GUCCIの2020年クルーズ コレクションが5月27日、クリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレの生誕の地であるイタリア・ローマにて開催されました。選ばれたロケーションは、古代ローマの美術作品を扱うカピトリーノ美術館。1471年に開館した世界最古の伝統ある美術館です。ここで行れたショーの模様と独占バックステージフォトをお届けします!
会場に入ってまず目を奪われたのは、入り口に掲げられた横断幕。イタリア語で配されている、古代という時代の魅力を綴るステートメントが印象的でした。その言葉は歴史的価値の高い歴史のある施設でショーを開催することともリンクします。またミケーレも子供のときから、よくこの美術館を遊び場として訪れていたそうです。

美術館の会場内はかなり暗く、それぞれのシートには懐中電灯が。来場者自身が自分の見たいモデルを照らす、ゲストの光が照明となっている仕様でした。また壁面にはたくさんの彫刻も。

今回のショーの大きなテーマのひとつとして焦点が当てられていたのは、妊娠や中絶など女性を取り巻く問題。モデルの背中で語られていたのは、70年代のフェミニズムを代表する「MY BODY MY CHOICE」というスローガンでした。
自分自身の身体について自由な選択をすること、男女平等の思想に、ミケーレは貫かれています。花をあしらった子宮の刺しゅうが施されたドレスも息を呑むほどの美しさ。また22.5.1973という日付が配されたジャケットも登場。それはイタリアで望まない妊娠をした女性が、中絶を行うことを認める法律が成立した日付であり、彼の強い志が宿っていました。
一方で、古代ローマからインスピレーションを得たアイコニックなジュエリーや、細部まで凝った芸術的なメイクアップも見逃せません。そのディテールを、バックステージからピックアップ。
「過去との対話」を軸にしつつ、今まさに根強くある社会問題にも光を当てる。複合的な要素がありながらも彼の美意識にそれらが集約されている、本当に美しいショーでした。ミッキーがプリントされたバッグなど、リアルに気になるアイテムも勢揃い。日本展開も楽しみです!
ショーのフィナーレはこちらから▼

好きな服は、タートルネックのニットと極太パンツ。いつも厚底靴で身長をごまかしています。