最近いつも持ち歩いて、折に触れて読み返している本があります。それが1923年、ポーランド生まれの詩人ヴィスワヴァ・シンボルスカ(Maria Wisława Anna Szymborska)の詩集です。1996年にはノーベル文学賞を受賞した名のある作家なのでご存知の方も多いかもしれません。こちらは、そんな彼女の詩に触れられる代表的な二冊。
もっと早くちゃんと出合っていたかった……! と思うのですが、私が著作をきちんと手に取ったのは最近のこと。きっかけは、上海の前灘 L+PLAZAというモールで行われていたインタラクティブな展示でした。これがとっても素晴らしかったんです。「The City of Szymborska(シンボルスカの街)」をテーマに、テキストに基づいて博物館、郵便局、薬局、電話ボックスなど架空の街を表現。壁には「I prefer ●●」というフレーズが書かれたペーパーが貼られており、自由にそれらを取って持ち帰れるように。言葉を立体的に落とし込み、鑑賞者それぞれの行動を促す仕掛けが、詩そのものの世界ともよくリンクしているように感じました。キャプションの中国語は、翻訳カメラアプリを駆使してなんとか読み解きました……。残念ながら展示期間はすでに終了しているのですが、いつか日本でも見てみたい。