真摯な表現者は、夢を見る
SCROLL
吉岡里帆×BOTTEGA VENETA
真摯な表現者は、夢を見る
マチュー・ブレイジー就任後2シーズン目を迎え、円熟味の増すボッテガ・ヴェネタをまとうのは、快進撃を続ける吉岡里帆さん。ひたすらに、より高みを目指し、自らのクリエーションを追求する。創作へ情熱を注ぐデザイナーと俳優の姿勢が、静かに重なる
つらいことも浄化してくれる、
パワーのある映画を作りたい
子どもの頃から映画が好きだったというが、「映画にはこんなにすごい力があるんだと教えてくれたのは『ニュー・シネマ・パラダイス』でした」と振り返る。
「初めて観たときは、あまりに感動して涙が止まらなくなってしまって、今でも音楽を聴いただけで涙があふれるくらい好きな映画です。この楽曲を作ったのが、イタリアの作曲家エンニオ・モリコーネで、これまで500本以上の映像作品の音楽を手がけてきた偉大な方なんです。彼のドキュメンタリー映画が、今年日本でも公開されたので観たいと思っています」
「悲しい思い出がプラスのエネルギーに変わったり、つらい経験が浄化されたりするような作品を私も作っていきたい」と夢を語る彼女に、自身の一番の強みはなんなのかを聞いてみた。
「とにかく誠実に、真面目に取り組むところでしょうか。求められたことには120%で返す。オファーしてくださった方に、『この人に頼んでよかった』と思ってもらえるように、実直な思いを仕事ではいつもぶつけていきたいと思っています」
彼女が持つ濁りのない清潔感は、誠実に、ひたむきに生きていることの証しだ。今年1月で30歳に。この先、吉岡里帆は、どこを目指していくのだろう。
「先輩の女性で素敵だなと思う人たちは、形は違えど、皆さんそれぞれに強さがあって、面白い方が多いんです。年齢を重ねていく中で人間味が増すというか、より自由になって、生身の人間になっていく感じ。そしてそのときに核にある、その人らしさみたいなものをちゃんと謳歌している——私もそんな人間になりたいと思っています」
RIHO YOSHIOKA
1993年、京都府生まれ。2013年より芸能活動をスタート。主な出演作品に「あさが来た」「カルテット」「きみが心に棲みついた」「しずかちゃんとパパ」など。2023年夏に主演映画『アイスクリームフィーバー』が公開予定。