パリ在住ファッションデザイナー、大森美希さんが愛用するモードな黒バッグとその中身を拝見!

さまざまな業界で活躍するファッションラバーが、お気に入りのバッグと必需品を紹介する連載「おしゃれな人のバッグの中身」。第13回は、パリ在住のファッションデザイナー、大森美希さんにフォーカス。ユニークなシルエットが目を引くメリッタ・バウマイスターのバッグとともに、気になるその中身を教えてもらった。

さまざまな業界で活躍するファッションラバーが、お気に入りのバッグと必需品を紹介する連載「おしゃれな人のバッグの中身」。第13回は、パリ在住のファッションデザイナー、大森美希さんにフォーカス。ユニークなシルエットが目を引くメリッタ・バウマイスターのバッグとともに、気になるその中身を教えてもらった。

大森美希プロフィール画像
大森美希

服飾学校での教員を経て渡仏。海外在住歴は25年。バレンシアガ、ランバン、ニナ リッチ、コーチなど、ラグジュアリーブランドでウィメンズウェアのデザイナーを歴任。現在はランバンでウィメンズウェアのデザイナー、パーソンズ・パリ(パーソンズ美術大学のパリ校))で修士課程のアソシエイトディレクターを務めている。リック・オウエンスの2025年春夏コレクションのランウェイショーではモデルを務めるなど、活躍の場を広げている。

ドーバー ストリート マーケットで購入した、メリッタ・バウマイスターのバッグを愛用中

メリッタ・バウマイスター バッグ

バッグ/メリッタ・バウマイスター、ジャケット/コム デ ギャルソン・コム デ ギャルソン、ドレス/シモーン・ロシャ、スカート/コム デ ギャルソン、シューズ/ノワール ケイ ニノミヤ×レペット

ファッションデザイナーやパーソンズ美術大学の講師として活躍する大森美希さん。彼女が通勤バッグとして愛用しているのが、ニューヨーク発のファッションブランド、メリッタ・バウマイスターのバッグだ。「理想の仕事バッグを探していたのですがなかなか見つからず、ようやく最近、パリのドーバー ストリート マーケットで出合い購入しました。個性的な見た目に惹かれたのはもちろん、仕事用なので機能性も重視。リアルレザーを使用しているのに、見た目以上に軽いんですよ。ラップトップのパソコンが入ること、肩にかけられる長さの持ち手であること、そんな希望の条件も叶いました」。

華やかな装いに、エッジのきいたバッグの組み合わせが相性抜群。上下花柄を組み合わせた、独自の世界観が光るスタイリングにも注目だ。「クロスボディバッグとして持つときは、上部を折りたたむと、ひと味違った印象が楽しめるんですよ。スタイリングは、NY在住のファッションジャーナリスト、リン・イェーガーを参考にすることが多いです。コム デ ギャルソン・コム デ ギャルソンのジャケットと、シモーン・ロシャのドレスで仕上げた花柄の重ね着は、今一番気に入っている組み合わせ」。

今年の2月、「どうも、出遅れましたが私もロマンティックおばさんです」という文章とともに、花柄を華麗に着こなす写真をXに投稿し、話題を呼んだ大森さん。そんな彼女だが、柄物やピンクを取り入れるようになったのは50代になってからだという。
「昔からコム デ ギャルソンが大好きで、生き方や哲学を服に反映している川久保玲さんのことはずっと尊敬していました。ただ、ラグジュアリーブランドのデザイナーを務めてきたので自分がデザインした服を着ることが多かったんです。それに、川久保さんの服に見合った中身の人間になるには時間がかかると思っていたので、若い頃は人間を磨こうと頑張ってきました。40代でやっとコム デ ギャルソンの服を着られるようになりましたが、本当に自信を持って着こなせるようになったのは、50歳を過ぎてから。今は思う存分コム デ ギャルソンの服をまとい、大胆な色や柄物も自由に取り入れて楽しんでいます」。

自分の“好き”が詰まったこだわりのアイテムが勢揃い

メリッタ・バウマイスター バッグ バッグの中身

(左上から時計回りに)カタログ/Balenciaga by Demna展で配られたもの、書籍/『ジャンヌ・ランバン』、書籍に挟んだしおり/パリの文房具店で購入、トレース台ライトテーブル/エリス、ペーパーフォルダー/エグザコンタ、蛍光ペン/スタビロ、PCケース/ピジャマ、財布、キーケース、ポーチ/ウォレット・コム デ ギャルソン、バッグ/メリッタ・バウマイスター、マグ/モノプリで購入、クリアファイル/中原淳一展で購入、ポーチ/ダイソー、サングラス(上)グッチ、(中)フィービー ファイロ、(下)ミュウミュウ

ウォレット・コム デ ギャルソンで揃えたスモールレザーグッズや、ユニークな形のサングラスなど、通勤バッグの必需品にはこだわりのアイテムが並ぶ。「デザイナーと講師のダブルワークですが、仕事は職場で完結させるようにしているので、必ず持ち歩いている仕事道具はパソコンくらいですね。デザイン道具は、自宅でどうしてもやらなければならないときだけ、持ち帰るようにしています」。

デジタルとアナログが共存する仕事道具

PCケース ピジャマ

「仕事上、パソコンは必需品で、旅行中でも常に持ち歩いています。ミラノで購入したPCケースは、デザイナーのモニカ・バティステラと建築家のセルジオ・ゴッビが設立したイタリアのブランド、ピジャマのものです」。

トレース台ライトテーブルや蛍光ペン、シャープペンシル、消しゴムは、デザイン画を描く際に使用している。デジタル化が進む中、今でも大森さんは手間を惜しまずクラシックなスタイルでデザイン画を手がけているそう。「今はみんなiPadでデザイン画を描いているのですが、私はアナログな道具で描く方が好きなんです。仮縫いが始まっている最中に変更が発生することもあるのですが、そういったときもデザイン画の修正箇所を消しゴムで消して描き直し、社内に共有しています」。

プレイフルな色合いのスモールレザーグッズ

財布 ポーチ キーケース ウォレット コム デ ギャルソン

ポーチやキーケース、財布はすべてウォレット・コム デ ギャルソンのもので、持っているだけで気分まで高揚する、鮮やかなバイカラーが特徴だ。「ポーチにはガジェット類を収納しています。パーソンズのキャンパスでよく鍵を置き忘れてしまうので、キーケースは学生たちに見つけてもらえるよう、目立つピンクを選びました。ピンクは私にとってのラッキーカラーでもあるので気に入っています。コンパクトな財布には、日本でいう健康保険証とマイナンバーカードのようなカルト・ヴィタルと、クレジットカード、現金を入れています」。

旅先で見つけたサングラス

サングラス ミュウミュウ グッチ フィービー ファイロ

サングラスはいつも旅の途中で見つけることが多いという大森さん。ミュウミュウはロンドン、フィービー ファイロはミラノのディエチ コルソ コモ、グッチはマカオへの出張の際に購入したそう。

サングラス フィービー ファイロ

「このフィービー ファイロのサングラスのように、かけると怪しい雰囲気になるデザインのものが好きなんですよね(笑)。蚤の市でも、面白そうなデザインのサングラスを買うことがあります」。

展覧会のカタログと、ジャンヌ・ランバンの評伝

カタログ バレンシアガ ランバン

バレンシアガを統括している、ケリング本社で行われた展覧会「Balenciaga by Demna」で配られたカタログ。「バレンシアガは私の古巣。フランスに渡って最初の職場なので、気になって観に行きました。パリは展覧会がたくさんあって学生にもすすめますが、自分でも必ず行くようにしていて、そこで新しいアイデアやインスピレーションを得ています」。

今年の3月に発売された書籍『ジャンヌ・ランバン』は、フランスで現存する最古のメゾン、ランバン創設者のジャンヌ・ランバンの人生と創作活動を辿る内容だ。「元ランバンのアーティスティック・ディレクター、アルベール・エルバスの下で働いていた時代があったのですが、時を経て去年の11月、再びランバンのチームの一員としてデザインができているということに縁を感じて、この本を手に取りました」。

最小限にまとめられたメイクポーチの中身

ポーチ ダイソー

メイクは基本的にあまりしないという大森さんのメイクポーチには、白残りしないジェルタイプの日焼け止め、赤みを抑えるコントロールカラー、アイライナーのほか、フランスでは誰もが常備している解熱・鎮痛剤のドリプランなどが収納されている。「90年代は赤いリップもしていたのですが、今は3秒で終わるメイクをしています。ポーチはダイソーで購入したメッシュポーチ。ファスナー式の2ポケットタイプで便利ですよ」。

大森さんのトレードマークにもなっている目の下のアイラインは、2011年頃から始めたそう。「ロレアル パリのアイライナーを気に入って使っています。ヨーロッパではアジア人の顔が覚えられにくいので、覚えてもらおうと思って髪型とアイライナーを定着させ、キャラクター化しました」。

愛らしいムーミンのカード入れ

カードケース ムーミン

「フィンランド出身のパーソンズ・パリの同僚が、ヘルシンキに帰るたびにお土産としてムーミングッズを買ってきてくれるので、そのお礼として世界各地でムーミンショップを見つけると、彼にショップの写真を送るのが習慣になっているんです。このカードケースは、ロンドンのムーミンショップで見つけて購入。パリのICカードであるナヴィゴや、職場に入るためのカードをここに入れています」。

朝ごはんは、お気に入りのカフェから始まる

カフェ パリ ヤン・クヴルー

「出勤日の朝は通勤途中でカフェに寄り、ラテやクロワッサン、パン・オ・ショコラなどを買ってオフィスで朝ごはんを食べています。新進気鋭のパティスリー、ヤン・クヴルーは、ショップのアイコンでもあるキツネが描かれたパッケージが可愛くてつい寄ってしまいます。お菓子も美味しいんですよ」。

水分補給はモノプリのマグとサンペレグリノで

マグ モノプリ

「職場の周りにスーパーやコンビニがないのと、仕事に夢中になると水分補給を忘れがちなので、この2つは意識的に水分補給できるよう必ず持参します。フランスのスーパー、モノプリで買った500mlのマグは、取っ手がついているので飲みやすくて便利。日本で買ってきたティーバッグでお茶を入れて飲んでいます」。

個性と機能性が両立した、大容量のトートバッグ

バッグ メリッタ・バウマイスター

他にはないシルエットながら、ベーシックな黒のバッグはスタイルを選ばない汎用性の高さが魅力。持ち手部分はやや長めの設定のため、肩掛けができるのもうれしいポイントだ。取り外し可能なショルダーストラップ付きで、荷物が多い日は、クロスボディバッグとしても携えることができる。「普通のトートバッグじゃないデザインがいいですよね。ナッパレザーで柔らかく、馴染みがいいところも気に入っています」。

バッグ メリッタ・バウマイスター

開口部はスナップ式の留め具になっており、荷物の出し入れがしやすい仕様。パッチポケット付きで、迷子になりがちな小物も整理できる。「マチが結構広くて、パソコンや仕事道具がすっぽりと入る収納力と実用性に助けられています」。