【夏のカラーコーディネート21選】配色のコツは? 着こなしTIPSをスタイリスト山﨑静香さんが解説

梅雨が明け、瞬く間に猛暑が到来。気分が上がる装いを楽しみたいけれど、暑さから必然的に薄着になるこの季節は、どんなコーディネートをするのが正解? 本記事ではスタイリングの主役になるレッド、ブルー、ピンクなど、夏のカラーアイテムを着こなしたファッションラバーのスナップを厳選。スタイリストの山﨑静香さんがそのポイントを解説する。

梅雨が明け、瞬く間に猛暑が到来。気分が上がる装いを楽しみたいけれど、暑さから必然的に薄着になるこの季節は、どんなコーディネートをするのが正解? 本記事ではスタイリングの主役になるレッド、ブルー、ピンクなど、夏のカラーアイテムを着こなしたファッションラバーのスナップを厳選。スタイリストの山﨑静香さんがそのポイントを解説する。

山﨑静香プロフィール画像
スタイリスト山﨑静香

2021年に独立し、現在は雑誌やweb媒体、広告のスタイリングを担当。2022年冬から「ヤエ」のディレクターとしても活躍している。自身の初夏の着こなしにも真っ赤なトップスや色石のジュエリー、スカイブルーのワンカラーネイルなど、鮮やかな色を難なく取り入れ、その巧みなバランス感覚に定評がある。

個性を醸す【レッド】こそ大胆にトライ!

装いの主役にも、絶妙なスパイスにもなる「レッド」。鮮烈な赤や深みのあるチェリーレッドなど、カラートーンを揃えながら、洋服から小物まで広範囲にちりばめるのが、おしゃれ上級者の共通点。

相反する配色で中和させる夏の赤

レッドワンピーススナップ
Photo:Getty Images

爽やかな水色を掛け合わせ、パンチのある赤の印象を和らげて。「スタンダードな半袖のシャツに重ねることで、日常でも気負いなく楽しめる。端正なシャツとレディなワンピースというテイストが異なるレイヤードも、小物を含めて2色で抑えているのでバランスよくまとまっています(スタイリスト山﨑静香、以下同様)」

カジュアルを一新する白と赤のコントラスト

レッドスカートスナップ
Photo:Getty Images

トレンドのバミューダパンツも鮮烈な赤なら、より新鮮に。「彼女のようにパンツとバッグ、シューズなど、物理的に近い距離にまとめると彩度高めな赤も取り入れやすい。アイテム自体がカジュアルになりやすい夏こそ、色でインパクトを出したいです。Tシャツのロゴの一部と赤をリンクさせているのも小粋ですね」

深みのあるチェリーレッドをちりばめて

レッドトップス スナップ

Photo:Getty Images

カットソーとバッグ、サンダルにもレッドを効かせて、さりげなく統一感を演出。「夏はラフなムードのボーダーが着たくなる! 彩度が低い少しダークな赤でそろえているので、彼女のようにクロップド丈でウエストを肌見せしたり、ボトムは黒ではなく白を選択したりと、抜け感を意識するのがおすすめです」

爽快なアクセントを添える【ブルー】を味方に

見た目にも涼しげな「ブルー」は、暑い夏にぴったり。モードに着こなすなら、スタイリングにメリハリが生まれるビビッドカラーや小粋なグラデーションの配色に挑戦して。

洗練された印象を与えるトーンオントーン

ブルーのワントーンスタイル スナップ
Photo:Getty Images

デニムのディテールがプリントされたユニークなドレスで、縦長シルエットが際立つセンシュアルな着こなしに。「濃淡異なるブルーのグラデーションが上品。薄手のカーディガンは朝晩の冷えや室内のエアコン対策にも持っておくと安心なうえ、パキッとした色を選べばスタイリングのアクセントにもなってくれますよ」

定番の色合わせは変化球シルエットで遊ぶ

ブルーのシャツを着用したスナップ
Photo:Getty Images

全身ミュウミュウで同ブランドのショー会場に訪れた彼女は、ライトブルーのクラシカルなシャツをセレクト。「オフィスコアがトレンドの今、制服のようなブルーシャツが気になります。気品あるネイビーのスカートを合わせ、上下の色の流れやメリハリのあるシルエットを意識したバランスが今っぽい! 細部に効かせた白も軽やかに見せるポイントです」

ベーシックスタイルにモダンな差し色使いが光る

ブルーの小物を着用したスナップ
Photo:Getty Images

洋服に鮮やかな色を取り入れるのが難しいと思う人は、小物から始めてみるのもおすすめ。「海や空など自然界にある色だからか、ベーシックカラーの着こなしに意外にもすんなりと馴染む青いアイテム。よく見るとヘアゴムまでブルーなところに、おしゃれ上級者のこだわりが感じられます」

【イエロー】は異なるトーンで印象を操って

ポジティブな「イエロー」で夏の陽気なムードを満喫。ブライトトーンなら旬のスポーツミックスと相性抜群! 2025年春のトレンド、ソフトなバターイエローの人気も継続中。

引き続き旬のバターイエローを全身で満喫

イエローのシャツを着用したスナップ
Photo:Getty Images

今年の春、トレンドに躍り出たバターイエローの人気は夏も継続。クリーンで柔らかい色合いは、潔く全身でトライしたい。「ともすればぼんやりとした印象になってしまいがちなワントーンスタイルは、小物使いが重要な鍵。ハードなベルトをのぞかせるひと技で、全体が引き締まった印象に仕上がります」

ビタミンカラーが映えるスポーツミックススタイル

イエローのラグビーシャツを着用したスナップ
Photo:Getty Images

ルーズなラガーシャツとカーゴパンツを合わせた着こなしに、ハイヒールのサンダルでエレガントなはずしを加えたミックススタイルの達人をキャッチ。「エネルギッシュなイエローはスポーティなテイストと親和性が高く、一点投入するだけで旬のムードを取り入れられるのが魅力です」

柔和な色に溶け込むペールトーンを選択

イエローのパンツを着用したスナップ
Photo:Getty Images

明度の高いペールイエローは光の当たり具合でクリームカラーのようにも見えて肌馴染みがよく、ベーシックカラーと相性抜群。「ライトベージュのサマーニットや白い小物を合わせて、爽快で夏らしいスタイリングに。あえて締め色を使わず、ヌーディにまとめた配色に大人の余裕が感じられます」

着こなしの主役に旬の【グリーン】を抜擢

今季のトレンドカラーに躍り出た「グリーン」は、ワイドボトムやワンピース、シャツなどの主役級アイテムで取り入れて。清々しい彩りがスタイリングの鮮度を高めてくれる。

フレッシュなグリーンで細部まで彩りをプラス

グリーンのパンツを着用したスナップ
Photo:Getty Images

ハンサムなトラウザーやベルト代わりに腰に巻いた紐、バッグのハンドルに巻きつけたスカーフ、よく見たら腕時計のフェイスに至るまでグリーンが満載。「青草のような瑞々しい発色が可愛い! 顔まわりに存在感の強い緑を持ってくるのはやや難易度が高いので、ボトムや小物からなら挑戦しやすいはずです」

主役を引き立てる小物の配色に注目

グリーンのワンピースを着用したスナップ
Photo:Getty Images

セージグリーンのワンピースに身を包んで。「構築的なシルエットや表情豊かなエンボス加工が施されているおかげか、単色でものっぺりした印象がなく、暑い夏に1枚で着ることを想定したアイテムの選定が秀逸。ナチュラルなラフィア素材とも相性がよく、バッグのハンドルやロゴパッチと色をそろえているのも気が利いています」

アーシーなカラーパレットがこなれた印象に

グリーンのチェック柄のシャツを着用したスナップ
Photo:Getty Images

アースカラーで仕上げたトラッドスタイルのお手本をキャッチ。「オリーブグリーンやカーキ、ブラウンといった落ち着いた色のトーンでまとめて。襟もとに白Tをちらりとのぞかせたり、ループのないパンツにベルトを締めてウエストにテンションをかけたりと、シンプルなスタイリングを格上げするテクニックも参考になります」

小粋な【パープル】はポイントで効かせる

センシュアルな魅力を放つ「パープル」。一見難しく思える色だからこそ、等身大のスタイリングに取り入れれば、ぐっと垢抜けた印象に。まずは一点投入から始めてみて。

センシュアルな紫色をヘルシーに攻略

パープルのトップスを着用したスナップ
Photo:Getty Images

パープルが放つ色気をいい意味で中和させる、ヘルシーな胸もとの肌見せがポイント。「紫と相性のいいブラックアイテムを合わせれば即座におしゃれな雰囲気が醸し出せます。良くも悪くも強い色なので、カジュアルな装いには薄手のカットソーなど、ほどよく力の抜けた素材をチョイスして」

レトロなチェック柄がY2Kムードを薫らせて

パープルのチェック柄スカートを着用したスナップ
Photo:Getty Images

古着のようなチェック柄スカートに、ストイックなキャミソールを合わせたちぐはぐ感がユニーク。「カラー自体はダークトーンの掛け合わせも、軽い着心地のアイテムでまとめると重い印象を回避できるという好例です。ウェスタンブーツはボリュームがあり、着こなしの引き締めとして一役買うので、ぜひ夏にも履いてみては」

ドレッシーな装いに濃淡異なるパープルが好相性

パープルのロングスカートを着用したスナップ
Photo:Getty Images

配色のバランスが絶妙なルック。「葡萄色やラベンダーカラーなどの同系色でグラデーションを作ると、ひときわインパクトのある着こなしに。プリーツスカートの淡いトーンに近いピンクのシャツは、腕にさっと通して、すぐに羽織れる実用性とエレガンスを両立。カラフルでありながら、スタイリングの妙によってシックなムードも漂います」

アイテム選びがカギを握る【ピンク】

フェミニンなムードを漂わせるピンクは、甘くなりすぎないサイジングや素材を重視して選ぶのが正解。シックなベーシックカラーを掛け合わせた大人の着こなしをレコメンド。

旬の配色とサイジングにセンスが垣間見える

ピンクのロングスカートを着用したスナップ

Photo:Getty Images

レーススカートと超オーバーシルエットのTシャツをレイヤード。「風に揺れるしなやかな素材なら、服の中で体が泳ぐサイジングでも野暮ったく映らず華奢見えします。ビッグロゴや大粒のパールネックレスなどのキッチュな要素が、レースの甘さを中和させるスパイスに。バッグで取り入れたレッド×ピンクも、今季真似したい配色のひとつです」

淡いピンクの一点投入で大人の余裕を感じさせて

ピンクのシャツを着用したスナップ

Photo:Getty Images

オフィスルックを想起させるハンサムなシャツとスラックスの装いにピンクをオン。「コーディネートの主役として取り入れるときは、肌見せ具合を調整しやすいシャツが便利。胸もとをざっくりと開き、シャープなVラインを描くことで、可愛らしい印象の色も上品に取り入れることができます」

個性派シューズで彩る足もとに視線が集中!

ピンクのクロックスを履いたスナップ

Photo:Getty Images

オフホワイトのデニムセットアップにウエスタン調のバッグを携えて。鮮やかなピンクのクロックスを合わせることで、シンプルなサファリルックに意外性をプラス。「個性的な小物を加えるなら、カラーも思いっきり遊びたい! その他のアイテムを落ち着いた色に抑えて、自然と足もとに視線を誘導させるテクニックが見事です」

ワントーンで楽しむ【ホワイト】の魅力

ベーシックな「ホワイト」は、定番ゆえに取り入れ方次第でその人のセンスが浮かび上がるカラー。さまざまな白を掛け合わせた、モダンなオールホワイトルックをこの夏の参考に。

異なる風合いでオールホワイトを表情豊かに

ホワイトのワントーンスタイル スナップ

Photo:Getty Images

トレンドのちびTシャツと同様に、ベストもコンパクトサイズをチョイス。「ピュアな純白と生成りのようなオフホワイトを重ねて。メリハリをつけると定番のオールホワイトルックも今年らしく仕上がります。一見シンプルに思えるコーディネートですが、トップとボトムのサイジングの選定や配色のコントロールも完璧!」

組み合わせの妙が際立つシンプルルック

オールホワイトのスナップ

Photo:Getty Images

白が基調のミニマルなコーディネートを、のっぺりとした印象に見せないコツは? 「トップとボトムで異なる色みを合わせたり、シルバーのシューズで意外性のあるテクスチャーを加えたりと、スタイリングに奥行きをもたらす工夫が重要。街中で映える立体感のある着こなしが完成します」

カジュアルな白Tにガーリーなスカートが調和


モデルやブロガーとして活躍するリース・ブルスタインは、7月上旬の投稿でオールホワイトルックを披露。無地の白Tシャツに、レースや花柄の切り替えスカートを合わせた。「白は手持ちのアイテムを自由に組み合わせるだけでサマになる、夏のおしゃれ欲を掻き立てる色。適度な肌見せや足もと一点のみに黒を添えるなど、スタイリングがぼんやりしないよう引き締める小技にも注目です」