お気に入りの服は、シーズンをまたいで長く着たい! 東京のファッショニスタ4人に、愛用中のアイテムを春と夏の2パターンで着こなしてもらった。同じアイテムでもガラッとムードが変わる、スタイリング・テクニックをぜひ参考にして。
マルチストライプパンツをカジュアル or レディに
ビームス プレス 藤井早希子さん
藤井さんが選んだ着まわしアイテムは、マルチストライプのパンツ。「これひとつでカラーミックススタイルが実現するところがお気に入り。春の野外イベントや、ちょっとそこまで出かけるときには、キッズサイズのTシャツを選んでカジュアルに着たいですね」。さらにデニム地のビスチェをレイヤードしてひねりを加えた。ポイントは、足もとに重さを与えるドクターマーチンのシューズ。さりげなくマニッシュなムードを香らせた。
カジュアルに徹した春から転じて、サマースタイルはレディライクに。「パンツを主役に、リネンで全身を揃えています。スカーフは、パンツのストライプ柄から色を拾って統一感が出るように」と藤井さん。タイトなトップスとワイドパンツのバランスや、プラットフォームシューズの効果で、スタイルアップも叶う。サテンロープのバッグでゴールドの輝きをプラスした。
透け感のあるスカートはボトムス・レイヤードに最適!
スタイリスト 小川夢乃さん
セットアップのシャツとラップスカートを、ドレスのように着た小川さん。「オーガンジーの質感や、ベージュの地に赤いドットのカラーリングが可愛くて、展示会で見たときから狙っていたアイテム。透け感があるので、レイヤードスタイルにも便利です」。袖にプリントのあるグラフィックTシャツでストリートのニュアンスをプラスし、春スタイルが完成! 「撮影で使ってとても合わせやすかったので自分でも購入した」という、赤いポインテッドトゥシューズも効いている。
夏は、上の写真と同じスカートを、グリーンのギンガムチェック柄ドレスの下に重ねて。色も柄も異なるレイヤードだが、素材感が近いので違和感なくなじんでいる。「緑のドレス1枚でも可愛いですが、今はもっと長めの丈のスカートを穿きたい気分なので、レイヤードでシルエットを変化させました」と小川さん。ロマンティックなドレスを、モダンな表情のバッグが引き締めて。
合わせる色や柄でジャンプスーツが一変!
トゥモローランド PR 落合愛菜さん
「春先に鮮やかな色のアイテムをたっぷり楽しんだせいか、今はアースカラーが気になります。意外な色との組み合わせがしっくりきたりと、発見が多いのも楽しい」と言う落合さんは、アーミーグリーンのジャンプスーツをセレクト。ポップなオレンジ色のストライプ柄ブラウスをインに着て、ナチュラルカラーのスタイリングにパンチを加えた。薄手のコートの袖を絞り、五分袖のようにして着ているテクニックも真似したい!
夏スタイルでは、インにロイヤルブルーのシャツを選んだ。「このジャンプスーツのような色には、普通は淡い色を合わせがち。思いきって鮮やかな色をもってくることで、また違った表情が生まれます」と落合さんが言うように、ナチュラルなカラーリングの春スタイルと比べ、ぐっとクールな雰囲気に。ミニバッグブームの中、あえて大きなサイズのバッグを選び、スタイリングに変化をつけた。
エレガントなスカートでつくるミニマルスタイル
歯科医、モデル Junko Katoさん
Junkoさんの選んだ着まわしアイテムは、海外インスタグラマーの投稿で見て一目惚れしたという、エレガントなロングスカート。「身体のラインがすごくきれいに見えるのでお気に入り。スリットが深く入っていますが、着てみるとさりげなく、意外と使いやすいんです。春は日の光が柔らかいので、逆に黒が映えると思って」と、オールブラックスタイルにモダンなフォルムのバッグをプラス。柔らかい質感のカットソーに「抜け」が漂う。
白いタンクトップとヌーディなベージュのビーチサンダルで、軽さを出した夏スタイル。「過剰な装飾に走らない、ノイズの少ないスタイリングが好き」だというJunkoさんらしい、ミニマルな着こなしを貫いた。「柔らかいコットン素材のトップスには、このスカートのように、緊張感のあるボトムスを合わせるようにしています」
photo : Yuka Uesawa(小川さん、藤井さん、落合さん), Satoko Tsuyuki(Junkoさん) text : Chiharu Itagaki