人と人をつなぐもの LiSA「チェックから、音が聞こえる」

今、日本で最も勢いのあるミュージシャンの一人、LiSA。オリジナルブランド「ROY reflect overjoy」を立ち上げるほどにファッションを愛する彼女が、自分らしいと感じる旬の「チェック柄」をリズミカルに着る。

自由なマインドで力強く街を闊歩するケープコート

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コート¥890,000、ブラウス¥310,000、スカート¥160,000、イヤリング(片耳)¥60,000、ベルト¥89,000、靴¥166,000/クリスチャン ディオール(ディオール)

ブルー基調のオンブレチェックが、冬の澄み渡る青空によく映える。フリンジを風になびかせるケープとミニスカートは強い意志の象徴だ。「ディオールは大好きなブランド。実は今日着たコートのベージュを持っています。上質なカシミヤ素材で暖かく、下に着込む必要がない。だから薄着のままフォルムを崩すことなく存分に楽しめるのが魅力です」。

クラシックなチェックはポップに盛るのが新鮮だ

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ジャケット¥345,000、ブラウス¥130,000、バッグ¥220,000/グッチ ジャパン(グッチ)

肉厚なウール素材のタータンチェックをレイヤード。ピンクのジャケットはケープのようなデザインに加え、背面に入った大きなスネイク刺しゅうなど、ユニークな要素のミックスマッチが楽しい。赤いチェックのバッグをスタイリングし、思いきり可愛らしく。「ラブリーな色合わせを、こんなにスタイリッシュに着るのは初体験です」。

可愛さと強さを兼ね備えた洗練のセットアップ

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ジャケット¥370,000、スカート¥224,000、ベルト¥34,000、靴¥110,000(すべて予定価格)/ミュウミュウ クライアントサービス(ミュウミュウ)

立体的なパフスリーブやウエストをぎゅっとシェイプしたシルエットで、パデッドジャケットをとことんエレガントにアレンジしたミュウミュウ。「ガーリーなのに意外と大人っぽく着こなせる、誇張したフォルムが好きです」。

英国チェックの伝統と革新をフォーマルなスーツで表現

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ジャケット¥230,000、シャツ¥64,000、パンツ¥90,000、サンダル¥96,000(すべて予定価格)/バーバリー・ジャパン(バーバリー)

シングルジャケットとセンタープレスパンツという正統派な装いに、ボーイッシュなイエローとブラックのチェック柄を大胆に投入。ペイント加工を施したバーバリーチェックは中に着たシャツで取り入れた。遊び心あふれる、柄と柄の共演。「最近、一番お気に入りの配色です。ジャケットスタイルならシックに着こなせますね」。

ドラマティックに着る、新進気鋭のブランド

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ドレス¥207,000/ドーバー ストリートマーケット ギンザ(CHOPOVA LOWENA) イヤリング¥12,000、ブーツ¥83,000/TOGA 原宿店(トーガ プルラ)

タータンチェックの上にピンクのオーガンジー素材を重ねたドレスは構築的なパフスリーブにパンクムードが宿る。「ボリュームたっぷりなのに、ウエストがキュッと締まってメリハリがきいている。可憐な可愛らしさも、スタイリッシュに着たい願望もどちらもかなえてくれる一枚ですね」。

多彩な色と柄を、プレイフルに重ねてみる

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ジャケット¥145,000、ジレ¥105,000/ヴィヴィアン・ウエストウッド インフォメーション(ヴィヴィアン・ウエストウッド) 中に着た青と赤のチェックシャツ(左右)各¥16,800/ROY reflect overjoy

ダンディなジャケットスタイルも、チェックのレイヤードならこんなにもハッピーで楽しい。「中に着たシャツは私がディレクションしているROY reflect overjoyのもの。ラフに着るつもりでしたが、フォーマルにアレンジできてうれしい!」。

 

パンクロックを入り口に、音楽とファッションが結びついていった

 中学2年生のときに初めて聴いた、アヴリル・ラヴィーンの曲がきっかけで音楽の道を歩むことになったLiSA。今も昔も変わらずにチェック柄を愛しているのは必然なのかもしれない。

「パンクロックの入り口はアヴリルでした。その歴史を調べていくと、イギリス・ロンドンのパンクスタイルにたどり着きました。たとえばシド・アンド・ナンシーのようにチェック柄や豹柄をとびきり個性的に着こなすミュージシャンたち。そんなふうに好きな音楽のルーツをたどるうちにファッションと音楽がどんどん結びついていきました。洋服は自分の愛するものを言葉なしに伝えられたり、仲間を見つけられるものだと思います。チェック柄からは音が聞こえてきそうでしょう?」

 バンド仲間と一緒に歌っていたローティーン時代も、全米のビルボードのトップ10に名前が載る今も、LiSAにとってチェック柄のアイテムは、自分らしさを貫ける大切なもの。そんな彼女のファッションポリシーは「ならなくちゃいけない自分にはならない」。
「言い換えれば、人からどう見えるかではなく、自分が本当に好きかどうか、自分の心が躍るかどうかを大切にするということ。それが〝遊び心〟につながる。たとえば、今日はディオールのバッグを持っていますが、そこに大きなウサギのキーホルダーをつけています。ひとつひとつ手作りで、見た目もユニークなんですけど、こういうちょっと意外なものをくっつけるのが好き(笑)。上品に持つより、〝あべこべ〟だったり、違和感があるものを加えて楽しむことが真の私らしさだから」

 ファッションと自由な生き方を愛する仲間として、SPUR読者へメッセージを送ってくれた。
「2020年はこんなにもライブができなかったのは初めてで、絶対着ようと思っていた洋服もしまったままでした。でも2021年は、そこから生まれた新しい価値観や気持ちを大切に、音楽もファッションも、もっともっと可能性が広げられるんじゃないかと思っています。一緒に楽しみましょう!」

Profile
LiSA
岐阜県出身。2010年、テレビアニメ「Angel Beats! 」の劇中バンド"Girls Dead Monster"の2代目ボーカル・ユイ役で注目を集める。’11年にソロデビュー。TVアニメ「鬼滅の刃」のOPテーマ「紅蓮華」、映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌「炎」は世界中で大ヒット。新アルバム『LEO-NiNE』が好評発売中。

SOURCE:SPUR 2021年2月号「人と人をつなぐもの LiSAチェックから、音が聞こえる」
model: LiSA photography: Shiori Ikeno styling: Sumire Hayakawa〈KiKi inc.〉 hair & make-up: Fusae Tachibana〈étrenne〉 edit: Kaori Watanabe

FEATURE
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