個性の翼を広げるミナ ペルホネンの姿勢のカバーイメージ
日本発、世界で輝く15のブランドストーリー
minä perhonen

個性の翼を広げる
ミナ ペルホネンの姿勢

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日本発、世界で輝く15のブランドストーリー
minä perhonen

個性の翼を広げる
ミナ ペルホネンの姿勢

今年、ブランド設立30周年を迎えたミナ ペルホネン。1995年から現在に至るまで、手作業の図案によるオリジナルのテキスタイルデザインと、日本の技術を伝える丁寧なものづくりを継続している。学生の頃からファンというモデルの前田エマが新作とともに、ブランドの魅力を伝える。

ブルゾン¥165,000/ミナ ペルホネン

甘くないフリルは
着れば着るほど面白い

「ミナ ペルホネンといったら、目を引く可愛らしい図柄をイメージされる人が多いと思いますが、無地の服も見つけることができます。私はこちらのムードも好きです」。ディテールの効いたデザインにとくに心惹かれるそう。「フリルが立つようにあしらわれたブルゾンは甘さよりもかっこよさを引き出してくれるのが新鮮。今の私なら、ボリュームのあるロングスカートをばさっと合わせるのが気分。年齢を重ねたら、細身のパンツにバレエシューズなんかを合わせてクールに着たいです」。またミナ ペルホネンの服を長く着ることで気づいたことがあるという。「時間とともに現れる、風合いの変化です。コットンシルク素材のブルゾンも長い年月をかけて着続けたらいろんな風合いが出てくると思います。ほつれたり、擦れたりする経年変化さえも魅力に。その時々の状態を楽しむのはもちろん、修理の相談をすると、補修だけではなく状態に見合ったリメイクを提案されるケースもあると聞いて感銘を受けました。これはテキスタイルを大事にするブランドならでは。長く着ることで自分だけの服になっていくのが本当に面白い」。

上品な光沢とハリのあるコットンシルク素材の「ルーチェ」を採用。フロントはV字に、袖にはらせん状にあしらったフリルの陰影も美しい。ブルゾン¥165,000/ミナ ペルホネン

ドレス¥110,000/ミナ ペルホネン

図形のような花柄と
肌見せカットアウト

前田さんがオープンショルダーという意外性に惹かれたというドレス。ミナ ペルホネンの手にかかると、まとう人の体もひとつのテクスチャーであり、肌が覗く部分を含めて完成形かのよう。「例えば、彫刻はひとつの石や木などの素材を削り出したり、付け足したりしながら制作しますが、このドレスにもそんな工程を感じて。花柄だけど甘くない、ユニークで幾何学的なテキスタイルにも惹かれます」。どんな風に着こなしたいか聞いてみると、「一枚で肌見せを楽しんだ後は、シアーなカラータイツを合わせたり、あえてマスタードカラーや赤のタートルネックニットを重ね、肩先に色を加えても面白いかもしれません。ドレスって存在感が強いのでひとつのイメージに固定してしまいがちですが、アレンジを加えてみて表情を変えられるのもいいですね」。個性がありながら、レイヤリングが思い浮かぶドレスはこの秋の楽しみに。

まるで花がおじぎをするように咲いている様子を描いた「ペタル フェザー」。ウール100%のテキスタイルをオープンショルダーのドレスに仕立てて。ドレス¥110,000/ミナ ペルホネン

前田エマ Emma Maeda

1992年生まれ、神奈川県出身。2015年、東京造形大学を卒業。オーストリア ウィーン芸術アカデミーへの留学経験を持ち、在学中から、モデルや写真、ペインティング、ラジオパーソナリティなど幅広く活動。アートと映画、本にまつわるエッセイを雑誌やWEBで寄稿している。2023年にはソウルに留学。2025年6月17日、3冊目の著書となるエッセイ集『過去の学生』(ミシマ社)を上梓。