大人になっても、心を癒やすぬいぐるみを集めている人は多いはず。眺めたりハグしてみたり、私たちの生活にぬくもりと脱力をもたらしてくれる大切な存在。熱狂的人気を誇るぬいぐるみ作家3名による相棒たちと一緒に、ふわふわもこもこの夢の世界へトリップ。
 
                                            
                    
                        コート¥63,800・中に着たトップス¥18,700・つけ襟ハーネス¥63,800/コム デ ギャルソン(ノワール ケイ ニノミヤ) チェスト・ウェーダー¥397,100/マルジェラ ジャパン クライアントサービス(メゾン マルジェラ) ヘアピン 各¥59,400/ロジェ ヴィヴィエ ジャパン(ロジェ ヴィヴィエ)  
                     
gyunyuyaさん  
ハートをずきゅん! 猫シスターズに魅せられて 
毛足が長いベージュのファーとブルーアイが愛くるしいgyunyuyaさん作の「HUG CAT」。両手を広げてハグを求める5匹の猫をぎゅっと抱きしめる。フィッシャーマンのワードローブが着想源のチェスト・ウェーダーに、フリルトリムの繊細なチュールコートとつけ襟を合わせて、思いがけないバランスとトーンのリンクを楽しんで。
             
                
                        コート¥346,500・ブレスレット(右手)¥86,900・(左手)¥58,300/ドリス ヴァン ノッテン 中に着たトップス¥18,700/フィルグ ショールーム(シモーネ ワイルド) レギンス¥46,200/エミリオ・プッチ ジャパン(エミリオ・プッチ) ソックス/スタイリスト私物  
                    KAHOさん 
ぬいぐるみが大きくなったの? 私が縮んだの? 
うさぎの「プペ」は、毛糸のポンポンで作られた「毛糸人形」。つぶらな瞳、緑の鼻、そして白いひげのパーツは作家のKAHOさんがこだわって選び抜いた。コロンとしたフォルムと大きな足に愛着が湧き、何度も手で包み込みたくなるさわり心地。幾何学柄のレギンスにフリンジを全面にあしらったコートを羽織って、「プペ」の気持ちに近づいてみる。
             
                
                        上段右の3連リング¥67,100/ロジェ ヴィヴィエ ジャパン(ロジェ ヴィヴィエ) ブレスレット(上段左)¥69,300・(下段左のぬいぐるみの上)¥47,300・グラスの中のイヤリング 各¥49,500・ネックレス(パープル)¥99,000・(ブルー、クリア) 各¥79,200・リング(ライトピンク)¥47,300・本の上のリング(グリーン)¥47,300・(ブルー、イエロー、ボール形レッド) 各¥59,400・(トライアングルピンク)¥24,200・チェーンネックレス¥28,600/スワロフスキー・ジャパン(スワロフスキー・ジュエリー) 下段のパールネックレス 各¥14,850/Katie 下段奥のハートネックレス¥488,400/アンブッシュ® ワークショップ(アンブッシュ®) 本の上のイヤリング(ブルー)¥33,000/シトロンビジュー  
                    CO-SENさん 
きらめくジュエリーと戯れる不思議な生きもの 
「どこから来たのかわからない」「気づけば隣にいる」生きものを作ったというCO-SENさん。生態がわからないヘアリーな妖精のような子たちは、きらきらのジュエリーがお気に入り。ピンクやブルーの輝きと遊びながら、つぶらな瞳で見つめてくる。
             
                
                        トップス¥437,800・レギンス¥218,900/ロエベ ジャパン クライアントサービス(ロエベ) タイツ¥1,100/ぽこ・あ・ぽこ(ジョナサン アストン) レッグウォーマー¥1,540/シルビア新宿サブナード(インテルメッゾ) ミュール¥204,600/ロジェ ヴィヴィエ ジャパン(ロジェ ヴィヴィエ)  
                    CO-SENさん 
ピンク同盟を結び、ユートピアへ出発! 
イタリア ルネサンスの画家、ヤコポ・ダ・ポントルモの傑作《十字架降下》から着想を得たロエベのセットアップ。プラットフォームシューズにレッグウォーマーを合わせて不思議なポーズを取ってみる。すると、何やら背中にフワッとしたものが出現。ピンク色の「Momono-mi(桃の実)」は長い年月を生きていて、桃源郷から来たという一説があるのだとか。
             
                
                        シャツ(仕様変更あり)¥108,900・下に重ねたシャツ¥123,200・スカート¥104,500・ヘアピン(2本セット) 各¥55,000・イヤーカフ¥33,000・ネックレス¥163,900・ベルト¥63,800・バッグ〈H10.5×W14×D5〉¥264,000(すべて予定価格)・ポロシャツ¥85,800(参考価格)/ミュウミュウ クライアントサービス(ミュウミュウ) デニムパンツ¥33,770/トムウッド プロジェクト(トムウッド)  
                    KAHOさん 
あの日の思い出も、お気に入りの服も全部レイヤード 
証明写真や卒業アルバムのようなちょっとぎこちない笑顔も、KAHOさんの「毛糸人形」たちとコラージュすれば素敵な思い出のワンシーンに。スクールユニフォームのようなブルーのシャツはクロップド丈とフルレングスを重ねて、さらにポロシャツをIN。今季のミュウミュウを象徴するチノのマイクロミニも、デニムパンツをレイヤードすればデイリーに着こなせる。
             
                
                        ドレス(参考商品)/トモ コイズミ 中に着たトップス¥63,650/エドストローム オフィス(パコ ラバンヌ) ソックス¥1,100/ぽこ・あ・ぽこ(ミュージック レッグス) スニーカー¥9,900/NIKE カスタマーサービス(ナイキ スポーツウェア)  
                    gyunyuyaさん  
おしゃれにドレスアップして夜のお散歩 
胸を張った誇らしげな佇まいが印象的なgyunyuyaさんの「異国のプードルさん」。やさしさと知性を持ち合わせた性格のスタンダードプードルをモチーフとしたぬいぐるみと一緒にお散歩へ。夜道に華やぎを添えるのは、咲き誇る花のようなトモ コイズミのドレス。フリルの大きなパフスリーブには、80年代のアイドル風にリボンを結んだツインテールがお似合い。
             
                
                        エコファーコート¥1,155,000・レースドレス¥935,000・ブローチ¥137,500・アンダーウェア(上下セット)¥106,700・ソックス¥23,100/グッチ ジャパン(グッチ)  
                    フィナーレは全員大集合 
「夢に満ちた街 ロサンゼルス」が表現された"GUCCI LOVE PARADE"コレクション。かつて映画の制作会社で働いていた母親から聞いた、古きよき時代のハリウッドとスターたちの夢のような話がアレッサンドロ・ミケーレの着想源となった。ボリュームたっぷりのエコファーのコートに、総レースのグラマラスなドレスを合わせてふわもこフレンズとパレード。頭にエコファーを巻き、ネットソックスにぬいぐるみを絡ませて、ぬいぐるみの国の女王を気取って。
             
     
                                            
    
ふわもこフレンズの作家たち 
販売後、すぐに売り切れてしまうことも多い大人気のぬいぐるみ。スペシャルな作品を手がけた3名の作家にインタビュー。
 
 gyunyuyaさん 
牛乳瓶のタグが目印! ひとクセある表情がたまらない 
Q.   ぬいぐるみを作り始めたきっかけは? 
A.  小学生の頃にぬいぐるみ制作にはまっていたこともあり基本的な制作工程はもともと知っていました。本格的に始めたのは、家に迎え入れた保護猫をモデルにしたぬいぐるみを作ったことがきっかけです 
Q.   どのようにアイデアを得ていますか? 
A.  愛猫が見せてくれる可愛くてどうしようもないところをスケッチしたり、どんな表現ができるかなと考えながら生地店を回っています 
Q.   作品作りで楽しいことは? 
A.  新作を手がけているとき、「きっと可愛いものができるぞ」とワクワクすること 
Q.   コレクションしているぬいぐるみはありますか? 
A.  1950〜60年代のアンティークシュタイフを少しずつ蒐集しています 
Q.   今後挑戦したいことを教えてください 
A.  お気に入りの作品を増やし作品集を制作したり、企業とのコラボレーションや、海外での販売も実現させたいです 
https://www.instagram.com/gyunyuya/  
 
 
                                            
     KAHOさん 
コロンとしたフォルムが愛らしい「毛糸人形」 
Q.   ぬいぐるみ作りのコンセプトは何ですか? 
A.  懐かしさをテーマに、手芸店のディスプレイにあるような作品を手がけています 
Q.   どのようにアイデアを得ていますか? 
A.  蚤の市や昭和雑貨のお店で見た置物からインスピレーションを得ています。動物園や水族館のお土産コーナーにあるぬいぐるみも好きで参考にしています 
Q.   ぬいぐるみとはどんな存在でしょう? 
A.  花と同じで部屋を構成するもののひとつ 
Q.   作品を手に取った方にどう愛してほしいですか? 
A.  私の作品は毛糸のポンポンでできているのでギュッと強く握ると形が崩れてしまいます。やさしく包み込むように愛でてほしいです 
Q.   オリジナルで制作していただいたうさぎの「プペ」の名前の由来を教えてください 
A.  フランス語で人形という意味で、好きな漫画作品のセリフにも登場します。普段はぬいぐるみに名前をつけませんが、特別なものを名付けるなら「プペ」にしようと考えました 
https://www.instagram.com/kudamonogaaruku/  
 
 
                                            
     CO-SENさん 
気づくと隣にいる、謎に包まれた毛の生きもの 
Q.   ぬいぐるみ作りを始めたきっかけは? 
A.  会社員を辞めて時間ができたとき、「毛」という名のぬいぐるみを作りました。SNSに投稿したら好評で、そこからたくさん作るようになりました 
Q.   どコンセプトは何でしょう? 
A.  ムーミンのニョロニョロのように「どこから来たのかわからない」「気づくと隣にいる」物語に出てくる生きものたち。ひとりでいるときに気持ちが少し軽くなる存在が実生活にいればいいなと思っています 
Q.   家のどんなところにぬいぐるみを置いていますか? 
A.  少し前に購入した古い茶箪笥の上に飾っています。数が多いので季節ごとに交換しています 
Q.   ぬいぐるみとはどういう存在ですか? 
A.  心の潤いです。生活に緑があることが大切なように、私にはぬいぐるみがあることで心が潤うんです 
Q.   今後挑戦したいことを教えてください 
A.  公共の場の目印やマスコット、ファッションなどの広告にぬいぐるみ作家として参加してみたいと思っています! 
https://www.instagram.com/co__sen/  
 
 
SOURCE:SPUR 2022年6月号「ぬいぐるみは心のユートピア わたしのふわもこフレンズ」 photography: Mitsuo Okamoto styling: Tamao Iida hair: Yusuke Morioka 〈eight peace〉 make-up: Asami Taguchi 〈home agency〉 model: Nina prop styling: Shizuka Aoki (p.58) edit: Kaeko Shabana