「ヴェトモン」のショーには路上で買ったお土産Tシャツにそっくりのプリントが登場!
'18年秋冬オートクチュール期間中に発表された「ヴェトモン」の最新コレクション。皆さまチェキラッしただろうか? グラフィックに繰り返し登場した丸字、そして主張する赤いクロス。あれぞ、本日紹介するデムナ・ヴァサリアの故郷である東ヨーロッパ・『ジョージア』の言語であり、国旗なのです。今回は“自称ジョージア観光親善大使”である、このわたくしが魅力を語らせていただきます!
先日、大統領にお会いする機会があったので、もはや自称→非公式くらいにはなっているのではないかと思う今日この頃……
渡ジョージア5回目となる今回は、“メルセデス・ベンツ・ファッション・ウィーク・トビリシ”のご招待。デムナを輩出した国だけあり、有望な若手が勢揃い。その中から今注目すべきデザイナーをピックアップ&レビュー!
situationist(シチュエーショナリスト)
「situationist」は頭角を現しつつある注目株。ミラノの若手サポート枠やパリコレの公式プレゼンで発表し知名度がアップ。ヴィテージのパターンをベースにガーメントを作るなど、面白いアプローチ。ただちょいとポストソビエトものには飽きがきたので、次のステップに期待!
George Keburia(ジョージ・ケブリア)
(左上)ジジ&ベラ・ハディッド姉妹や、ケンダル&カイリー・ジェナー姉妹が愛用するサングラス
皆さんが知らないうちによく目にしているのが「George Keburia」。ファッションウィークスナップによく登場する尖ったサングラス、実は彼のデザインなのです! 最近は80年代気分が続いており、'19年春夏はポストモダンな印象。なんと「situationist」のデザイナーも彼もファッションを学んでおらず、独学でブランドを立ち上げたという共通点が。ファッション教育は未だ充実していない模様です。
materiel(マテリアル)
「materiel」は1949年ソビエト時代のジョージアに誕生した、最古のアパレルブランド「Fashion House Materia」のプレミアムライン。自社工場の生産背景を生かし、若手のプラットフォームとして、コラボレーションを中心としたコレクションを展開している。今シーズンはソロデビューを果たした「Aleksandre Akhalkatsishvili」と「Lado Bokuchava」の2人が参加。ショップもあり、こちらもぜひ押さえておきたい。お隣にあるセカンドライン「dot」もお忘れなく! ということで、続けておすすめスポットもご紹介。
Chaos(カオス)
「Chaos」は「J.W.Anderson」などをはじめ「Gola Damian」など地元の新進気鋭を扱うセレクトショップ。こちらのショップでも今回ショーが開催されたのです。80年代や“ソビエトあの頃”ネタが多い一方で、90年代組も活躍! 「Gola Damian」は、映画が話題になっていたトーニャ・ハーディングを彷彿とさせるフィギュア風ドレスに、クラブカルチャーのエッセンスをプラスした(写真左上)。ニューブランドの「Tamara Kopalini」はかつてカムデンで売っていたような渦巻き柄アイテムを復活させたりと、盛り上がっていました。
ちなみに、こちらはジョージアのオシャレ番長こと「Rooms Hotel」というデザインホテル内に位置します。向かいにはオープンエアーのカフェバーを、川向こうにはめちゃくちゃかっこいいホステルを構え、さらに隣にはラグジュアリーホテルをオープンさせたばかりと、実に手広い……。このホテルは朝食もとびきりおすすめ。オープンキッチンでイケメンシェフを眺めつつ朝からいい気分に。
Fabrika
元縫製工場のホステル『Fabrika』は宿泊施設を備えた複合商業施設。コートヤードを中心にショップやカフェ、レストラン、ギャラリーが並んでいる。工房を兼ねた焼き物のショップやソビエト時代のデッドストックを扱うセレクトショップは是非覗いてみる価値あり。
次回は、続けてアートや建築、そして愛してやまないジョージアの食スポット、さらにはちょっとディープなマーケットもご紹介! お楽しみに。
<トビリシMap>
ロンドンを拠点にグローバルに活躍中のジャーナリスト。お肉と餃子をこよなく愛するスタイルアイコン。自称・浜松餃子親善大使。