【気温5〜15度】秋から冬の変わり目に最適なファッションは? 11〜12月の気温別コーディネートを天気&服のプロが解説

涼しい秋も束の間、一気に寒さが増す本格的な冬もそろそろ到来。日本気象協会の気象予報士、安齊理沙さんとスタイリストの山﨑静香さんのアドバイスが参考になる「気温別コーディネート」の11〜12月編。気候から導く快適な服装や、オフランウェイに見る最旬の秋冬スタイルなど、これから衣替えを控えている人にも、ワードローブをスムーズに移行するためのヒントが満載。

涼しい秋も束の間、一気に寒さが増す本格的な冬もそろそろ到来。日本気象協会の気象予報士、安齊理沙さんとスタイリストの山﨑静香さんのアドバイスが参考になる「気温別コーディネート」の11〜12月編。気候から導く快適な服装や、オフランウェイに見る最旬の秋冬スタイルなど、これから衣替えを控えている人にも、ワードローブをスムーズに移行するためのヒントが満載。

山﨑静香プロフィール画像
スタイリスト山﨑静香

2021年に独立し、現在は雑誌やweb媒体、広告のスタイリングを担当。2022年冬から「ヤエ」のディレクターとしても活躍している。大人エレガントな要素のあるビッグシルエットのスタイリングを得意とし、秋冬シーズンはロングコートやオーバーサイズのジャケットを主役にした着こなしを楽しんでいる。

安齊理沙プロフィール画像
気象予報士安齊理沙

日本気象協会が運営する天気予報専門メディアtenki.jpの運営メンバー。季節や気温別のコーディネートについて、気象予報士目線で紹介する記事や動画に出演している。https://tenki.jp/

【2024年・東京の月平均気温】から読み取る、11〜12月のコーディネートのポイント

2024年東京の月平均気温のグラフ
参考資料:気象庁「過去の気象データ検索」 https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/

おしゃれと快適さを両立するためには、毎日の天気予報や気温をチェックし、それを基準にしたスタイリングを考えることが肝心だ。まず押さえておきたいのが、天気予報でよく耳にする最高気温と最低気温の定義。日本気象協会に属する気象予報士の安齊理沙さんによると、気温は1分ごとに計測され、1日の中で最も気温が高い時間と低い時間の温度が観測値として公表されるそう。

「最高気温は昼の13〜14時くらいに出ることが多く、最低気温は明け方の時間に出ることが多いです」。昨年の東京で観測された平均気温のグラフを見ると、10月から11月にかけては最高気温と最低気温ともに7度ほど下がり、12月に至っては最高気温が15度以下、最低気温が真冬並みの5度以下まで急降下する。秋から冬へと移行する12月はまだ本格的な寒さに体が慣れていないタイミングだからこそ、毎日チェックする気温や自身の体調に合わせて、しっかりと防寒対策を講じていくことが重要だ。

気温と服装の目安をチェック!

気温別の最適な服装のグラフ

Photo:Getty Images

日中は最高気温が15度を上回り、長袖でちょうどいい11月も、朝晩は10度前後までぐっと冷え込む。基本的にはカットソーやニットなどの長袖トップスを着用し、寒く感じた際にはブルゾンやカーディガンといった、さっと脱ぎ着しやすい軽量なアウターが活躍する。

「寒さにまだ慣れていない時期でもあるため、1年を通して12月はいちばん暖かい服装を心がけたいシーズン。たとえば、厚手のニットの上に、保温性の高いコートや、年を跨いで1月にも頼れる中綿入りのダウンなどを羽織るのが理想的です」と安齊さん。さらに、洋服でカバーできない部分は、ニット帽やマフラー、手袋、ブーツなどの暖かい小物を必要に応じて取り入れるなど、体調が崩れやすい時期だからこそ、日頃から万全な体温調整を心がけたい。

【気温5〜15度】に対応するコーディネートを厳選

11月の最高気温15度、同月の最低気温と12月の最高気温10度、12月の最低気温5度に分けて、それぞれの気温に適したオフランウェイのスナップを厳選。スタイリストの山﨑静香さんによるコメントとともに紹介する。

【15度に最適なコーディネート】

サイズやシルエットで差をつけるミニマルな装い

薄手のカーディガンを羽織ったモノトーンルック
Photo:Getty Images

11月の日中の気温15度前後に最適な、薄手のカーディガンを羽織ったモノトーンルック。「マットな質感のパフスリーブの羽織りやフレアシルエットのパンツなど、エレガントなディテールのアイテムを掛け合わせて、シンプルな配色でありながらも目を引くスタイリングに。そこに、あえて軽やかなカゴバッグを取り入れた意外性にもときめきました」。

カジュアル派はトラックジャケットを選択

トラックジャケットを着用したスナップ

Photo:Getty Images

コンパクトなトラックジャケットを絶妙なバランスで着こなした彼女は、今季も引き続きトレンドのスポーツミックスのお手本に。「合わせたアイテム自体はスタンダードなものばかりですが、袖口や裾からハリのあるシャツの一部をのぞかせていたり、デニムはロールアップして抜け感を出していたりと、さまざまな要素を組み合わせてこなれ感を演出するのが上手。ナチュラルにカラートーンも統一されていて、細部まで抜かりないです」。

今すぐ実践したい、スウェットの肩掛けスタイル

コットン素材のジャケットを着用したスナップ

Photo:Getty Images

秋本番は、トレンチコートやカバーオールなどのコットン素材のジャケットが大活躍。肌寒い朝晩の温度調整にも適したスウェットシャツは、ラフに肩に掛けるだけで差し色としての効果も発揮。「カーディガンの肩掛けは馴染みがありますが、色鮮やかなスウェットを使うというのが新鮮! 手持ちのアイテムで簡単に真似できそうなのもいいですね」。

トレンドアイテムを取り入れてガーリーな雰囲気に

ピンクのコートを着用したスナップ

Photo:Getty Images

涼しく過ごせる11月は、トレンドの膝下丈のボトムも取り入れやすい時期。ビッグシルエットのジャケットを合わせれば、ボリュームのコントラストがひときわ目を引く。「甘めな襟付きカーディガンを仕込んでいたり、大ぶりのコサージュやシュシュを身につけていたりと、端正なシルエットのノーカラージャケットにガーリーな要素を加えて味変。本格的な冬が来る前に、こんなふうに脚を見せたスタイリングも楽しみたいです」。

【10度に最適なコーディネート】

シアー素材を組み合わせニットのほっこり感を回避

ローゲージニットを着用したスナップ
Photo:Getty Images

気温が10度まで下がれば、1枚でもしっかりと暖かいローゲージニットが楽しめる。ヒップまですっぽりと隠れるオーバーサイズは、軽やかな足もとに仕上げるとバランスよくまとまる。「Iラインのシアースカートを合わせることで、カジュアルな着こなしながらエレガントさも漂わせている。一見スポーティなスニーカーかと思いきや、ヒールデザインを選んでいるのにも彼女の個性やこだわりを感じます」。

定番のトレンチコートを自由な感性でまとって

カーキのトレンチコートを着用したスナップ

Photo:Getty Imagesa

ヴィンテージライクなトレンチコートに、ライトブルーのシャツやピンクのサテンブラウス、イエローのスラックスを組み合わせた大胆なミックス&マッチ。「色や素材、テイストなど、異なるムードをたっぷりとレイヤードしながらも、どれも薄手のアイテムゆえ軽やかな印象へと着地。トレンチコートはベーシックカラーが多いので、色を加えると華やかに仕上がります」。

ジャケットを重ねて秋らしい色彩を満喫

赤いジャケットを着用したスナップ

Photo:Getty Images

ウールやニットの赤、コーデュロイやスエードのブラウンなど、マットな色とファブリックを組み合わせ、季節感たっぷりに。中に着たグリーンの千鳥格子柄のジャケットは、よく見ると片襟と片袖だけを表に出している。「クラシックなジャケットをあえてラフに着崩して、こなれ感をプラス。手持ちのジャケットを使ってリアルにトライできそうなところがいいですね」。

おしゃれに温度調整がかなうアウターのレイヤード

レザーブルゾンを着用したスナップ
Photo:Getty Images

秋冬らしいベーシックカラーの着こなしは、いかにメリハリをつけるかがファッショニスタの腕の見せ所。ビッグサイズのテーラードジャケットにレザーブルゾンを重ねたレイヤードテクニックが光る。「2枚のアウターで旬のボリューム感を強調して。気温に応じて、どちらか1枚を脱げば外出先で温度調整もしやすい。インナーにはキャミソールを忍ばせ、重く見えすぎないようにバランスを取っているのもポイントです」。

【5度に最適なコーディネート】

オーバーサイズコートは明るい色を選んで軽やかに

ブルーのウールコートを着用したスナップ
Photo:Getty Images

12月に観測される気温5度以下はぐっと冷え込むため、厚手でたっぷりと中に着込めるウールコートが頼りに。「フーディを仕込んだ頭から膝下までのボリュームのあるシルエットに対して、ブラックタイツを合わせた細身の足もとのコントラストが効いている。爽やかなターコイズを選んで、軽やかに着こなしているのが素敵です」。

冬小物によって完成するモダンなカラーパレット

イエローのコートを着用したスナップ
Photo:Getty Images

冬だからこそ楽しめる起毛感のあるロングコートは、優しいバターイエローをセレクト。洋服だけでは寒さ対策がままならない場合は、首もとや手もとを暖める小物も積極的に取り入れて。「スムースな質感の革小物を合わせ、華やかかつクリーンな仕上がりに。中に着たハイゲージのカーディガンは、スタイリング次第で秋から冬まで長く使えるので、早めにワードローブに加えたいです」。

キュートな防寒具! この冬も注目したいバラクラバ

バラクラバを着用したスナップ

Photo:Getty Images

数年前に一躍トレンドとなったバラクラバは、 今や冬小物の定番に。グレーのベーシックなコートに合わせることで、もこもことしたキュートな質感とピュアな白の魅力を際立たせた。「ベルトやバッグ、ロングブーツに至るまでブラウンのレザーに統一することで、ミニマムな装いながら個性あふれるスタイルに昇華しています」。

変化球ダウンを上品なムードで着こなして

ダウンを着用したスナップ

Photo:Getty Images

気温5度を下回る季節は、保温性の高い中綿入りダウンの出番。「パフィーなダウンジャケットの迫力に負けない、チェック柄のロングマフラーを巻いてアクセントに。足もとにもボリュームのあるブーツを取り入れるなど、小物使いがユニークな彼女。そこに、あえて細身のスキニーパンツを合わせ、シルエット全体に緩急をつけることでモダンな印象に導いています」。

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