29年後、都市、暮らし、社会がこんなふうに変わっていたなら……。3DCGで都市空間の作品を発表するアーティスト、藤倉麻子さんのアートとともに、めいっぱい夢を膨らませて。緑との共生、新しい家族のあり方、人類を超えた多様性、そしてほかの惑星への移住。心躍る装いで未来の世界へ旅をする。
緑一体型の未来都市
完全にクリーンエネルギーのみが用いられるこの未来都市では、建物が有機的なかたちを描き、緑との共存をかなえている。湾曲するパイプからは空気と水の供給が行われ生活を支える。セットアップはコットン素材をポリウレタンでコートして滑らかに。グリーンのフラワーモチーフが自然との共生を高らかに謳い上げる。
血縁関係を超えた家族のあり方
従来の血縁関係を超えた、家族の新しい結び方。その絆の証しは、同じ屋根の下、同じ食事を囲むということ。それで十分なのだ。
（手前右）UVプロテクション機能つきのウェットスーツのようなセットアップ。
トップス￥12,500・パンツ￥9,500／ステラマッカートニー カスタマーサービス（ステラマッカートニー キッズ） スニーカー￥5,500／ニューバランス ジャパン（ニューバランス）
（右）小説家ジョナサン・サフラン・フォアから引用した言葉を配したニット。
ニット￥154,000・中に着たトップス￥41,000・パンツ￥100,000（すべてステラ マッカートニーメンズウェア）
（右から2人目）スカイブルーのシルクシャツはやさしい着心地。
シャツ￥99,000
（左奥）サステイナブルに採取されたビスコースとアセテートのドレスは半円を描く袖が美しい。
ドレス￥139,000
（左）同じくサステイナブルビスコースのニットドレス。流れるストライプのラインがセンシュアル。
ニットドレス￥185,000・靴￥89,000（すべてステラ マッカートニー）／ステラ マッカートニー カスタマーサービス 奥のソファ￥520,000／シックスインチジャパン
生物の枠を取り払う多様性
「人権」という言葉は、人類だけのものではなくなるかもしれない。この水上都市の広場では、AI搭載ロボットも、動物も、人間も、等しく集って憩う。カットアウトしたロングジャケットのホール部分に体を入れ、同じくワイドパンツのホールから足を出す。時代の進化を示す、新しい着こなしで街へ出よう。
惑星から、ノスタルジー
住む場所が限られてしまった地球から、人口の何割かはほかの惑星へ移住。その星の鉱石を利用した強度の高いドームに生活する彼女は、地球を眺めながら懐かしい夢を見る。80年代風バイカージャケットに、バイカーパンツ。この惑星では、オールホワイトのストイックな佇まいがよく映える。ブーツのトゥは半月を描いて。
SOURCE：SPUR 2020年4月号「2049、こんな未来を夢見たい」
photography: Toshio Ohno〈L MANAGEMENT〉 styling: Sumire Hayakawa〈KiKi inc.〉 hair: Miho Emori〈KiKi inc.〉 make-up: Shino Ariizumi〈Y’s C〉 model: Catharina, Hiromi Yamamura, Hunter, Inge, Daiki Akutsu graphic art: Asako Fujikura retouching: Hitomi Tsuji〈CUBISM〉
