美青年オーランドーが突然女性へと変貌し、300年以上にわたって生き続けるというヴァージニア・ウルフの小説『オーランドー』(1928)。その一節を引用しながら、多くのデザイナーのインスピレーションをかき立てる名作の魅力に迫るファッションストーリー。

ヴァージニア・ウルフが『オーランドー』の装いを通じて描いたこと
美青年オーランドーが突然女性へと変貌し、300年以上にわたって生き続けるというヴァージニア・ウルフの小説『オーランドー』(1928)。その一節を引用しながら、多くのデザイナーのインスピレーションをかき立てる名作の魅力に迫るファッションストーリー。
ヴァージニア・ウルフが装いを通じて描いたこと

おがわ きみよ●上智大学外国語学部教授。著書に、『オーランドー』を取り上げている『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』(岩波新書)など。刊行100周年を迎えたウルフの代表作『ダロウェイ夫人』の記念論集でもオーランドーとドレスの関係について言及予定。
なぜファッションは『オーランドー』を愛するのか
これまで数多くのファッションデザイナーたちを魅了してきた『オーランドー』。それはいったいなぜなのか。服飾に関する資料を収集・保存し、研究・公開している京都服飾文化研究財団(KCI)のキュレーター、石関亮さんと五十棲亘さんに話を聞いた。

いしぜき まこと●京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。2001年よりKCIに勤務し、’11年キュレーターに就任する。『ドレス・コード?──着る人たちのゲーム』展(’19)で西洋美術振興財団賞・学術賞を受賞。

いそずみ せん●神戸大学大学院人間発達環境学研究科博士課程前期課程修了。2022年よりアシスタント・キュレーターとしてKCIに勤務。『ファッションセオリー──ヴァレリー・スティール著作選集』では共訳を担当。