冬の防寒に欠かせない、ダウンジャケット。しかしカジュアルな印象に陥りやすい側面も。
そこでスタイリスト4人が「普通じゃない」活用法でモードな装いへと昇華。都会のためのダウンスタイル、ここに極まれり!
01 STYLIST 浜田英枝さん
グランジスタイルをベースに、現代的なムードを盛っていく
一見無秩序ながら、確固たる理論に裏打ちされた浜田さんのレイヤードルック。「グランジ好きの彼女が、家にあるお気に入りを手当たり次第重ねて着てしまったようなイメージです。ただメンズライク一辺倒ではないモードなさじ加減も大切。ローテクなVANSに、ウェットスーツなどハイテク素材をきかせたりと意識しています。スカーフも頭に巻いたり、垂らしたりとノールールなアレンジが気分。そしてダウンは主役ではない"ポイント使い" にトライ。ブルーのダウンは腰で結びビビッドな色をアクセントに。仕上げにブラックダウンを肩に掛け、装いにボリュームを」
02 STYLIST 丸山佑香さん
"ジャケットじゃないダウン"で肌に沿うモダンなスタイルに
「ダウンといえばジャケット。そしてゆったりと体を包むもの。今回はそのイメージとはあえて真逆のスタイルに仕上げました。体の一部のように見せるタイトなダウンがテーマです」と丸山さん。選んだのは、変形ダウンドレスとダウンパンツ。「変化球のアイテムを起点に、肌にぴったりフィットするボディスーツや、スキントーンでレイヤードを統一。ダウンドレスは一見エッジィな表情なので、チュール素材でやわらかいムードをプラス。サイドにフルジップが配されたダウンパンツは、裾を少し開けることでベルボトムのように。ウェスタンな空気感を意識しました」
03 STYLIST 矢内麻友さん
ヴィンテージアイテムでどこか"違和感"あるバランスに
ヴィンテージミックスをテーマに、矢内さんが今着るなら? 「個人的にも欲しい2着のダウンに異なるテイストを加えました。若草色のダウンは、PHIPPSというアップサイクルがテーマの気鋭ブランド。19世紀のコルセットと80年代のアライアのレギンスにジャストサイズで羽織るミックス&マッチが気分です」。ブラックダウンは、老舗メンズブランドのストーンアイランド。「長めの丈感で、スリーブをはずせばベストになり、装いを仕上げるレイヤードアイテムにぴったり。スコットランドのヴィンテージキルトにヴェトモンなど今のブランドを重ね、クラシックとモダンの融合に挑戦しました」
04 STYLIST 飯島朋子さん
オフィスレディのダウン活用はケープ感覚で立体的に
働く女性がダウンを着るなら、というお題に飯島さんがアンサー。「ストリートに着崩すのではなく、本来の形を際立たせるよう"着直す" ことがテーマ。ダウンはビッグシルエットのメンズサイズを選び、首元を締めてケープ感覚で羽織って。セットアップの共布のベルトはあえてボウタイのように結び、首回りをより量感たっぷりに強調しています。太めで半端丈のボトムスと装飾的なフリルが配されたパンプスを選び、全体的に立体感を強く意識したスタイルに」
SOURCE:SPUR 2019年2月号「見たことのないダウン活用」
photography:Bungo Tsuchiya〈TRON〉 hair: Koichi Nishimura〈angle〉(01〜03) make-up: Masayo Tsuda〈mod’s hair〉(01〜03) hair & make-up: Hiroko Ishikawa(04) model: Une, Sarah, Zlata, Thais, Lila S.