「風の時代」は、ロスジェネ世代に“追い風”となりそう。
石井 2021年は水瓶座と牡牛座の星が目立ちます。両方とも不動宮(牡牛座・獅子座・蠍座・水瓶座)で、これはたとえば、絶対に変わりそうもないと思ったものに、ガーンと不可逆な変化が起こる、みたいなイメージだなと思います。
ふたりからメッセージ! これからの「占いとの付き合い方」
★ 水晶玉子さん
つらいとき、迷っているとき、誰かの一言で急に心が晴れることってありますよね。占いはそんなふうに、心を動かすためのヒントをくれるものだと思っています。
私も、自分が占いを始めたときのことを考えると、不安だったり悲しかったりして心をどこに持っていっていいかわからないときに、「この星が動いたら私は変われる」と思いながら星を読んでいたことがありました。
星は必ず動いて、次の星座へと移っていきます。月なんてすごいスピードで動いていくし、ゆっくりとしか動かない冥王星でも約10〜30年でひとつの部屋を動く。星が動けば運も変わるので、世の中変わらないものなんて何もないです。
私たちは、目の前で起きていることに目を奪われがちですが、占いはそんな近視眼的になったとき、視点を少し未来に向け、視界を広げてくれるものだと思います。
★石井ゆかりさん
私は児童文学の名作『小公女』が大好きなのですが、その中に、こんなエピソードがあります。裕福な家庭に生まれた主人公のセーラは、父親を失ってから一転、非常に貧しい、孤独な苦境に陥ります。それでもたったひとつ、お金持ちだった頃に買った人形を大切にして、毎日つらい気持ちを人形にむかって語りかけていました。
しかしあるとき、苦悩のあまり「あんたなんか何もわからない、ただのおがくずの詰まった人形にすぎないんだ!」と叫んで、人形を床にたたきつけてしまうのです。しばらく泣きわめいた後、少し気持ちが落ち着いて、セーラはさっき投げ出した人形を拾いあげて、ほこりをはらってやり、抱きしめました。私は、これは占いだ、と思いました。占いは少なくとも今のところ、科学的な裏付けのない「インチキ」です。社会的には、まともなものとして扱われていません。占いを愛する人々も、それを知っています。でも、セーラが「おがくずの詰まった人形」をそれと知りつつ拾いあげ、大事にしたのと同じ思いで、私たちは「占い」を大切なお守りのように扱うのです。
なぜ人間がそんなことをするのか、それもまだ、はっきりとは説明のつかないことです。あらゆる人形が、ぬいぐるみが、パンヤの詰まった「物体」に過ぎないのを知りながら、人間はそれらを大事に、大事に抱きしめてきました。星の動きが「星の動き」に過ぎないと知りながら、私たちは星に祈りを捧げ、希望を見いだそうとし続けるのだろうと思います。