お茶を巡る、まほろばへの旅
太古の記憶を宿す、奈良の大地。そこは日本の原点ともいえる茶文化が息づく場所だ。自然とともに生きた大和人たちの暮らしにふれるとき、私たちの眠っていた五感が目を覚ます。4人のスタイリストが、自然界を賛美するスタイリングとともに、未来をつなぐひとつの物語を描き出す。
Kayo Yoshida
「子どもみたいに大地に寝転がり、草木の濃厚な根の香りを嗅ぐ。自然から生まれたような、ピュアな女性をイメージしました」
「自然界から受ける驚き、感動、その雑味の美をも、誌面に香らせたかった」と吉田佳世さん。自然と同じ目線で呼吸をしていた幼少の頃の記憶をたどる。
Naoko Shiina
「口にした瞬間に広がっていく、味に対する悦び。それを光のプリズムやハレーション、被写体の動きで描きました」
Tomoko Iijima
「人と人とのつながりを象徴する"さわる"という感情的な感覚。信頼のできる相手、正義感の強い女性を思い浮かべました」
人や家を守る、凛とした女性像を目指したという飯島朋子さん。"触れる"ことで生まれる安心感、信頼感を肌ざわりのよいナチュラル素材の服で表現した。
Natsuko Kaneko
「奈良の田園風景、暮れゆく空の色。日本古来の色彩に染まり、その景色と調和し共存する。そんな人を想像しました」
万葉人たちが歌った自然界の色の奥行き。そんな先人の心の機微に思いを馳せるかのように、花モチーフのアイテムを用いて表現した金子夏子さん。