共通のDNAを宿しながら、多様な顔を持つ6つのブランド。今、手に入れたいアイテムをキーワードごとに厳選した
COMME des GARÇONS COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン・コム デ ギャルソン)
ドレスに力をもらう
コム デ ギャルソンを立ち上げた川久保玲が手がけており、「コムコム」の略称で長年愛されている。川久保が好むベーシックなスタイルが中心だが、今季はパリコレクションで発表している、コム デ ギャルソンに通ずるようなパワフルでダイナミックなデザインも目立ち、とっておきのドレスが見つかる。コム デ ギャルソン 青山店・丸の内店、ドーバー ストリート マーケット ギンザなどで購入可能。
光沢のあるドレスのスカート部分はプリーツになっていて、まるで制服のよう。二重になった極端に大きなサテンの襟がパンチを加えている。
コム デ ギャルソンではおなじみの花柄のケミカルレースから、まるで裏地がのぞいているかのようなドレス。同素材のジャケットもある。
サテンのドレスには、袖山が切りっぱなしになったパフスリーブがついている。中にチュールが入っているのでかなりのボリューム。
光沢のある素材とチュールがラッフルとなって重なり合う。
COMME des GARÇONS GIRL(コム デ ギャルソン・ガール)
ガーリーを極める
メンズブランド、コム デ ギャルソン・シャツ内で展開していたウィメンズラインを独立させ、2015年春夏にスタート。フリルやリボンを多用し、ふんわりとしたシルエットがメインで、ブランド名に掲げられているようにガーリーな要素を極端と言えるほど表現している。渋谷パルコ、コム デ ギャルソン 青山店・丸の内店、ドーバー ストリート マーケット ギンザなどで手に入る。
アニメを思わせるタッチのリボンをかたどった合成皮革のバッグは存在感抜群。色違いで黒も展開する。
スポーティなメッシュ地のスカートの裾にはオーガンジーの細かなフリルがあしらわれている。ふんわりと膨らむシルエット。
ベーシックな綿ブロードのブラウスにはサテンの大きな襟がつく。コム デ ギャルソンの定番、水玉柄はブランドらしいピンクに。
ラッフルで覆われたチェックのエプロンドレス。シンプルな白Tシャツの上に。
BLACK COMME des GARÇONS(ブラック・コム デ ギャルソン)
アイコニックなピースを手頃な価格で
2009年スタート。コム デ ギャルソンで長きにわたって支持を得ている定番的なデザインを、黒をメインにユニセックスで展開している。ワードローブに合わせやすいベーシックアイテムを中心としたラインナップで、手頃な価格設定もうれしい。取扱店舗は表参道・ジャイルと東京ミッドタウンにあるトレーディング ミュージアム・コム デ ギャルソン、ドーバー ストリート マーケット ギンザなど。
ウエストゴムのプリーツスカートはコム デ ギャルソンの定番ともいえるアイテム。サテン生地で表情に変化をつけている。
時代を超えてはき続けることができるジョッパーズパンツも、コム デ ギャルソンの名品。上品な光沢のウールギャバジン製。
肉厚のポリエステルツイルにあとから洗いをかけるのは、ブランドではよく用いられる手法。王道の黒ジャケットこそこだわりの素材で。
多くのファンを持つシンプルなブラウスも展開。こちらはポリエステル生地。
JUNYA WATANABE(ジュンヤ ワタナベ)
ランウェイの代表作を日常に着る
1992年より渡辺淳弥がデザイナーを務め、パリ・コレクションで発表している。今季のテーマは「ニューロマンティックの若者が未来に来てジュンヤ ワタナベの服を着る」。テーラリングや複雑なパターン、ベーシックなアイテムの解体再構築など、ブランドらしいものづくりに80年代のムードを加味した。コム デ ギャルソン 青山店、ドーバー ストリート マーケット ギンザ、伊勢丹新宿店などで展開。
プリーツが施されたスタンドカラーのドレスはニューロマンティックのアーティストのスタイルを思わせる。アクセサリーの重ねづけが合う。
イタリア発のブランド「ASH」とコラボレーション。レザーの厚底スニーカーにパールやチェーンが絡み合う。
ブランドの代名詞、デニムをたっぷりと用いたジャケット。ジージャンのような形を成しているが、はっきりとした袖のようなものはない。
日本のオートバイ用品メーカー「KOMINE」のモーターサイクルジャケットを解体再構築。
noir kei ninomiya(ノワール ケイ ニノミヤ)
繊細なディテールを堪能する
二宮啓が2012年より手がける。クチュールライクなテクニックとフェミニンなムードが特徴で、今季のテーマは「MYSTIC FORCE(不思議な力)」。「変わったイメージや不思議なものを見たときの高揚感やポジティブなエネルギーを表現した」という。コム デ ギャルソン 青山店・丸の内店、表参道・ジャイルと東京ミッドタウンにあるトレーディング ミュージアム・コム デ ギャルソンなどで展開。
ハーネスはブランドを象徴するアイテム。ナイロンオーガンジーのリボンをポリウレタンの板に編み込んで形成されている。
オーガンジーにチュールが施された透けるブラウスは、ボリュームのある袖がポイント。レイヤードスタイルに活用したい。
チュールとオーガンジーを組み合わせたジャンパースカート。ストラップの太さをアシンメトリーにすることでひねりを加えた。
今季のキーカラー、ブルーのスカート。サテン生地にチュールを重ね構築的な形に。
アートとの化学反応を楽しむ
デザイナーは栗原たお。2022年春夏にトリコ・コム デ ギャルソンからブランド名を変更した。今季はリボンにフォーカス。グラフィックだけではなく、帯状にした生地を結ぶなど、服づくりのテクニックにも反映されている。また、栗原はアーティスト、SHUN SUDOの思想に感銘を受け、彼の作品を多くのアイテムに用いた。伊勢丹新宿店、日本橋三越本店、西武渋谷店などに店舗を構える。
フリルつきのストライプのシャツドレスに、SHUN SUDOの「ボタンフラワー」と「LOVE」をちりばめて。ハート柄も潜ませ、多様な表情に。
「ボタンフラワー」は水玉とも融合。SUDOは「二つの生地をひとつに留める」ボタンが「絆」「未来への希望」を表すと考える。
SHUN SUDO の代表作「ボタンフラワー」がボーダーに重ねられている。胸もとには今季のテーマを表すリボンのディテールが。
本コレクションのためにSHUN SUDOが描き下ろした作品がプリントされた布製トート。