脚色は一切なし! 清野とおる【壇蜜】は、極めて面白い、世にも奇妙なラブストーリー漫画だ

皆さんは、「清野とおる」という漫画家さんを知っていますか?

東京都北部のローカルタウンに過ぎなかった赤羽を、一躍全国区の知名度に引き上げた『東京都北区赤羽』(山田孝之さん主演でドラマ化もされていました)、おかしなこだわりを持つ街の奇人変人を取材したドキュメンタリー『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』といったノンフィクション漫画の話題作を次々と発表。実は僕も、以前所属していた男性誌「UOMO」のウェブサイトで、新感覚の街歩き漫画『スペアタウン 〜つくろう自分だけの予備の街〜』を担当していました(単行本全2巻、集英社より大好評発売中!)。

しかし大多数の人たちにとって清野さんといえば、タレント・壇蜜さんの結婚相手、「壇蜜さんの夫」として有名なんじゃないでしょうか。今日はそんな壇蜜さんの夫による妻への潜入取材記録、漫画『壇蜜』の話をします。

ラブストーリーは突然に

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単行本第1巻(電子版)の表紙。余談ですが、Kindleで漫画を読むならiPad miniが最高です。©️清野とおる/講談社

連載『壇蜜』は2024年12月に「週刊モーニング」(講談社)にてスタートしました。第一話のタイトルは、「壇蜜、現る」。二人がTBSのTV番組「有吉と櫻井の夜会」の赤羽ロケで初めて出会ったときの様子が描かれています。それは街ロケの合間、たまたま二人きりになった瞬間のこと…。

会ったその日にプロポーズ

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第1話より。©️清野とおる/講談社

突然壇蜜さんが清野さんにプロポーズします。「じゃあ、わたしと結婚しましょうよ」と。

これまで公式には「三軒茶屋のSEIYUの前で清野さんがプロポーズした」というのが定説だったんですが、ガセネタだったようですね。ネタバレになってしまうのでこれ以上語るのは差し控えますが、よくわからないまま交際スタート→結婚へと至るストーリーと、清野さんと壇蜜さんの何気ない(ある?)日常の描写、両方を軸に作品は描かれていきます。

コミックスは発売即、重版に!

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三茶の不夜城。24時間営業のSEIYU三軒茶屋店。

予想通り、連載はスタート直後から大人気となり、 7月23日に発売された待望のコミックス第1巻はあっという間に重版が決定。すぐに読みたかった自分はまず電子版を購入し、コミックスは落ち着いてからでいいやと思っていたのですが、気づいたらコミックスは売り切れになってました。いや、めでたい!

ちなみに清野さんはすごくシャイな人なので、本作を「壇蜜への潜入取材記録」と言ってますが、担当編集者だった自分から言わせると全然違います。客観的に描いてるように見えて、コマの合間から壇蜜さんへの愛情が滲み出ている。これは極上のラブストーリー。壇蜜さんの奇妙な行動や言動を温かく受け止める清野さんを見ていると、なんとも言えないほっこりした気持ちになれるんです。

清野さんの作品は絵のタッチが独特なのでハードルが高いと思う人もいるかもしれませんが、ぜひ一度読んでみてください。きっと幸せな気持ちになれると思いますよ!

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エディターIKEDA

「12年ぶり2回目」の甲子園…じゃなくてSPUR。休日はできるだけ東京から離れたい。全力でくだらないことを楽しめる、電気グルーヴみたいなおじさんが理想です。

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