SPUR.JPの連載「あの人のお気に入り」第10弾に登場するのは、俳優の二階堂ふみさん。演技者として表現の幅を広げる彼女に、エッセンシャルなファッションについて聞いた。
SPUR.JPの連載「あの人のお気に入り」第10弾に登場するのは、俳優の二階堂ふみさん。演技者として表現の幅を広げる彼女に、エッセンシャルなファッションについて聞いた。
循環するファッションが、心地よさと装う喜びをくれる
「この数年の間で、いろいろなものを着る楽しさから、自分のなかで納得のゆく心地よさを厳選するようになりました」。そう言って、二階堂さんが紹介してくれたファッションアイテムは、それぞれに奥深いストーリーを秘めている。「もの作りの生産背景や、作り手のインディペンデントな姿勢に惹かれて買うアイテムは、なんだかいつ着ても気持ちがよく、自分に無理がない。そういうものがワードローブに増えていきました」。

動物福祉や環境への配慮にも関心を持つ彼女は「日々自分のなかで考えをアップデートしていきたい」と語る。「アニマルライツやアニマルウェルフェア、環境負荷についての許容も、私自身は0か100かと決断することが正義だとは思っていなくて。その時の最善を選択することが大切だと思っています」。例えば、リアルレザーのアイテムひとつとっても、素材の調達から受け手に届くまでの過程に、矛盾や齟齬が生じないようなもの作りを行うブランドを知ること。その上で、背景にある考えや姿勢に共感を持って購入しているそう。また、二階堂さんは、自身のワードローブについても、過去から未来へと循環させていくことを常に考え続けている。
「動物性素材の使用や大量生産への罪悪感が大きくなりすぎて、服を着ることを楽しめなくなってしまった時期もあります。けれど、ファッションがくれる美しい経験やアクティブな感情も私は忘れたくない。デートにこれを着て行こうとか、この服をまとっておばあちゃんのお墓参りに行きたいな、と思えるファッションが私にはまだまだあるんです」。
幼い頃からずっと好きなものや、思い出が詰まったアイテムを自分らしく、楽しんで着こなす二階堂さん。心が喜ぶファッションは、時を超えて彼女とともに生き続ける。
1994年9月21日生まれ、沖縄県出身。映画『ガマの油』(2009年)でスクリーンデビュー。その後も、映画『ヒミズ』(2012年)、『リバーズ・エッジ』(2018年)、『翔んで埼玉』(2019年)、『月』(2023年)、ドラマ「エール」(2020)、「Eye Love You」(2023)などに出演。写真家としても活動。2024年2月27日より配信されているハリウッド制作ドラマ『SHOGUN 将軍』にメインキャストの一人として出演している。









