「アペロしない？」と誘い合い、お酒とお喋りを楽しむ優雅なひととき。＂アペリティフ（食前酒）＂の略称アペロはディナータイムへの期待を高めるフランスの習慣。お気に入りのドレスを着てまずは一杯。足取り軽く出かけて
甘いピンクのツィードドレスに、会話が弾むバッグを添えて
砂糖菓子のような甘やかなピンクカラーをまとって、心躍るアペロを楽しもう。コットンツィードで仕立てたレトロなロングドレスの正面はシンプルだが、背面に銀ボタンとポケットが配されている。まるで前後が逆になったかのようなツイストのきいた一着だ。アクセントには「CROCS」のシューズからヒントを得たフォンホルダーを斜め掛けして。身軽になれるだけでなく、クラシカルな装いにフレッシュなムードをひとさじ添えて。カンバセーションピースになりえるユーモア漂うアイテムが、会話をさらに盛り上げてくれそう。
ドレス￥355,300・バッグ￥90,200・ピアス￥89,100・ブーツ￥226,600／バレンシアガ クライアントサービス（バレンシアガ）
シャンパン片手に、息の合った柄×柄のコーディネートを
（右）日が落ち始めたマジックアワーに映えるのは、グラフィカルな柄を掛け合わせたノーブルな装い。50〜60年代のクチュールを思わせる、大胆なポピープリントのドレスには、ダルメシアン柄のボリュームある袖のアウターをショールのように羽織って。屋外でアペロを楽しむとき、寒暖差に対応できるアウターがあると安心。足もとはドレスと同系色のカラーパレットで彩られた陶器模様のレザーブーツを。サングラス越しにグラスを傾け合うことも醍醐味のひとつ。
ドレス￥271,700・コート￥229,900・ブーツ￥173,800／ドリス ヴァン ノッテン イヤーカフ（右耳）￥57,000・（左耳）￥53,900／エドストローム オフィス（シャルロット シェネ） その他／スタイリスト私物
（左）仲よしコンビの喉を潤すドリンクは、軽やかに泡がはじけるシャンパン。柄と柄をリンクさせて楽しい時間をシェアしよう。アニマル柄のシルクドレスは、ボウタイがクラシックな印象。重厚感のあるローファーと遊び心あふれるソックスを合わせてドレスダウンして。ニット素材のロングジレはアクアブルーを選んで差し色に。お酒と交互に味わうのは、酸味がきいたフレッシュフルーツ。アペロのおつまみは、ディナーの前におなかがいっぱいにならないよう、軽めのフードにするのがグッド。
ドレス￥327,800・ジレ￥275,000・ピアス￥61,600・ソックス￥15,400・靴￥126,500／マルニ ジャパン クライアントサービス（マルニ） その他／スタイリスト私物
次の一杯は風に吹かれてきらめく、レイヤードスタイルで
アーカイブスのレオパード柄「ミッツァ」のプリントを施した、シルクタフタ素材のベアドレス。腰からふわりと広がるエレガントなシルエットの一着には、レースのように繊細な編み地のニットトップスをインに仕込んで奥行きを出す。さらに、ウエストラインを細いレザーベルトを2本使ってマークして、パンキッシュなムードを演出。一見ミスマッチなエンジニアブーツは、華やかなドレススタイルを、アペロ仕様にカジュアルダウンしてくれる。心地よい風を感じながら、ほろ酔い気分を楽しもう。
ドレス￥1,300,000・ニットトップス￥210,000（参考価格）・ベルト各￥140,000・ブーツ￥294,000／クリスチャン ディオール（ディオール）
気持ちのいいテラス席では、切り替えが印象的なドレスを
（右）イタリア産のリキュール「アペロール」を白ワインとソーダ水で割った「アペロールスプリッツ」は、天気がいい日に飲みたくなる、爽やかでキレのある味わい。その一杯でチルするなら、軽やかで着心地のいい胸下切り替えのドレスがぴったり。ベルシルエットのクリーム色の一着は、ダークグリーンの糸でやわらかな曲線を描くステッチが施されている。まるで途切れることなくスムースに交わされる、会話の行方を示しているかのよう。丸いフォルムのヒールがキュートな、ターコイズブルーのパンプスを合わせて。
ドレス￥294,800・ピアス￥50,600・靴￥116,600／ジルサンダージャパン（ジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー）
（左）開放的なテラス席では、大胆な装いをしたくなる。サンドレスは洗練されたダークブラウンを選べば、肌見せしても上品な印象に。Ａラインにホルターネックというマリリン・モンローを想起させる、クラシックなデザインは、構築的なウエストのシェイプでエッジィなシルエットに昇華。足もとはラベンダー色のミュールを合わせるのが旬なバランスだ。アルコールのアイキャッチーな色を際立てるカラーコーディネートで、社交の場を特別な時間に。
ドレス￥258,500・ピアス￥116,600・靴￥101,200／ボッテガ・ヴェネタ ジャパン（ボッテガ・ヴェネタ） グラス（右）￥78,100・（左）￥84,700／ブチェラッティ その他／スタイリスト私物
ロゼにマッチするドレープたっぷりの美しいドレス
（右）好みのアルコールをおのおのでオーダーするのもいいけれど、同じ銘柄の1本をシェアして飲むのも会話が弾む。アペロでも好まれるロゼは、淡い桜色から濃いルビー色まで優美なカラーパレットが目にも楽しい。フルーティな軽い飲み口もアペロタイムにぴったり。まとうのは、ドリンクと同系色のバーガンディに染まった、彫刻のようなドレープが目を引くベアドレス。オーバーザニーソックスブーツまでワントーンでまとめて。フェミニニティと大胆さが絶妙にマッチしたコーディネートは、その後に続くディナータイム、さらにナイトアウトを記憶に残るひとときにする。
ドレス￥638,000・ブーツ￥313,500／バーバリー・ジャパン（バーバリー）
（左）フランク・ステラの絵画や彫刻をテーマにデザインしたドレスは、優雅なボリュームをもたせたシルエットも特徴的。はっとするようなウィスタリアカラーで、ドレスの素材はシルクとフォレストフレンドリーなビスコースを使用。サステイナブルな配慮も忘れない。裾のバルーンシルエットとベルべット素材のショートブーツの合わせは、自由にお出かけできる喜びを祝福するかのようなフレッシュさ。ソーダ水で割ったロゼに、オレンジの果汁をひと搾り。時間の経過とともに変化する香りと風味を心ゆくまで堪能して。
ドレス￥280,500・ブーツ￥157,300／ステラ マッカートニー カスタマーサービス（ステラ マッカートニー） その他／スタイリスト私物
大人の余裕に無邪気さがのぞく、シフォンドレスでヘルシーに
たっぷり楽しんだはずなのに、まだまだ屋外は明るいまま。豊かな時間をゆっくり過ごせる喜びがあるのもアペロのいいところ。2000年のアーカイブコレクションからアイデアを得たシフォンドレスは、透ける素材で女性のパワフルさを表現。ここぞという場面のためにワードローブに忍ばせておきたい、美しいカッティングの一着だ。開放的な気分で外気浴を楽しみたいなら、ヨーロピアン気分でシースルーの素材を選んでみては。どんなアルコールとも相性がよく、アペロには欠かせないオリーブの実も忘れずに。
ドレス￥385,000（予定価格。9月に一部店舗にて発売予定）・イヤーカフ￥53,900・リング（2つセット）￥53,900／フェンディ ジャパン（フェンディ）
SOURCE：SPUR 2022年9月号「アペロ・ドレスで乾杯」
photography: Mitsuo Okamoto styling: Keiko Hitotsuyama 〈SLITS〉 hair: Nori Takabayashi 〈YARD〉
make-up: Asami Taguchi 〈Home Agency〉 model: Brooke Gabel, Isabella Molloy text: Aika Kawada edit: Ayana Takeuchi
