日本庭園と最旬モードが出合ったら？ 舞台は、香川県高松市に位置し、国の特別名勝にも指定されている栗林公園。雅趣に富んだランドスケープを新たな視座から捉え、モダンな装いで呼応したい。
ロエベ
咲き誇る花が映えるミニマリズム
クロップド丈のハンティングジャケットは、裾にかけて広がる台形のシルエット。中には量感のあるパデットシャツを重ね、研ぎ澄まされたなかに小気味よいギミックがきいている。パンツはブーツと一体化し、ウェーダーのように。華やかな梅の木とシックなスタイリングとの対比も堪能したい。
プラダ
美しさの本質を問いかける
「TOUCH OF CRUDE」をテーマにした今季のプラダ。バックスタイルには裂けたようなオープンディテールを採用した。あらかじめ均一ではない折り目が施され、人工的なデザインと偶発的な美しさとのはざまを揺らぐ。優美な光を浴びて、素材の光沢感もよりドラマティックに際立つ。
イッセイ ミヤケ
スカルプチュアルな造形がカギ
やわらかな表情を見せるセットアップにはプリーツが波紋のように施され、枯山水を思わせる佇まいに。彫刻の形をインスピレーション源に、スリーブやパンツも有機的なラインを描く。新緑のようなみずみずしいカラーは池の反射とも呼応して、新たなランドスケープを描き出す。三宅一生のフィロソフィを継ぎ、次世代のイメージを紡いで。
ドリス ヴァン ノッテン
手仕事のニュアンスを重ねて
歴史ある日本家屋とマッチするのは、服を纏うことのプリミティブな喜びにフォーカスしたドリス ヴァン ノッテン。クラフト感あるアシンメトリーのクロシェトップスは、ラフな編み地が特徴。裾が切りっぱなしになったスカートも、淡く清らかな色合わせによって、粗野なムードに転ばない。
ヴァレンティノ
フェザーを揺らして舞いたい
卓越した職人技が宿るテーラリングは、クチュールライクなフェザーを組み合わせて、都会的に昇華。和船に身を任せ、陸を離れる瞬間のように、日常世界からファンタジーへと誘うフックに。鮮やかなカナリアイエローは、自然のなかで目に留まる存在感を放つ。
ミュウミュウ
複雑さとともに生きる
曖昧なトーンの掛け合わせに、人間の奥深さを重ねたミュウミュウのクリエーション。袖やスカート、身頃にあしらわれたスパンコールは、着る人を凛と引き立てる。
特別名勝 栗林公園
国の特別名勝に指定された文化財庭園の中では日本一の大きさを誇る回遊式庭園。300年ほど前の江戸時代に完成し、四季折々の風物を観賞できる。紫雲山を背景に、和船で周遊できる南湖をはじめとした6つの池と13の築山が雄大。数寄屋造りの掬月亭などの茶屋もあり、移ろう自然に溶け込むような時間を過ごしたい。
香川県高松市栗林町1の20の16
087-833-7411
開園時間：5時30分～18時30分（4月）※月によって変動
年中無休
入園料：大人￥410
https://www.my-kagawa.jp/ritsuringarden
