SPUR編集部は神保町にある、と話すと「ランチが豊富そうだね〜!」とよく言われます。ただオフィスの立地的に意外と徒歩3、4分圏内のチョイスは限られるうえに、大体さっと食べねば! というシーンが多い(私は)。となると、いくつかの飲食店をローテーションすることに。中華や台湾料理など、もちろんどこもおいしいのですが、取材や打ち合わせで違う街に足を運ぶと、せっかくならそこで何かご飯やおやつを買おう、そして気分を変えてみよう、というモチベーションになります。
そんな折にとある買い出しで、湯島に行く機会がありました。出合ったお弁当が、クラシカルで、でもほっとするおいしさで体に沁み渡りまして……。感動をシェアさせてください。つる瀬のお赤飯弁当です。
クラシカルでほっとするお赤飯弁当
つる瀬は、湯島に本店を構える1930年創業の老舗和菓子店。湯島天神のほど近く、駅の出口もすぐという立地です。平日だったからか並ばず、注文もスムーズでした。受け取ったお弁当のあたたかさに、すでに心が弾む。
会社に持ち帰り、いざ開封! 食べてみると、お赤飯がモチモチでまず衝撃を受けました。岡山県のだるまささげという品種だそうです。ふっくらと粒が立ったお米に、柔らかく炊かれた小豆。そこに小さな梅干しが鎮座しており爽やかな酸味が効いています。さらにそのご飯と抜群のコンビネーションを発揮するのがおかずです。佃煮は、しっかりとした味わいでご飯が進む。牛蒡の煮物は懐かしさと上品さを併せ持ったおいしさ。さつま揚げも驚くほど柔らかい!
しっかり満足できます
そして空気をふわふわに含んだ卵焼き。甘すぎず、塩気が強すぎることもなく、他のおかずが立て続いた後に食べると口内をリセットしてくれます。極めつけに甘く煮たお豆でフィニッシュ。すべてのバランスが完璧なんです。決して派手ではなく、滋味深いとはこのこと。一見小ぶりですが、赤飯の腹持ちが良く、完食する頃にはすっかりお腹が膨れました。これで1000円払っておつりがくるなんて、お得すぎじゃありませんか。
お店には甘味喫茶が併設されており、イートインもできます。その場合は、お吸い物や大根おろし、デザートのわらび餅がセットになる模様(900円)。甘味処のごはんって、控えめに言っても最高ですよね。大好きです。
上野・湯島エリアはほっとする甘味が勢揃い
つる瀬の名物として、ほかにも「むすび梅」がラインナップ。切昆布と大豆を挟み、白干小梅を加えた素朴な白蒸しおこわです。歌舞伎役者の方も楽屋差し入れとして愛好するとか。こちらもシンプルだからこそおこわの美味しさが感じられる一品です。豆大福などもシグネチャーですし、季節の生菓子も魅力的で、次は和菓子も買って帰りたい……と、再訪を誓いました。
このエリアでは、かの有名なうさぎやのどら焼きも大好き。タレントさんとの撮影現場でも喜ばれたことがあり、よく買っています。上野まで足を運べばあんみつ みはしも欠かせない一軒ですよね。老舗の甘味好きには嬉しい悲鳴です。