思わず「それどこの?」と聞いてしまった香水 先日、パリに旅行に行っておりました。そこで、6月ぶりに友人と再会したのですが、香りが冬仕様になっている……! ふんわり甘く、ピュアな透明感と、バニラのような濃厚さが共存する香り。そこに、ヨーロッパの乾いた空気とスモーキーさが加わって、なんとも言えない“唯一無二の香り”をまとっていたのです。思わず、「それどこの?」と聞いてしまいました。 オブヴィアスの「アン ムスク」 NOSE SHOPやセレクトショップなどで取り扱いあり(¥19,800) そこで教えてもらったのが、オブヴィアスの「アン ムスク」。オブヴィアスといえば、ヴィーガンでクリーンな処方を目指し、ミニマルで洗練された香りを作るパリのブランド。以前からムエットで試したことはありましたが、自分自身の肌で試したことはありませんでした。帰国後もどうしても忘れることができず、この機会に購入を決意。使い始めたら完全にハマってしまいました。ブランドのコンセプトが“白いTシャツのような香水”というだけあって、香調はとてもシンプル。とにかく軽やかで、洗い立てのリネンやコットンに包まれているような、ピュアな清潔感が香り立ちます。そして肌にのせてみると、爽やかさもありながら、どこか温もりも感じさせる。まるで体温と一体化して、ふわりと周りを包み込むような、品の良い香り立ちなのです。ピュアなカシミヤのセーターに素肌が触れているときのような、センシュアルな高揚感と、安心感を同時に楽しめる。上質だけれど気取っていないからこそ、まるで白いTシャツのように、毎日まといたくなる香りです。 レイヤードもおすすめ もちろん単品でも十分素敵なのですが、さすがは“白いTシャツ”。レイヤードにもピッタリなんです。癖がなくシンプルな香調なので、どんな香水にも合わせやすく、ほのかに柔らかさを加えるように、調和してくれる。 私はパリでの香りを再現すべく、少し重ための甘いフレグランスを選んでいます(日本だと温度や湿度の高さもあって、少し香りが飛びやすくなってしまったのです)。例えば写真中央、トムフォードの「バニラセックス」。かなり濃厚で、ホワイトチョコレートのような甘さのある香りなのですが、「アン ムスク」を重ねることで清潔感が加わり、より軽やかに仕上がるんです。左のバイレードの「デザートドーン」は、焦がしたマシュマロのような香ばしい甘さが大好きな一本。「アン ムスク」と溶け合うことで、よりまろやかに香り立つ気がします。 “あの日、あの時の香り”を完璧に再現するのは難しいけれど、土地や季節、つけている人によっての違いを楽しむのもまた一興。むしろ、そこに違いがあるからこそ“忘れられない香り”が生まれるんだよな、なんて思ったのでした。 スモールグッドシングス パウダリーで甘いウッディ。【バイレード】の新作の虜に - スモールグッドシングス - ファッション | SPUR SPURフレグランススクール 教えて!香水の疑問 「ムスク」ってどんな香り? 軽やかなものが増えているって本当? - SPURフレグランススクール 教えて!香水の疑問 | SPUR 今回紹介した商品はこちら! 商品名 : UN MUSC 価格 : ¥19,800 公式サイトでは110€ 公式サイトはこちら エディターMICHISHITA シンプルだけれど一癖ある服を求めて三千里。日々、モードを追いかけています。バロックパールと洋梨が好き。 記事一覧を見る