90年代から00年代初頭にデビューして、一世を風靡したダウンタウンデザイナーがここ数年で続々とカムバックしている。その多くが女性というのも特徴で、それぞれにキャリアアップして、さらに洗練されたラインナップになっている
ALUMNAE(アルムナイ)
ネクストフラットシューズの大本命
ブランド名の意味はずばり"卒業生"。デザイナーのカリいわく「よりシャープでフォーカスされたヴィジョンのもと作っている靴よ。前ブランドでの経験を得て、私たちは今、博士課程にいるの(笑)」。イタリアの、熟練の靴職人たちと作るコレクションはデザインと履き心地の両方を兼ね備えている。コンセプトについて「NYで多忙なライフスタイルを送る女性たちにフィットする、フラットシューズのコレクションを作りたかった。カジュアルなだけでなくて、 ドレスアップしたスタイルにも似合うようなシックなデザインのね」とイライザ。
(左)シャイニーなパイソンレザーを使ったショートブーツ$1,595
(右上)メンズのスモーキングシューズにヒントを得た一足$595
(右下)人気のポインテッドトゥパンプスはシャープなV字のカットがセクシー$550
PLOFILE
90年代に一世を風靡した靴のブランド「シガーソン・モリソン」の創始者カリ・シガーソン(左)が当時の同僚、イライザ・アクセルソン・チドセー(右)と2015年にスタート。NYではバーニーズニューヨーク本店ほか、この秋待望の旗艦店がトライベッカ地区にオープン予定。フルラインナップが揃う。
DATA
ALUMNAE
60 Hudson St.
http://alumnae.nyc
THIRD STORY(サード ストーリー)
ペザントスタイルに特化NYの元祖デュオブランド
プロエンザ スクーラーやロダルテなどNYの人気ブランドはデュオが多いが、「その元祖は私たち!」と彼女たちが言うとおり、2001年にはCFDA(アメリカファッション協議会)新人賞を獲得した実力派。紆余曲折を経て昨年再始動させた新ブランドはインド刺しゅうのペザント風ブラウスに特化し、ニコールいわく「服をよりリアルなプロダクトとして提案していく」のがコンセプトだ。「インドのアルチザナルな伝統をリスペクトしながらゆっくりブランドを成長させていきたい」とダフネ。来春はドレスやプリントのアイテムも発表する予定だ。
(上)スタッズがポイントになった人気のデザイン$276
(中央)ベルベット素材のヨーク部分に繊細な花火の刺しゅうが施された大人っぽい一枚$445
(下)シャープなVネックがポイント。アブストラクトなアニマル柄部分も刺しゅうという凝った仕様$310
PLOFILE
ダフネ・ガッティレス(左)とニコール・ノセリ(右)はニュージャージー州出身。パーソンズ在学中に出会い、「BRUCE(ブルース)」を立ち上げ、90年代後半のファッションシーンを牽引した。2017年春夏から再始動した「Third Story (サード ストーリー)」はNYの新しいセレクトショップCanon NYCなどで販売中。
DATA
Canon NYC
150 Sullivan St.
646-861-3500
http://www.thisisthirdstory.com
MAISON MAYLE(メゾン メイル)
マチュアな女性の魅力がさらにアップ
今ではポピュラーなノリータ地区の創成期に、まさにエリアのミューズのような存在感を放っていたジェーン・メイル。ブランド休止から8年を経て昨年カムバックした。「ミニマルなトレンドが落ち着いて、再びロマンティックなムードが高まっているのが背中を押してくれたの」。フェミニンでタイムレスなデザインは健在だが、かつてよりもさらにマチュアな魅力が加わった。そこはかとなく漂うセンシュアルさはどこかヨーロッパ風の雰囲気でもある。
(左上)バラの蕾のプリントが可憐なブラウス$495
(右)クラシックなデザインのショルダーバッグ$695
(左下)コーディネートのポイントにしたいスカートはヴィーガンレザー製$450
PLOFILE
イギリス生まれで10代後半はモデルとして活躍。大学卒業後、1999〜2008年までノリータを拠点に「メイル」のデザイナーとして人気に。2016-’17年秋冬より再始動した「メゾン メイル」はバーニーズニューヨーク本店などで展開。
DATA
Barneys New York
660 Madison Ave.
212-826-8900
http://maisonmayle.com
※$ 1 =約110円です( 8 月2 日現在)。
※この特集内の掲載価格は本体価格(税抜き)にて表示しています。米国で付加される消費税は含まれておりませんのでご注意ください。
※電話番号に関して、アメリカの国番号は1 です。
※ニューヨークでは、「無休」表記でも、ニューイヤーズデー、感謝祭、クリスマスなどは休みとなります。
SOURCE:SPUR 2017年10月号「ニューヨーク、アイ・ラブ・ユー!」
photography:Minami text:Akiko Ichikawa
着たい服はどこにある?
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