今田美桜とたどる、記憶の旅のカバーイメージ
FENDI創設100周年をセレブレート

今田美桜と
たどる、
記憶の旅

RETRACING MEMORIES WITH MIO IMADA

2025年、フェンディはブランド創設100周年を迎えた。創業家3代目のシルヴィア・フェンディが披露したウィメンズウェアは、長い歴史の中のいくつもの瞬間が交差するエモーショナルなピースが揃う。伝統を守り、未来へ推進するシルヴィア自身の声とともに、その熱を届ける

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シルヴィア・フェンディの幼少期の記憶や、彼女自身のブランドへの思いが着想源となった今シーズン。ごく薄くなめらかに編み立てたシアーニットと裾に配した繊細なレースが目を引く可憐なセットアップは、大人だからこそ楽しみたい贅沢な質感。

トップス¥385,000・スカート¥385,000・ブーツ¥305,800(予定価格、9月上旬発売予定)/フェンディ ジャパン(フェンディ)

#FendiFW25

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端正なテーラリングながら、歩くとラペル部分が揺れスカーフを垂らしたように見えるジャケット。シックなムードの中に"FUN"を大切にするブランドの遊び心がのぞく。シルヴィアのデザインした、タイムレスな名作バッグ「ピーカブー」にもキュートなチャームを携えて。

ジャケット¥513,700・中に着たトップス¥305,800・パンツ¥200,200・バッグ¥728,200・チャーム¥104,500・靴¥162,800/フェンディ ジャパン(フェンディ)

#FendiFW25

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リラクシングなニットのセットアップの足もとに合わせたのは、大胆なカーブを描くイールレザーのセットバックヒール。その絶妙なコントラストが、しなやかでパワフルなフェンディ・ウーマンを完成させる。

カーディガン¥456,500・ニット¥349,800・スカート¥327,800・ブーツ¥305,800(すべて予定価格、9月上旬発売予定)/フェンディ ジャパン(フェンディ)

#FendiFW25

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20年前に誕生したバッグ「フェンディ スパイ」が復活。その名の由来はフラップの裏にある"隠しポケット"から。抱きしめたくなるラウンドシェイプの愛らしいフォルムにプレイフルな仕掛けが光る。

バッグ¥499,400・コート¥533,500・ワンピース¥855,800・靴¥162,800/フェンディ ジャパン(フェンディ)

#FendiFW25

Profile
Mio Imada
いまだ みお●1997年福岡県生まれ。近作にドラマ「トリリオンゲーム」「花咲舞が黙ってない」など。2025年前期のNHK連続テレビ小説「あんぱん」で主演を務める。12月には映画『ラストマン-First Love-』の公開が控えている。

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1 1985年に撮影された、フェンディ家の五姉妹。それぞれ自分の名のついたバッグを膝に置いている
2 1967年の広告。右の少女がシルヴィア。この写真は100周年を記念した2025-’26年秋冬コレクションのショーの招待状でも使用された
3 世界の伝統工芸を讃える「ハンド・イン・ハンド」プロジェクトの一環で作られた「バゲット」。制作は栃木県・にしかた染織工房の西形彩
4 フェンディのアイコンバッグ「ピーカブー」もシルヴィアによって生み出された
5 2024年のフレグランスコレクション。中段左がシルヴィアをイメージした「ペルケ ノ」
6 2024年春夏 メンズコレクションのフィナーレで、自社工房の職人たちとともにランウェイに登場したシルヴィア(中央)
7 シルヴィア(左)と、その娘のデルフィナ・デレトレズ・フェンディ(右)
8 2025-’26年秋冬のショーの開幕を告げたのは、シルヴィアの孫の双子たち!

「ペルケ・ノ(なぜやらないの)?」 の精神で

シルヴィアはカールに請われてデザイン業務に携わるようになる。バッグなどのアクセサリー部門のデザイン責任者に就任するとたちまち才能を発揮する。1997年には、伝説的存在のバッグ「バゲット」(3)を、2008年には「ピーカブー」(4)を生み出した。実は、シルヴィアの母であるアンナも、かつてはレザーグッズを担当していた。シルヴィアの鋭いセンスには、母アンナから受け継いだ面もあったのかもしれない。

仕事に関してはとことんストイックなことで知られるシルヴィア。よく口にする言葉は「ペルケ・ノ(Perché no:なぜやらないの)?」。自社工房の職人に新しい提案をするときも、「ノーと言わず、まずはやってみましょう!」というのが常だ。この姿勢は、ハウスの創業者アデーレの姿をどこか彷彿させる。仕事に対するシルヴィアの厳しい姿勢は、とにかくパワフルで働き者だったことからリスにたとえられた、伝説の祖母譲りなのかもしれない。ちなみにこの口ぐせは、2024年に発売されたフレグランスコレクションでも、シルヴィアをイメージした香りの名前として採用されている(5)。

「フェンディ・ウーマンを定義するのは簡単ではありません。それは(フェンディの発祥の地である)ローマという都市のように、神聖と世俗、秩序と混沌といった対照的な要素を持ち、また私たちの二つのFのロゴモチーフのように、互いを補完し合う二面性を持っています」

ブランドの提示する女性像について、そう語るシルヴィア。この二面性は、伝統と革新を大切にする彼女自身の姿勢にも表れている。

「フェンディの職人技は世代を超えて受け継がれ、私の祖母、母、そしておばたちによって常に追究されてきました(6)。過去から現在への連続性というこの考えに、私は安らぎを覚えます。私たちがどこから来たのかを理解し、どこへ向かおうとしているのかを知ることはとても重要です。それによって私たちの未来が決まるのですから」

今年2月に行われた2025-’26 年秋冬コレクションのランウェイショーでは、オープニングに男の子の双子が現れ、二人が大きな扉を開けることでショーが開幕。この二人は、シルヴィアの娘でありブランドのジュエリー部門アーティスティック ディレクターであるデルフィナ・フェンディ(7)の子どもたち(8)。シルヴィアにとっては孫に当たる、フェンディ家の若き5代目だ。彼らが着たのは、かつて7歳のシルヴィアが広告写真の中で着た服をオマージュしたファージャケット。

「このコレクションは私にとって非常に重要な意味を持っています。それは過去を振り返り、そして未来へと駆け抜けていくものです。私の祖父母が営んでいた歴史ある店舗とアトリエから、未来への展望として孫たちがショーの扉を開くまでの、フェンディの5世代にわたる物語なのです」

レガシーを大切にする一方で、シルヴィアは変化することの重要性を強調する。

「私たちはフェンディとは何かを知っています。私たちのヘリテージは強く、明確なものです。しかし、私たちは絶えず進化し、変化に対してオープンであり続けています。フェンディのモットーは『何も不可能なことはない(Nothing is impossible)』。このスピリットで私たちがどこまで行けるか、それを見てみましょう!」