リップ”が象徴しているようにも感じました。

往年のスターに思いを馳せながらリップをまとう、というのも、メイクアップの新しい楽しみ方なのかもしれません。11月号の別冊付録も、是非手にとって読んでみてください!

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エディターMICHISHITA

シンプルだけれど一癖ある服を求めて三千里。日々、モードを追いかけています。淡水パールと洋梨が好き。

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